1月19日放送分 サンデーモーニング感想 世界のリスク
「風をよむ」2020年のリスク
番組ではアメリカの「ユーラシア・グループ」を紹介。
ユーラシア・グループは１９９８年以来、
世界で起きている事象を、調査分析し、
世界的に大きな危機・リスクにつながる可能性を、
１０大リスクとして発表してきた。
年明けに発表された、今年の１０大リスクは下記。
10位「トルコ」
9位「中南米の混乱」
8位「シーア派の高揚」
7位「気候変動」
6位「ヨーロッパ」
5位「インドの変貌」
4位「多国籍企業」
3位「米中関係」
2位「超大国のデカップリング」
1位「米大統領選」
第１０位にランクされたのは、「トルコ」。
エルドアン大統領の政治力が急激に衰えつつあり、
経済がさらに低迷すると予想。
第９位は「中南米の混乱」
経済低迷や汚職などへの不満が渦巻く中南米の国々の混乱を予想。
第８位には、「シーア派の高揚」。
年明け早々に起きた、アメリカによるイラン革命防衛隊ソレイマニ司令官の殺害。
中東ではイランなどイスラム教シーア派の動きがリスクになっている。
第７位「気候変動」。
国際社会で高まる、
温暖化対策を求める声にもかかわらず、
政治側がこの課題を考えあぐねていると分析。
一市民のトゥンベリさんと
トランプ大統領の”にらみ合い”に象徴されるように、
政治と市民社会の間に対立の構図が厳しさを増していることを危惧している。
第６位には揺れる「ヨーロッパ」。
第５位は「インドの変貌」。
インドでは宗教間・宗派間の対立の激化が危惧されている。
第４位は「多国籍企業」のリスク。
国家が存在感を増すことで、企業の資本や資産が脅威にさらされるという。
そして第３位は「米中関係」。
中国は、香港の人権問題などへのアメリカの介入を、
内政干渉として反発。
安全保障や価値観の違いなどで、
衝突が生まれる危険性を警告している。
また、第２位でも、
「超大国間のデカップリング」として、
アメリカ・中国の対立・分断があげられている。
特に強調されているのは、テクノロジー分野での覇権争い。
米中どちらにつくか、
他の国々に選択を迫ることになり、地理的に中国に近く、
アメリカと同盟関係にある日本も難しい立場に立たされることになる。
そして1位に今年１１月に控える「アメリカの大統領選」。
国内の二極化が頂点に達する中、
世界で最も強固なはずの、アメリカの政治制度が厳しい試練にさらされ、
正当性が疑われる選挙になると予想。
その結果、政治空白が生じ、大きな混乱が起きる可能性がある、とのこと。
このことについて
ユーラシア・グループ イアン・ブレマー社長は
「大統領選は正当性のないものになる。この大統領選が、
いかに前代未聞の選挙となるかわかっておいた方がいい」とコメント。
1位から10位が発表されたが、
日本が直面するリスクとは何なのか？
番組コメンテーターの寺島実郎氏は
「今年は２０２０年東京オリンピック、
ともするとわれわれ自身が日本は結構「よくやってる」、
「いいんじゃないかシンドローム」
みたいな中にどんどんひきずられてくる。
このことがむしろ一番危険」とコメント。
オリンピックを控えるという、
日本の特殊性を指摘する寺島さん。
また、寺島氏は２０２０年の日本が抱えるリスクを、経済･外交、両面から
「経済のリスクについて言えば、アベノミクスの限界がもう明らかに。
なぜこれだけ株が高いのかっていうと、公的資金を突っ込んでいるということ。
世界のさまざまなリスクが噴出した時に、金融不安が起こり始めたら
日本の抱え込んでいる、金融だけが肥大化して実体経済が動かない、という、
このギャップが大変、大きなリスクになってくる」
さらに
「台湾が、（反中国の）蔡英文再選ということで中国との間にある種の緊張感が高まる。
台湾にはアメリカの基地は一切ない、だから米軍基地となると、沖縄がこの問題に対して正面から向き合うことに。
いやでも日本人が、これに巻き込まれていく可能性があるという事を、
われわれ、心しておかなければいけない」とコメント
→リスクの上位はアメリカ。そして中国。
両国の覇権争いは良い意味で切磋琢磨することが望ましいが、
国際情勢リスクのスペシャリスト集団のコンサル会社
ユーラシア・グループは「リスク」と捉えている。
そして日本は。。
アメリカファーストな外交。
中国とは隣国であり、
中国人観光客からもたらされる
インバウンドに期待している。
世界の２大リスク国との関係を密にしないといけない状況である。
今年は東京２０２０があり日本中お祭りムードになる。
一方、寺島氏がコメントする「いいんじゃないかシンドローム」
という言葉があるように、リスクを見失ってしまう
危険な年でもあるかなと感じます。
もちろん、私自身スポーツ好きであり、
日本でオリンピックが開催されること楽しみです。
きれいごとな言葉ですが、
「スポーツの力で国が一つになる」
というような日本全体の士気を上げるチャンスでもあること信じてます。
オリンピックがひと段落し、
日本全土が「ほっとした」瞬間。
何か嫌なことが起きそうな予感がする。
そんなネガティブなことを感じさせる今年の１０大リスクであります。
日本は世界のリスク２トップに対して
「接待をして」「頼っていく」ことをしないと
経済が回らないという新のリスク国であること
もっと自覚しなければいけないと痛感しました。