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ありがとうの扉を開く旅

「十年後のチケット」


愛されるべき存在

海斗は、自分のことを「特別な人間ではない」と思っている。
周囲の期待に応えることに精一杯で、自分が何を求めているのか考える余裕さえない。大学を卒業して就職し、忙しさに飲まれる日々。気を使い、使われて、それでもどこか人との関係に満たされない思いを抱えていた。

ただ、ひとつだけ信じていることがある。
「人間関係で一番大事なのは、大切なパートナーや仲間を裏切らないこと。」そして――「仲間を心から愛し、受け入れること」。

彼は、性別や立場に関係なく、自分が大事にしたいと思う人には全力を尽くす。それが友人でも、仲間でも、恋人でも同じだった。ただ、それだけの真心が、自分にも返ってくるとは思っていなかった。

そんな海斗の人生を大きく変える出来事が訪れる。
十年前に受け取った、一枚の航空券がきっかけだった。


十年後、パリへの旅

飛行機で隣の席に座っていたのは、短髪で凛とした雰囲気の女性、加藤紗季だった。話を聞くと、彼女も十年前に老紳士から同じようにチケットを受け取ったという。

「必要なときにこのチケットを使えって言われたけど、正直、必要だったのかどうかも分からないままここにいるの。」紗季は笑った。

海斗は不思議な安心感を覚えた。彼女と話していると、自然に笑顔になり、気を使う必要がないことに気づいた。


パリでの出会いと深まる時間

エッフェル塔の夜景

パリ初日の夜、二人はエッフェル塔を訪れた。塔が黄金色に輝き、空高く伸びるその姿に、海斗は言葉を失った。
「こんなに綺麗だとは思わなかった。」
その言葉に、紗季が小さく笑う。「わかる。写真じゃ伝わらないよね、この圧倒的な存在感。」

海斗はふと、彼女の横顔を見た。柔らかい笑顔を浮かべている紗季に、彼は気づいた。自分もこんな風に誰かと特別な時間を共有することが好きなのかもしれない、と。

「紗季さんは一人旅も好きそうだね。」
そう言うと、彼女は意外そうな顔をした。「よくわかったね。そう、一人の時間が好きなの。気を遣わなくていいから。」
海斗は頷いた。「俺もそうなんだ。一人の時間が好きで、誰かといるときも気を遣わない相手じゃないと疲れる。」
その言葉に紗季は少し驚いたようだった。「だからあなたといると楽なのかもね。」


セーヌ川の夜

二人はセーヌ川沿いを散歩した。穏やかな川の流れに映る街灯の光が、水面で揺れる。その静けさに包まれながら、二人は自然と自分たちの話を始めた。

「なんでこの旅に来たんだろうって、まだちょっと思うんだよね。」紗季が言った。
「でも、必要だったんじゃないかな。俺もそうだけど、普段の生活って、自分が何をしたいのか考える余裕がない。」海斗は足を止め、川面を眺めた。

紗季はじっと海斗を見つめた。「海斗さんって、そういう深い話を自然にする人なんだね。」
「そうかな。単に自分の中に答えがなくて、探してるだけかもしれない。」
その言葉に紗季は静かに笑った。「でも、あなたの言葉は優しいよ。答えがないからこそ、人を否定しないんだと思う。」


カフェでの語らい

翌日、二人はモンマルトルの小さなカフェを訪れた。アンティーク調のインテリアが心地よく、窓の外には石畳の道が広がっている。

「ここ、すごく落ち着くね。」紗季が言った。
「確かに。時間が止まったみたいだ。」海斗はコーヒーを一口飲みながら答えた。

「ねえ、海斗さんは、どうしてこうやって人の話を聞くのが上手なの?」紗季が不意に聞いてきた。
「上手かどうかはわからないけど、ただ聞いてるだけだよ。自分が話すより、相手が何を考えてるのか知るほうが楽しいから。」

その言葉に紗季は少し驚きながら微笑んだ。「本当にそう思ってるなら、それはすごいことだよ。誰かに話を聞いてもらえるって、すごく安心するんだから。」


モンマルトルの丘での夕暮れ

最後の夜、二人はモンマルトルの丘に登った。夕陽が街を黄金色に染め、風が心地よく吹き抜けていた。

「海斗さん、この旅に来て良かった?」紗季がふいに尋ねた。
海斗はしばらく空を見上げてから答えた。「ああ、間違いなく。自分が誰かとこうして特別な時間を共有できることが、こんなにも大事だって気づけたから。」

「特別な時間、か。」紗季はしみじみと言った。「一人の時間が好きだけど、それでもこんな風に誰かと一緒にいる時間は、本当に希少で尊いと思う。」

海斗は笑った。「俺も同じだよ。こういう時間を大事にしたいと思える相手に出会えたのは、偶然じゃない気がする。」


帰国後の新しい挑戦

旅を終えて帰国した海斗は、大きな決断を下した。
それまでの生活を手放し、ライターとして新しい一歩を踏み出した。書くことで、誰かの心に触れられるような仕事をしたいと思ったのだ。

一方、紗季もまた、地方に移住し、小さな宿を開業する準備を進めた。互いに新しい挑戦をしながらも、旅で感じた「笑顔で楽しむこと」「素直でいること」を心の支えにしていた。


再会と感謝

数か月後、紗季の宿が完成した時、海斗が一番乗りで訪れた。夜、彼女の宿で語り合う二人の笑顔には、これまでの旅の時間が鮮やかに刻まれていた。

「これからも、俺たちの旅は続いていくんだろうね。」
「うん、あの老紳士に感謝しないとね。」紗季が笑いながら言う。

老紳士が誰だったのかは、いまだに分からない。
ただ、その航空券が二人の人生を大きく変えたことは間違いなかった。


終わることのない旅

海斗は、自分が愛されるべき存在であることを、この旅で初めて実感した。そして、自分が誰かを愛し、受け入れることも自然にできるようになった。紗季との関係は特別だったが、それ以上に、彼女が教えてくれた「心から笑い合える関係」の尊さが、彼のこれからの人生の指針となった。

二人の旅は、終わることなく続いていく――
その先にある新たな景色を求めて。


この小説を執筆した海斗が来週からいよいよ世界一周の旅が始まります!寒い冬の時期に旅立つのは少し怖い気持ちもありますが、新しい出会いや発見を楽しみにしています。旅の様子や感じたことを発信していくので、ぜひフォローして応援してください!

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