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1999年のダービーを回顧してみる。

はじめに

 2話観ました。アドマイヤベガの双子ネタをガッツリ取り上げてくれてましたね……。その他にもオペラオーのゲート入りの件、渡辺薫彦の涙も、余すところなく拾っていく。これがウマ娘の良さだなぁと思わされます。ゲームをやらなければ神コンテンツ。
 取り敢えずダービーもやります。基本的には皐月賞前提なので前回よりは圧倒的に短くなるかと(自己暗示)

オッズからみる戦前の雰囲気

 皐月賞を経て完全に3強ムード。1番人気はここまで安定した戦績を残しており、東京替わりもプラスに見込まれたナリタトップロード。同率で東京での巻き返しを期待されるアドマイヤベガと武豊。3番人気(といっても全く差はない)に皐月賞の覇者テイエムオペラオー、こちらは府中で嫌われたか。以下、皐月賞2着は上手に立ち回ってきたオースミブライトが4番人気で、ここまでが単勝10倍以下。

結果と考察

公式ラップは以下の通り

12.8 - 11.3 - 12.0 - 12.0 - 12.1 - 12.3 - 12.4 - 12.4 - 12.3 - 12.8 - 10.9 - 12.0
 この世代、ポテンシャル戦に持ち込む逃げ馬多いですね〜。非常にいい世代。名馬を作り出すのはいつだって質の高い逃げ馬。そう思いませんか?
 そして今回は2ハロン目11.3なので前回ほど速くないですね。何があったのかな。流石に直線の入りで緩んで、特筆すべきはラスト2F目の10.9。上位3頭による究極の瞬発力勝負が繰り広げられたことでしょう。

①序盤〜1角の入りまで

 何やらネタにされそうな一珍棒牧場出身のノーザンカピタン1頭が大出遅れ。基本的には全馬揃ったスタート。
 ここで皐月賞のときには決着がつかなかったヤマニンアクロVSワンダーファングの逃げ争いが行われることになります。(ワンダーファングは直前競走除外。)さて、結果は?以下の通りです。

ロケットスタートすぎない?

 好スタートで飛び出したワンダーファングが勢いよく先頭へ。ヤマニンはこれを追うも、行き脚がつかず3番手まで。アッサリとワンダーファングが主導権を握ることになりました。皐月賞では最内枠を引いていたこともあり、もし出走していたら先陣争いはかなりスムーズになったのではと思われます。ヤマニンアクロにとってはいかに皐月がチャンスだったことか。
 3強各馬。テイエムオペラオーはまずまずのスタートからダッシュがついて好位へ。ナリタトップロードはそれを見てオペラオーをマーク。前回はある程度追走に加わったアドマイヤベガは反省を生かして後方3番手へ。
 有名な話に「ダービーポジション」と呼ばれるものがありまして、この言葉は、かつてダービーの出走馬は20〜30頭ほどいたため、「最も運のいい馬が勝つ」レースにおいてはある程度前につけなければ厳しいということからある程度の法則性を持って広まった言葉です。ダービーを勝つためには4角時点で10番手以内にいるのがマストとされていました。(今でも大体そうですが)
 馬には馬なりの戦法があるとはいえここの武豊Jの騎乗はかなり攻めた乗り方と言えるでしょう。各馬にとって一生に一度の大舞台で、スタートから全く促す素振りを見せず、あくまでマイペースで後方を進むという競馬には、やはり一度ダービーを勝てた経験が活きているのではないでしょうか。

②中盤〜終盤まで

スローペースだったら追走義務違反とか書かれてめちゃくちゃ怒られるやつ

画面上部の映像を見ればわかる通り、非常に縦長の馬群になっていることがわかります。最後の切れ味は速い流れについていかなかったことによるものであり、つまりは実質スローペースです。 

あっ、アニメで見た構図!

 オペラオーの外に出してマークしているのがナリタトップロード。皐月賞の敗戦からして何が何でも負けられない相手、というところか。この後ろで2頭を見ているのがアドマイヤベガ。縦長の馬群も次第に詰まっていってレースは4コーナーへ。

③直線の攻防

外から3頭接近

 3強は大外から位置を前へ前へと上昇。早めに抜け出しにかかるのは皐月賞馬テイエムオペラオーと和田竜二。この外を回って上がっていったナリタトップロード渡辺薫彦との叩き合いに持ち込む。最内から外に持ち出して、この背後から忍び寄るのは武豊のアドマイヤベガ。

一番面白い地点

 残り200を切って、ナリタトップロードが先頭に躍り出る。しかし、刹那、外からアドマイヤベガが強襲。必死の抵抗も、アドマイヤベガが持ち前の切れ味を如何なく発揮して1999年世代のダービー馬の栄冠に見事輝く。

否。現実は無情である。

分析

1着アドマイヤベガ

早め早めの追走をさせて基礎スピード面を問う走りをさせると、終盤に発揮できる抜群の切れ味が大きく削がれてしまうのがアドマイヤベガ。     

1999年の皐月賞を回顧してみる。|Hawkeye|note

 今回の騎乗は皐月賞の騎乗をフィードバックしてのもの。スタートから追走には全く参加せず、あくまで府中の長い直線だけでの末脚勝負に賭ける騎乗は今までの「ダービーポジション」を否定する、非常に革命的な騎乗です。
 縦長の馬群が自然と縮まっていくのを待ち、内に潜ってポジションを上げに行かなかったこと。先にテイエムオペラオー、ナリタトップロードが動くのを待ってその後ろを立ち回り、直線まで最大限脚を使わない省エネ騎乗に徹したこと。皐月賞であえて(?)失敗し、その反省をダービーに生かす、というパターンは昨年のドウデュースと同じ。というより、殆ど23年前の再現だったような……。
 直線の瞬発力勝負の決め手だけなら3強の中でNo.1。最後の最後にチョンと差す、というのは武豊さんでは何度も見るパターンですね。

2着ナリタトップロード

 東京替わりは明らかに+。皐月賞で末脚比べに負けたテイエムオペラオーをガッチリマーク、そしてアドマイヤベガよりも先に立ち回るというレースプランは完璧。ただし、1頭前にいただけ。
 オペラオーをマークしすぎて外を早めに上がって行き過ぎたというのが悔やまれるべきポイント(渡辺薫彦Jも泣いていましたね)。私としてはあと一呼吸でも遅ければ……というたらればを言っても仕方ないほどの乗り方だったと思います。瞬発力、というよりは長く使える脚が武器の馬なので……。

3着テイエムオペラオー

 オペラオーは後半の底力勝負に強い馬(詳しくは皐月賞編)。スローの瞬発力勝負ではどうも分が悪かった。本質的に東京よりは中山が向くようなタイプ。現代の高速馬場の基礎スピード勝負なら勝ってたと思います。ここからしばらく差しに転じるのはここでの早め先頭を後悔したからかな……?と。

おわりに

 みんなが動く展開で勝つのは結局最後まで動かない馬だったり。勝負は焦ったら負け。動かないところでは動く馬が、動くところでは動かない馬が、勝者は大体逆を行くものなのでしょう。
 さて、2話を終えた時点で以前無冠のナリタトップロード。この馬の未来はどうなる……?

多分3話は京都新聞杯かな。オースミブライトさんはクラシック皆勤賞なのでなんか出番が欲しいですね。

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