【統率者/EDH】サンダー・ジャンクションの無法者 統率者デッキレビューその3「重窃盗罪」
※本記事は全編無料でご覧になれます。
こんばんは。Lapisです。
今回は前回記事の続きで「サンダー・ジャンクションの無法者」の統率者デッキのレビューの3回目となります。前回記事は以下にリンクを貼っておきますので、興味がある方はそちらも見てみてくださいね。
前回は白赤緑の「砂漠に咲く花」についての紹介となりましたので、今回紹介は青黒緑の「重窃盗罪」の紹介となります。
それでは早速始めていきましょう。
目次
1.デッキ紹介
今回紹介するのは黒緑青のデッキ「重窃盗罪」です。
今回はパッケージで表紙になっている《抜け目ない取得者、ゴンティ/Gonti, Canny Acquisitor》を統率者として話を進めていきます。
詳しいデッキレシピについては、下記の公式サイトの紹介ページをご覧ください。
青・黒・緑のスゥルタイカラーのデッキで、ドローとマナ加速のカードを多数収録していることから5マナとちょっと重めなゴンティも素早く着地させることができます。惜しむらくは青なのに打消し系の呪文がほぼ無いことですが…。
2.注目カード
新規カード
このデッキで新規収録されたカードは以下の10枚。
※統率者デッキ、コレクターブースターからのみ手に入るカードを指します。
再録カード
続いて再録カードの中でも特に統率者と相性の良いもの、他ではあまり再録されていないものを紹介します。
3.デッキの特徴
改めて統率者であるゴンティの能力を確認しましょう。
能力は2つ。1つ目は自分がオーナーではない呪文を唱えるコストを軽減するルール能力。2つ目は自分のクリーチャーが相手にダメージを与えた際に相手のライブラリートップを追放し自分がプレイできるようになる誘発能力。
見て分かる通り2つ目の能力で相手のカードを奪い、1つ目の能力でコストを軽減しプレイするというのが基本的なコンセプト。
「1体以上のクリーチャーがプレイヤー1人に~」というテキストなので対戦相手1人につき一度のダメージでは1枚しかカードを奪えません。ただゴンティ自身がダメージを与える必要はないため、ゴンティに速攻を付与せずとも他のクリーチャーを先に並べておけば、ゴンティが着地したターンから能力を使用できます。対戦相手が3人いれば一度のダメージで最大カードを3枚奪取可能。
そして「プレイしてもよく」というテキストなので奪った中から土地もプレイ可能なのが珍しいところ。
基本的にはゴンティの能力を活かすために、飛行や「ブロックされない」能力を持つクリーチャーを並べ攻撃していくのが基本戦術となるでしょう。このデッキにもその用途で《トリトンの岸忍び》《這い寄る刃》のようなクリーチャーが採用されています。
またゴンティのコスト軽減能力は、ゴンティ自身の誘発能力で追放したカード以外のコストも軽減できるため《人質取り》《ブレインスティーラー・ドラゴン》のように他にも相手のカードを奪うカードが採用されています。
このようにゴンティの能力を中心に相性の良いカードが多く採用されており、デッキ全体のまとまりは高め。しかしこのデッキ“のみ”で勝ち切るための戦略が明確には用意されていないため、1位をもぎ取るためには工夫が必要。
4.デッキの長所・短所
<長所>相手の戦略を崩して戦える。
相手のライブラリーからキーパーツを引き抜いて勝ち筋をつぶしたり奪ったカード同士のシナジーで予想外の動きができたりするユニークさが強み。
あとゲームに直接関係することではありませんが、自分が知らないカードに直面することも多くなるため色々なカードやシナジーに触れることもできます。ランダムなカードの組み合わせで新しいコンボに気づけるかも?
<短所>軸となる勝ち筋がない。プレイ難易度が高い。
「相手からカードを奪う」というコンセプトはあるものの、それ自体は勝ちに直結しないため勝ち切れないことも多いのが欠点。
また相手から奪ったカードのテキストをいちいち確認しなければならないのが結構なタイムロスになります。奪ったのが知っているカードならばいいのですが、統率者戦はただでさえ100枚ハイランダーのデッキであるのと、統率者によって他のデッキでは採用されないようなマイナーなカードも多数採用されるため知らないカードに直面する機会も多いでしょう。
そして気をつけたいのが、奪ったカードの中でも特にパーマネントカードは自分の場に出るためゲーム終了後のオーナーへの返却忘れに注意。スリーブの色が似ていたりしたら知らない間に混ざってしまっていることもあるかも。
リアル窃盗ダメ、ゼッタイ。
5.総評
総合して見ると、コンセプトは面白いもののカードテキストの知識量やプレイの速度などプレイヤーへ求められるスキルが多く初心者向けとは言えないかも。コンセプトの独自性が高く、相手のカードを奪うことは相手の戦略への妨害にもなるため突き詰めれば面白いデッキになると思うので「他の人と違う戦い方で勝ちたい!」という統率者戦にある程度慣れた人に勧めたいデッキです。
6.強化案
ここからはこのデッキを更に強化したい場合の個人的なおススメカードの紹介です。記事投稿時点でスタンダード使用可能な入手しやすいカード、スタンダード範囲外だがあれば強いカードで分けて数枚ずつ紹介させてもらいますね。
スタンダード使用可能カード
(『イニストラード:真夜中の狩り』~『サンダー・ジャンクションの無法者』)
《怪しげな密航者/Suspicious Stowaway》
《船乗りの人狼/Seafaring Werewolf》
ゴンティの能力を使うためには「ブロックされない」能力を持つクリーチャーで確実にダメージを通すことが重要。構築済みデッキにも最初から《トリトンの岸忍び》のような1マナの「ブロックされない」能力持ちのクリーチャーが入っていますが、これらはそれしか能力が無いため後半引くと腐りがち。その点、このクリーチャーなら与ダメージ時に手札交換もできるので単体でもそれなりに役割があります。
変身するとサイズが上がり、能力も純粋なドローに変わるので結構役立つかも。
《極悪非道の盗人/Outrageous Robbery》
相手のライブラリートップを追放しプレイできるようになるカード。追放されたカードはターンを跨いでプレイできる上に、これ自体もインスタントなので余ったマナで相手ターンに差し込んで使えるのがナイス。
相手が《俗世の教示者》等でライブラリートップに積み込んだカードを奪い取ったりもできるので、単体でも使い勝手は良好。
《すりのチビボネ/Tinybones, the Pickpocket》
与ダメージ時の能力で相手の墓地の呪文を唱えることができます。この能力で相手の呪文を唱える際にもゴンティの能力でコストが軽減されるので相性は良好。
相手からすれば接死でブロックしたくないのでダメージを通しやすく、ゴンティの能力誘発にも役立ってくれます。
スタンダード範囲外のカード
《記憶の欠落/Memory Lapse》
青の打消し呪文ですが、打ち消した呪文は墓地ではなくオーナーのライブラリートップへ。これでトップに置いたカードをゴンティの能力で奪うことができるので、打消しの中では特に相性が良いかも。
《裏切りの工作員/Agent of Treachery》
出た際に相手のパーマネント1つを奪う生物。これだけだと7マナという重さに釣り合っていない気もしますが、もう一つの能力で自分以外のプレイヤーのパーマネント3つ以上をコントロールしているとエンドに3枚ドローできます。ゴンティの能力で大量に相手のカードを奪い、このカードで更なる手札強化を狙いましょう。
《ダウスィーの虚空歩き/Dauthi Voidwalker》
シャドーによりほぼブロックされない生物であり、相手の墓地に落ちるカードを虚空カウンターを乗せて追放する永続能力、生け贄にすることで虚空カウンターが乗ったカード1枚をタダでプレイできる起動能力を持ちます。
アンブロッカブルというだけでもゴンティと相性が良いですが、墓地利用の対策にもなり相手のカードをプレイできるようにもなるため、採用すると良い働きをするかも。
7.最後に
今回はここまでとなりますが、いかがだったでしょうか。
初心者向けではないと言ったものの、デッキの方向性は独自性が高く突き詰めればかなり面白そうです。他人のコンボパーツを引き抜いてゲームを混沌の渦に叩き込むこともできるので、是非遊んでみてください。
次回は白黒赤の構築済みデッキ「最重要指名手配犯」のレビューを投稿予定です。なるべく早めに投稿できるよう頑張りますのでお楽しみに。
では今回はこれまで。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
ここから先は
¥ 100
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?