【統率者/EDH】《荒野の鏡、ギレッド/Ghired, Mirror of the Wilds》デッキリスト+解説 ~自由を求めて進み続けた~
※本記事は全編無料でご覧になれます。
こんばんは。Lapisです。
今回は第22回の統率者戦デッキレシピ紹介+解説になります。
前回は『サンダー・ジャンクションの無法者 統率者デッキ』より、インスタント・ソーサリーを駆使してトークンを量産する《嵐の咆哮、エリス/Eris, Roar of the Storm》のデッキを紹介しましたが、ご覧になって頂けましたでしょうか。
まだの方は下記にリンクを貼ってありますので、興味がありましたら見て頂けると嬉しいです。
今回も『サンダー・ジャンクションの無法者』より、そしてまたもやトークンを活用したデッキの紹介になります。「またか…」という気持ちは少し抑えて、どうか最後まで読んで頂けると幸いです。
さてそんな今回の統率者はコチラ。
《荒野の鏡、ギレッド/Ghired, Mirror of the Wilds》になります。
白赤緑の速攻持ちで、自軍の非トークン生物すべてにトークンをコピーする能力を付与します。自軍全体にコピー能力を付与する非常にユニークな能力で、統率者戦では悪用しがいのありそうですね。
余談ですが、このギレッドというキャラクターの初出は『統率者2020』構築済デッキ収録の《議事会の流刑者、ギレッド/Ghired, Conclave Exile》となります。
背景ストーリーを見ると、元はラヴニカ次元のセレズニア議事会所属だったものの灯争大戦後にグルール一族へ鞍替えしたようです。
その後《荒野の鏡、ギレッド》のフレイバーテキストによるとグルール一家にも馴染めず、サンダー・ジャンクションに来て自分の居場所を見つけた模様。こうしてキャラクターやシナリオにフォーカスしてその変遷を楽しめるところも長い歴史のあるMtGの面白いところですね。
トークンをコピーする能力も、セレズニアのキーワード能力「居住」を意識して作られたと思うとカードデザインの奥行きを感じられて良いですね。
では、今回も始めていきましょう。
1.デッキリスト
今回も「晴れる屋」のデッキ構築機能を使用してのデッキ公開となります。
※想定デッキパワーレベル:Lv.5~6
※2024/7/14時点『モダンホライゾン3』までのカードプールで作成。
2.デッキ解説
改めてギレッドの能力を確認しましょう。
キーワード能力の速攻に加え、自分の生物すべてに「タップするとこのターンに生成されたトークンをコピーする」という能力を付与する永続能力を持ちます。自身は速攻持ちなので、出てすぐにコピー能力を起動できるようになっているのが新設設計。
ギレッドが付与するコピー能力はタップコストがあるので召喚酔い状態だと起動できませんが、対象とするトークンは生物でなくても良いので宝物・トークンをコピーしてマナ加速、手掛かり・トークンをコピーしてドロー、食物・トークンでライフ回復を狙うことも可能。その他にも色々と活用方法があります。かなり応用の効く能力なので、そこを活かして戦えるゲームプランを立てていきましょう。
ここからは用途ごとに相性の良いカードを紹介していきます。
トークンを作る手段
ギレッドの能力を活かすため、まずはトークンを生成するカードを大量に採用しましょう。先述した通り生物でないトークンもコピーできるので、宝物トークンを作って増やして高コストの呪文を唱える準備をしましょう。
おススメなのが《大勝ち/Big Score》のような宝物を生成しつつ他のアドバンテージも得られるカード。手札とマナを増やし、宝物をコピーすることで更に潤沢なマナを用意しましょう。
クリーチャーのコピーを作る
宝物等をコピーしアドバンテージを確保し続けてもいいですが、それだけでは勝てません。勝つための手段として、クリーチャーのトークンを生成し攻撃に防御に使っていきましょう。特に強力な生物のコピーをギレッドの能力で2体、3体と増やせれば勝ちにグッと近づきます。
ギレッドの能力でコピーできるのは「このターンに場に出たトークン」のみなので、毎ターンコピーを生成できるような能力を持っているのが理想。
筆頭は毎ターンコピーを生成できる《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》でしょうか。他にも墓地のクリーチャーのコピーを生成する《第三の道のフェルドン/Feldon of the Third Path》なんかもおススメ。
クリーチャーをアンタップする
ギレッドの能力を複数回使うためにも、生物をアンタップする手段を用意しておくと何かと役に立ちます。相手のアンタップステップに全パーマネントをアンタップする《種子生まれの詩神/Seedborn Muse》、場に出た時に生物を全てアンタップする《村の鐘鳴らし/Village Bell-Ringer》や《大樫の守護者/Great Oak Guardian》が代表例でしょうか。
これらのカードはそもそもがマナクリ等のタップ能力を持つ生物と相性が良いので、ギレッドがいなくても他のカードとのシナジーがあるという点でも優秀。
3.キーカードピックアップ
このデッキで特に重要なカードを数枚ピックアップしてご紹介。
《落星の学者、ロクサーヌ/Roxanne, Starfall Savant》
場に出るか攻撃する度に《隕石/Meteorite》を出す生物。隕石は着地時に対象1つに2ダメージを飛ばせるほかにマナ能力も持っているので非常に便利。隕石を複数回コピーしてダメージを飛ばしながらマナを伸ばす動きが非常に強力ですが、ロクサーヌにはもう1つ能力があり、アーティファクトをマナ能力を使用するためにタップした時に追加でマナを出せます。これは隕石以外のマナファクト、なんと宝物にも適用されるため、コピーしておいた宝物から大量にマナを伸ばしてビックアクションに繋げることが可能。
《野生の律動/Rhythm of the Wild》
自分の生物呪文が打ち消されなくなるエンチャント。また「暴動」で生物の着地時にその生物が+1/+1カウンターか速攻のどちらかを得ます。
生物主体のデッキなので統率者含め生物すべてが打消し不可となるのは結構安心できますし、速攻付与で着地後すぐにギレッドが付与するタップ能力を使えるようになるのが高相性。
《炎影の妖術/Flameshadow Conjuring》
非トークン生物着地時に赤マナを払うとそれのコピー・トークンを生成するエンチャント。ただしこのコピーはそのターンの終わりに生け贄となります。
着地時限定ながらどんな生物も1マナでコピーできるので、そこからギレッドの能力で更なる展開が可能。そこから様々なコンボにも繋げていくことができます。特に後で紹介するコンボを成立させるためにも使えるので、このデッキでの重要度はかなり高め。
4.勝利手段
このデッキの勝ち手段について。
だいたい察しがつくと思いますが、無限トークンを成立させて殴って勝ちます。
主なルートは3つあるので、それぞれ解説していきましょう。
《深夜の護衛》ルート
こちらのルートのキーカードは《深夜の護衛/Midnight Guard》になります。
手順
①:《深夜の護衛》が召喚酔いしていない状態、かつギレッドが場にいる状態にする。
②:何かしらの手段で適当なクリーチャー・トークンを生成。
③:ギレッドが付与した能力で《深夜の護衛》をタップしトークンをコピー。
④:クリーチャーが場に出たことで《深夜の護衛》がアンタップ。
⑤:③に戻る。以降無限ループ。
上記の手順で最初に出したトークンを無限にコピーできます。生成したトークンが速攻を持っているなら一斉攻撃でゲームエンドです。
「《深夜の護衛》が召喚酔いしていない状態」という条件が付くため若干難易度が高いものの、《召喚の調べ》で相手ターンの終わりに出したり、《野生の律動》で速攻を付与したりとやりようはあります。
《村の鐘鳴らし》ルート
こちらのルートのキーカードは《村の鐘鳴らし/Village Bell-Ringer》です。(《大樫の守護者/Great Oak Guardian》でも代用可)
手順
①:ギレッドが場にいる状態にする。
②:《村の鐘鳴らし》(《大樫の守護者》でも可)を出す。
③:何かしらの手段で《村の鐘鳴らし》のコピーを生成する。
④:ギレッドをタップし《村の鐘鳴らし》のコピー・トークンをコピーを生成。
⑤:《村の鐘鳴らし》のコピーが場に出た時の誘発能力ですべてのクリーチャーをアンタップ。
⑥:④に戻る。以降無限ループ。
上記の手順で《村の鐘鳴らし》のコピーを無限に生成できます。コピーが速攻を持つならば一斉攻撃でゲームエンド。
「特定の生物をコピーするのは難しいんじゃないか?」と思われるかもしれませんが、起動能力で生物のコピーを生成する《鏡割りのキキジキ》、場に生物が出た時にそのコピーを生成する《炎影の妖術》なんかがあるため割と何とかなります。自身が瞬速を持つため、隙を見せずに着地しやすいのも割と便利。
生物を全てアンタップする能力は単純にギレッドでコピーを生成できる量が倍になると同義なので、コンボに繋がらなくても普通に使ってもOK。
《士気溢れる徴集兵》ルート
最後のルートのキーカードは《士気溢れる徴集兵/Zealous Conscripts》。キキジキ徴集兵で有名なカードですが、ギレッドでもコンボが成立します。
手順
①:《士気溢れる徴集兵》とギレッドが場にいる状態にする。
②:何かしらの手段で《士気溢れる徴集兵》のコピー・トークンを生成する。
③:ギレッドが付与した能力で《士気溢れる徴集兵》をタップしトークンをコピー。
④:《士気溢れる徴集兵》のコピーが場に出た時の誘発能力で《士気溢れる徴集兵》本体をアンタップ。
⑤:③に戻る。以降無限ループ。
上記の手順で《士気溢れる徴集兵》のコピーを無限に生成できます。
こちらもこのカードをコピーする必要があるものの、自身が速攻を持っているので決まれば一斉攻撃でゲームエンド。タップ能力も即使用できるので他に比べ条件が緩めなのが特徴。
というかこいつとキキジキがいればそれだけで無限コピー成立しちゃうんですがね…コンボパーツも少なくて済むし…。
5.プレイング指針
<マリガン基準>
可能ならマナクリがある状態でキープしたいところ。そうでなくとも2マナ以下のマナファクトか宝物を生成するカードがあれば及第点でしょうか。
<序盤>
序盤は《ラノワールのエルフ》等のマナクリを用意したり、宝物を生成したりととにかく準備を行いましょう。
<中盤>
盤面にパーマネントが揃ったところでギレッドを着地させましょう。着地と同時にコピー能力を使えるよう、トークン生成手段を用意してから着地させた方が得策。
<終盤>
ギレッドの能力でリソースを伸ばし、ドローやサーチでコンボパーツを集めたらコンボを決めて全員のライフを削り切りましょう。コンボは相手ターン中でも狙いやすいので、可能なら自分ターンの直前に動き相手の使えるマナが少ないタイミングを狙って仕掛けましょう。
6.このデッキの長所・短所
<長所>コンボルートが多い。
勝利手段の項で述べた無限トークンのルートは3つですが、他にも無限トークンが成立するルートは多く存在し、代替カードも多いのでコンボパーツ1つを失っただけで勝利手段が消滅するといったことがないのが強み。コンボ重視と言っても一本道ではないので、使えるカードでルートを見つけ出していきましょう。
<短所>ギレッドが単体では仕事をしない。
ギレッドの能力を活かすためには「トークンを生成するカード」が必要となり、本人だけではアドバンテージに繋がる動きが出来ません。相性の良いカードの間口が広いとはいえ、それらのカードが引けなければやることがあまりないというのが欠点でしょうか。
7.結び
今回はここまでとなりますが、いかがだったでしょうか。
ここまで3回に渡ってトークンを主体にしたデッキが続きましたが、今回はこれまでと違い「トークンのコピーを生成する」という独自性の高い能力でこれまでとまた一味違ったデッキになったのではないかと思います。
余談になりますが、冒頭でも書いた通り今回の《荒野の鏡、ギレッド》というカードを通してギレッドというキャラクターの辿るストーリー、元となったカードのコンセプトの踏襲と発展…それらからMtGというカードゲームのデザインがより好きになりましたね。
同じ名前のキャラクターを再登場させるというのはやろうと思えばいつでも可能ではあるのでしょうが…物語的に、またはセットのデザイン的に上手くキャラクターを活かせるデザインスペースがあるかどうかは別物なので、今回のようにストーリー的にも性能的にもそのセットに合ったカードを作るというのは難しいと思います。それができるのは、30年続いてきたMtGの歴史のおかげなんだろうなって。(やらかしも今でも多いけど…)
さて次回ですが、ついに『モダンホライゾン3』のカードで統率者デッキ紹介を…と思っていたらユニバースビヨンド『Assassin's Creed』が発売してしまいました。しかも来月はもう『ブルームバロウ』が発売。早すぎんか???
でもまぁとりあえず次回は『モダンホライゾン3』のレジェンドを使った統率者デッキの紹介になるかと思います。ネタは温めてあるので、早めに記事投稿したいと思います。『ブルームバロウ』が発売されるより前にはなんとか…。
では今回はこれまで。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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