【統率者/EDH】ブルームバロウ 統率者デッキレビューその1「動き出した兵隊」
※本記事は全編無料でご覧になれます。
こんばんは。Lapisです。
皆さん今日も元気にMTGしてますか?
さてもう1カ月以上経過してしましましたが、8/2(金)に新セット『ブルームバロウ』が発売されましたね。
もふもふな小さい動物たちを主人公としてファンタジー世界を冒険するという設定で、ファンシーな見た目から子どもや女性を含めた新規層獲得に大いに貢献したんだとか。新規プレイヤーが増えるのは嬉しい限りですね。
…だというのに9月末発売の次のセット『ダスクモーン:戦慄の館』はモダンホラーがテーマで、おどろおどろしい雰囲気の中おぞましい怪物たちとの遭遇ということ内容になっており「せっかく『ブルームバロウ』で獲得した新規層が離れないのか…?」と気になる今日この頃。ウィザーズくんマーケティング間違えてない…?
まあ本題から逸れてしまうので今回その辺はスルーで。
今回は発売から時期が空いてしまいましたが、新セット『ブルームバロウ』と同時に発売された『ブルームバロウ 統率者デッキ』4種の内容について、前回の『サンダー・ジャンクションの無法者』の時のようにデッキの内容について触れていこうと思います。各デッキの戦術と面白さ、改善点にスポットを当て、その内容を全4回で紹介していきたいと思います。
「購入を検討している」という人や「購入して改造したいけど何を入れればいいのかわからない!」という人の参考になれば嬉しいです。
では、今回も始めていきましょう。
0.そもそも統率者デッキってなに?
今回はシリーズ初回なので、統率者デッキとは何かを軽く説明しましょう。
この商品はMTGのフォーマットの一つである「統率者戦」で遊ぶための100枚のカードで構成されたデッキが一つ入っています。統率者戦がなんであるか、まで話すと長くなるのでここでは割愛します。気になる方は以前私がアップした以下の記事をご覧頂ければと。
それぞれパッケージになっている伝説のクリーチャーを統率者として、統率者の能力と相性の良いカードを中心に構成されたデッキとなっており、開封してそのまま対戦できるようになっています。
特にここ数年の統率者デッキは再録が豪華(シングル価格が比較的高めのカードの再録)だったり、コンセプトに沿った強力なカードが新規・再録合わせて複数収録されていたり、マナ加速手段であるマナ・アーティファクトや土地を追加で出すカードがきちんと一定数以上採用されていたりと未改造でも十分強いのが特徴。
100枚のデッキ以外に入っているものは、デッキに収録されたカードで生成できるトークンを表すトークン・カードが10枚前後、組立式の紙製デッキケース、紙製のライフカウンター、デッキの戦略や統率者戦の簡単なルールが記載されたプレイガイド、そしてコレクター・ブースター・サンプルパックです。
※コレクター・ブースター・サンプルパックとは、コレクターブースターと同様の収録内容で2枚だけカードが封入されたお試しパックです。
これだけのモノが入っているため、購入すればすぐにでも統率者戦をプレイすることが可能。加えて先述の通り最近の構築済みデッキは無改造でも十分強いため、これから統率者戦を始めたいと思っている初心者の方にもおススメです。
最近は新セット発売に合わせて、新セットの雰囲気やメカニズムに寄せた統率者デッキが4つセットで発売されるようになっているので、興味がある友達と4個セットで購入して遊ぶというのもいいかもしれませんね。
1.デッキ紹介
今回紹介するのは赤緑のデッキ「動き出した兵隊」です。
今回はパッケージで表紙になっている《茨の吟遊詩人、べロ/Bello, Bard of the Brambles》を統率者として話を進めていきます。
詳しいデッキレシピについては、下記の公式サイトの紹介ページをご覧ください。
自分ターンの間のみ、自分のコスト4以上のアーティファクト(装備品以外)とエンチャント(オーラ以外)を速攻、破壊不能と与ダメージ時にドローする能力を持つ4/4の生物として扱うことができます。
《オパール色の輝き/Opalescence》《機械の行進/March of the Machines》の能力を足して範囲を限定したような能力で、これらの色である白・青を含まないという不思議なクリーチャー。自分のカードのみを生物化して殴るという点が赤緑らしいといえばらしいでしょうか。
2.注目カード
まずは今回新規収録となるカード・再録されたカードを一言コメントを添えて紹介していきます。
新規カード
このデッキで新規収録されたカードは以下の10枚。
※統率者デッキ、コレクター・ブースターからのみ手に入るカードを指します。
再録カード
続いて再録カードの中でも珍しいイラスト違いのものを紹介します。特に今回は再録カードの中でもブルームバロウVerのイラスト違いのカードが多数あり、思わず使いたくなる可愛さです。
3.デッキの特徴
改めて統率者であるベロの能力を確認しましょう。
冒頭でも説明しましたが、ベロがいる自分ターンの間は自分のコスト4以上のアーティファクト(装備品以外)とエンチャント(オーラ以外)を速攻、破壊不能を持つ4/4の生物として扱うことができます。
赤緑ではエンチャント、アーティファクト軸のデッキというのは珍しい方ですが、珍しいなら是非とも使ってみたいですよね。
生物化させるのはコスト4以上のものに限られますが、コスト4以上のオーラや装備品でない、所謂「置物」と呼ばれるものは強力な効果を持つ場合が多いです。《理由なき暴力/Gratuitous Violence》《不自然な成長/Unnatural Growth》等が例が挙げられるでしょうか。
これらを早期に着地させるためにも、序盤のマナ加速の比重を重くする必要があるでしょう。このデッキでは《遥か見/Farseek》《不屈の自然/Rampant Growth》《探検/Explore》《耕作/Cultivate》といった低コストの基本的な土地加速、《衝動のタリスマン/Talisman of Impulse》《友なる石/Fellwar Stone》《秘儀の印鑑/Arcane Signet》《精神石/Mind Stone》といった低コストマナファクトが大量に搭載されているので、その点は問題ないでしょう。
中盤で不足しがちな手札も、ベロで生物化したカードが与ダメージ時にドローする能力で補充可能となかなかに隙がなく、リソース不足で息切れを起こしにくいというのも高評価。
少々マニアックな話になりますが「機体」アーティファクトは4コスト以上なら搭乗コスト無しで破壊不能も付与されるためかなり相性が良いと言えます。このデッキにも《エシカの戦車/Esika's Chariot》が採用されていますが、搭乗4を無視して4/4速攻・破壊不能の生物がトークン生成しながら殴りかかるのはかなり強力なので意識しておくと良いでしょう。
4.デッキの長所・短所
<長所>破壊不能アタッカーを揃えて殴れる。
自分ターンのみとは言え破壊不能持ちで攻撃できるのはかなりの安心材料。多人数戦では通常の構築戦以上にコンバットで悩む場面が多くなりがちですが、ベロの能力で生物化したカードは破壊不能を持つので、自分ターンでしか生物化しないことと合わせて割り切ってフルアタックをかけやすいのが初心者にとっては良い点。4/4とサイズもそこそこなので相手ライフに常にプレッシャーをかけることもできます。
<短所>相手ターン中に無防備な場合が多い。
基本的に自分以外のターンは盤面ががら空きになりがちなため対策は必須。攻撃はベロで生物化したカードに任せて、防御は小型トークンを生成してチャンプブロックで対応するなど準備をしっかり行いましょう。
5.総評
ベロの能力はテキストだけ見れば長いですが、能力自体は比較的シンプルなためデッキのプレイング難易度は比較的低め。攻撃することが基本的なプランでもあるため、初心者でも簡単に扱えるという点がグッド。土地加速やマナファクトも多く、手札補充手段も複数搭載されているので今回の4種では一番初心者におススメのデッキかも。
4コスト以上でオーラや装備品以外のエンチャント、アーティファクトなら何でも採用範囲という点で拡張性も高いので、改造のしがいも結構あると思います。
6.強化案
ここからはこのデッキを更に強化したい場合の個人的なおススメカードの紹介です。記事投稿時点でスタンダード使用可能な入手しやすいカード、スタンダード範囲外だがあれば強いカードで分けて数枚ずつ紹介させてもらいますね。
スタンダード使用可能カード
(『団結のドミナリア』~『ブルームバロウ』)
《燃える都市/City on Fire》
自分が発生源であるダメージを3倍にするエンチャント。非常に豪快な能力ですが、コストも8と豪快。ただ「召集」を持つため見た目よりは軽くプレイできる場合がほとんどでしょう。ベロの能力で自分ターン中はアーティファクトやエンチャントも生物扱いなので「召集」のコスト軽減に使えるのもポイント。
《エルフの文書管理人/Elvish Archivist》
1ターンに一度、アーティファクトを出せば+1/+1カウンター2個をこれに載せ、エンチャントを出せばドローができる生物。このデッキはアーティファクトとエンチャントを多用するので強化もドローも行えるタイミングはそれなりにあります。手札補充手段が足りないと思ったら採用してみては。
《密室の温室の事件/Case of the Locked Hothouse》
毎ターン土地のプレイ回数が増える《踏査/Exploration》の亜種。こちらは土地が7枚以上あればライブラリートップから土地、クリーチャー、エンチャントもプレイできるようになります。エンチャントをプレイできるのがこのデッキと合っており、これ自体も4コストでベロで生物化できるのでかなりの高相性。
スタンダード範囲外のカード
《ぼやかす薄霧/Obscuring Haze》
《濃霧/Fog》の亜種で、自分の統率者が場にいればタダで撃てるピッチスペル。相手ターン中は自分の場ががら空きになりがちなデッキなので《濃霧》系のカードはいざという時の防御手段として忍ばせておくのもあり。
《濃霧》系のカードはバリエーションが多いので、コレ以外でも気に入ったものがあれば採用してみると意外に役に立つかも?
《通電式構成物/Voltaic Construct》
2マナでアーティファクト・クリーチャーをアンタップする起動能力持ち。タップで3マナ以上を出せる《スランの発電機/Thran Dynamo》等のマナファクトがベロの能力で生物化した状態でコイツがいれば無限マナに突入できるのでとりあえず候補に。ただ無限マナの使い道があるかというと難しいので《歩行バリスタ/Walking Ballista》のような無限マナの注ぎ先は別途用意が必要になります。
《アクローマの記念碑/Akroma's Memorial》
自軍生物すべてに飛行、先制攻撃、警戒、トランプル、速攻、プロテクション(黒)(赤)を付与するアーティファクト。7コストと重いですが、ベロで破壊不能となったエンチャントやアーティファクトにこれらの能力まで付与されれば防御は非常に厳しくなります。これ自体もベロがいれば生物化しすべての能力を得るので単体でも高性能なアタッカーとして扱えます。
《ノーチロイド船/Nautiloid Ship》
飛行持ちの機体。先述の通り、ベロで搭乗無しで4/4で生物化する上に飛行はそのままで速攻・破壊不能まで持つスーパー生物になれます。
また場に出た際の誘発能力で対戦相手1人の墓地を全て追放、そして与ダメージ時の誘発能力で追放した生物を自分の場に出すことが出来ます。相手ターン中は場ががら空きになりがちなこのデッキでは、ブロッカーを調達できるカードの価値が高いのでこのカードも採用する価値があります。
《サンドワームの収斂/Sandwurm Convergence》
8コストとべらぼうに重いですが、自分が飛行持ち生物では殴られなくなるという強力な防御能力を持つエンチャント。非飛行生物の攻撃は通りますが、地上は毎ターン生成される5/5のトークンで食い止めることができるので、一枚で抜群の防御性能を発揮します。防御面で不安の残るこのデッキでは是非採用したい1枚。
7.結び
今回はここまでとなりますが、いかがだったでしょうか。
土地とマナファクトの2面で序盤のマナ加速を行い、手札補充手段も兼ね備えたデッキであるため安定感が高く「殴って勝つ」という基本的なアプローチで勝ちを目指すため、初心者にもオススメなデッキです。興味がある方は手に取ってみてはいかがでしょうか?
さて次回は青赤白の構築済みデッキ「家族が第一」のレビューを投稿予定です。お楽しみに。
では今回はこれまで。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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