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【統率者/EDH】《希望の源、ジアーダ/Giada, Font of Hope》デッキリスト+解説 ~白い祈りと、決意を~

※本記事は全編無料でご覧になれます。

こんばんは。Lapisです。
今回は第7回の統率者デッキレシピ+解説となります。
前回は「ニューカペナの街角」から舞台座一家のボス《宴の結節点、ジェトミア/Jetmir, Nexus of Revels》を統率者にしたデッキを紹介しましたが、ご覧頂けましたでしょうか。

今回は同じくニューカペナより、背景ストーリーの主要人物である《希望の源、ジアーダ/Giada, Font of Hope》を統率者にしたデッキをご紹介。

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現在スタンダードではジアーダの影響で天使ビートが流行しているそうですが、そちらは白黒で構築されます。一方こちらはジアーダを統率者にする都合上白単で構築することになります。統率者戦において白単は全カラーリング中最弱、と長年言われ続けてきましたが…。

とにかく、今回も最後までお楽しみください。

※本記事はウィザーズ・オブ・ザ・コースト社のファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。題材の一部に、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の財産を含んでいます。
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1.デッキリスト

今回も「晴れる屋」のデッキ構築機能を使用してのデッキ掲載となります。
※想定デッキパワーレベル:Lv.5
※2022/6/12「ニューカペナの街角」までのカードプールで作成。

2.「白単」について

話は少々脱線しますが、先ほど述べた「率者戦において白単は最弱」という点について少々説明したく。

白は黎明期のMtGにおいて「破壊の色」と呼ばれていました。白という色が《神の怒り/Wrath of God》《ハルマゲドン/Armageddon》などの大量破壊カードを多く擁していたが故の呼称だったのでしょう。

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また白はクリーチャー単体向けの除去も軽い上に強力なものが多く、アーティファクトやエンチャント向けの除去も初期から多く与えられていたのがこの呼称が広まる一端だったとも言えます。今なお使い続けられる《剣を鍬に/Swords to Plowshares》《解呪/Disenchant》などがその代表例でしょう。

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そんな盤面への干渉力が高い白ですが、統率者戦においては長年ある課題を抱えていました。それは「アドバンテージ獲得手段の欠如」です。

白はゲーム上「平等の色」という役割があり、他人が大量に抱えたリソースを削るのを得意としている一方で「自分のみがが多くのリソースを抱えるのは悪」という理念から、自分からアドバンテージを得るためのカードがあまりありません。「他人が多く持っているなら、自分もそれに合わせる」という理屈から《土地税/Land Tax》のようなカードはあるものの、能動的にドローやマナ増加を狙える色ではありませんでした。

1対1の対戦ならば相手のリソースを削ることで相手を自分の土俵に誘導して戦うこともできますが、統率者戦は4人でのバトルロイヤルなので他の3人全員の行動を押さえつけるのは難しいです。しかもカードプールはレガシー準拠のため、相手は強力なカードをポンポン連打しリソース差を広げていきます。こんな状況では乱戦で自分一人が勝ち抜くのは難しいでしょう。ミドルレベル帯では勝負が長引きやすいという特性も、リソース源の不足による不利に拍車をかけています。
以上の理由から「率者戦において白単は最弱」という話が生まれました。自分も昔《八ツ尾半/Eight-and-a-Half-Tails》を統率者にした白単のデッキを組んだことがありますが、あまりにパッとしなくてすぐに崩してしまいました。

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そんな声は開発側にも届いていたらしく「白にもドローの方法を与えよう」という動きはあったそうなのですが、色の役割と矛盾しないようなメカニズムを考えるのには四苦八苦していたようです。最終的に「エルドレインの王権」以降は全プレイヤーにカードを引かせることで平等を表現したり、他の色にもあるキャントリップを実装するなどの方策が取られました。

また単純なカードパワーの上昇から、相手に合わせて平等にアドバンテージを得ようとする系統のカードも強力なものが増えました。例として《息詰まる徴税/Smothering Tithe》《密輸人の分け前/Smuggler's Share》などが挙げられます。

そんな理由から、昨今は白単の統率者は昔に比べ大分デッキパワーが向上しアドバンテージ源も増えているため、他のカラーリングのデッキとも十分戦えるレベルまで強化されたと言えるでしょう。今回のジアーダのデッキもデッキパワーレベル5~6のデッキ相手なら十分に戦えるデッキになっていると(個人的には)思います。

デッキ内容と直接関係ない話で長々と語ってしまいましたが、次項からデッキ内容の解説に戻ります。

3.デッキ解説

改めてジアーダの能力を確認しましょう。

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2マナ2/2で飛行と警戒を持ち、天使呪文限定の白マナを出せる、とかなり高水準のスペック。加えて他の天使は「場に既に出ている天使の数の+1/+1カウンターが載った状態で場に出る」ようになります。2T目にジアーダを着地させると、3T目に4マナの天使を+1/+1カウンターが載った状態で着地させることができます。早い段階から強力な天使を召喚できるようになり、かつ強化した状態で場に出せるためなかなか強力な効果です。
天使はそのほとんどが飛行を持つため、飛行持ちクリーチャーをコントロールしていないプレイヤーは強化した天使達の前に手も足も出ないでしょう。

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天使呪文をメインとした構築になるため天使の中でもスペックの高めなカード、もしくは天使をサポートするカードを中心に構築していきたいですね。
また場の天使が多いほど強化ペースが上がるため、天使・トークンを生成するカードも併用して盤面を天使で埋め尽くすような構築にしたいところ。そんな点を踏まえて今回のデッキの主要パーツの紹介をしていきましょう。

《若年の戦乙女/Youthful Valkyrie》

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2マナ1/3で飛行と素のスペックもなかなかですが、天使が出る度に自身に+1/+1カウンターを1個乗せることができます。ジアーダの能力と併用し、より盤面を強化できるため相性が良い1枚。
余談ですが、スタンダード始めジアーダの登場で生まれた天使系デッキの必須パーツということで価値が暴騰しているカード。アンコモンなのに最盛期は2000円越えしていたことも…。現在は多少落ち着いたとはいえ、依然1000円越え。カルドハイムのカードですがドラフト・ブースターからは出ず、セット・ブースターはどこも売り切れ状態だとか。みんな天使好きなんですねぇ…。

《輝かしい天使/Resplendent Angel》

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3マナ3/3で飛行。ライフを5点以上得たターン終了時に4/4の天使・トークンを生成する能力を持ちます。5点ゲインは一見厳しい条件に見えますが、自身の起動能力で+2/+2と絆魂を得ることができるため自身の能力で完結しているのが優秀。ダブルシンボルですが、白単デッキであることとジアーダが白マナを出せるということで出しにくいということはあまりないでしょう。

《戦争の伝令/Herald of War》

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5マナ3/3飛行。天使か人間呪文を唱えるコストが自身の+1/+1カウンター分減少します。攻撃の際に+1/+1カウンターを自身に乗せる効果もありますが、ジアーダの能力でカウンターを大量に乗せた状態で着地させられれば後続の天使のコストを大幅に削減できます。またジアーダが除去されてもコイツが残れば再キャストのコストを削減できるため、ジアーダとの相性は最高と言えるでしょう。

《神聖な訪問/Divine Visitation》

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自分が生成するクリーチャートークンすべてを天使トークンに変換する変則的なエンチャント。1枚では仕事ができないものの、他のトークン生成系のカードと組み合わせることで天使の数を増やしやすくなります。継続的にトークンを生成する《オケチラの碑/Oketra's Monument》《光素の泉/Halo Fountain》等と相性が良いですね。

4.勝利手段

基本的には盤面を強化された天使で埋め尽くし、相手を物量で押しつぶすのが勝ちパターンとなります。ですが、一応コンボっぽい勝ち筋もいくつか用意されています。

①ジアーダの統率者ダメージによる勝利

「ジアーダはパワー2なのに統率者ダメージ21点なんて決められるの?」とお思いでしょう。それができるんです、コイツがいれば。

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《荘厳な大天使/Sublime Archangel》は味方全てに「賛美」を付与する天使。コイツがいる状態だと単騎で攻撃したクリーチャーは自分のクリーチャーの数分の修正を得るため、クリーチャーが9体並んだ状態で殴ればジアーダのサイズは11/11となり2回で21点に到達するラインとなります。現実味は薄いですが19体並べば21点に到達するためワンパンライン。流石にそれは難しいでしょうが。

②無限コンボ

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白単色でも成立する無限コンボとして《目覚ましヒバリ/Reveillark》《霊体の先達/Karmic Guide》《爆破基地/Blasting Station》を採用しています。

《目覚ましヒバリ》は死亡時にパワー2以下のクリーチャーを2体まで蘇生。《霊体の先達》は場に出た際にクリーチャー1体を蘇生。《爆破基地》はタップしクリーチャーを1体生贄にすると対象1つに1点のダメージ、さらにクリーチャーが場に出る度にアンタップします。これにより以下のコンボが可能になります。

①:《爆破基地》起動。《目覚ましヒバリ》を生贄にプレイヤー1人に1点。
②:《目覚ましヒバリ》の死亡時能力で《霊体の先達》含むクリーチャーを蘇生。これにより《爆破基地》がアンタップ。
③:《霊体の先達》のETB能力が誘発。スタックで《霊体の先達》を生贄に《爆破基地》起動。プレイヤー1人に1点。
④:《霊体の先達》のETB能力を解決し《目覚ましヒバリ》を蘇生。これにより《爆破基地》がアンタップ。
⑤:①に戻る。
※③からもスタート可能。
※《目覚ましヒバリ》の代わりに《太陽のタイタン》でもコンボ可能。

3枚コンボとパーツが多いものの、個々のカードもそれぞれ単体で仕事ができるため「決まれば良い」くらいで考えればいいでしょう。

5.デッキの動かし方

<序盤>
ジアーダを最速で着地させて、そこから天使を展開していきましょう。または《旅人のガラクタ》《永岩城の修繕》で土地を延ばす、《若年の戦乙女》《正義の戦乙女》で全体強化を行えるカードを用意するなどして後の展開に備えましょう。

<中盤>
展開を補助する《戦争の伝令》《オケチラの碑》等を展開し、更なる展開を狙います。そうして展開した天使で順次相手プレイヤーへ攻撃を仕掛けていきましょう。

<終盤>
展開した天使で各プレイヤーを物量差で押し切っていきます。パーツが揃っていれば先述したコンボで一気に全員を倒し切るのもいいでしょう。

6.このデッキの長所・短所

<長所>天使が全体的に高スペックで攻防に役立つ。
天使は多くが飛行を持ち、次いで警戒を持つものも多くいます。能力も強力なものが多く全体的にP/Tが高いのも特徴です。天使・トークンも4/4、飛行持ちがデフォであることからスペックの高さはわかると思います。そんな天使を高速で多数展開できる上に、強化された状態で場に出せるのがジアーダの強みでしょう。ジアーダ自体が2マナと軽く、1~2回除去されても再キャストが容易というのも見逃せない点です。

<短所>アドバンテージ源が少なく、消耗戦になった場合ジリ貧になる。
白単の変遷について述べた際に「昔に比べ強くなった」と言いましたが、未だに単色ではリソース確保が難しい色であるため、全体除去を複数回打たれたりアドバンテージ源を狙って除去され続けられたりすると厳しくなります。
また《エスパーの歩哨/Esper Sentinel》を始め白のアドバンテージ源となるカード達は相手の行動を制限する側面があるため他プレイヤーから見ればヘイト値が高く、除去の対象になりやすかったりコントロールするプレイヤー自身が狙われる要因になったりするため、ある意味では一種の短所と言えます。白にももっと平和的なアドバンテージ源が欲しいなぁ…。

7.最後に

今回はここまでとなりますが、いかがだったでしょうか。
天使がいっぱい並ぶということで、ビジュアル面でのアドバンテージも高い(?)デッキのため使っていて楽しいデッキになったと思います。

私はMtGと同じWoCが開発した「デュエルマスターズ」に発売当初触れており、その際に光文明(MtGにおける白に該当する)のガーディアンやエンジェル・コマンド等の種族が好きで白を愛用していて、その流れからMtGでも白が好きで愛用しています。

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なので今回、白単かつ天使メインのデッキを紹介することができてとても嬉しく思っています。そのせいか、白単統率者の歴史について長々語る記事になってしまった気もしますが、それはそれで。

さて「ニューカペナの街角」で気になる伝説のクリーチャーはまだまだいますが、そろそろ発売が近いということで次にデッキ紹介をする際は「統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い」のクリーチャーを使ったものにするかもしれません。背景選択の使用感も気になりますし。
もちろん合間合間では新弾以外の統率者を使ったデッキも順次紹介していきたいと思いますので、また記事を見に来て頂けると嬉しいです。

では今回はこれまで。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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