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昭和歌謡とブリティッシュ・ロック

昭和歌謡ラブが止まらない。この時代の特徴的な『音』は古さを超越して音楽のジャンルとして確立していると言っていい。何かこのカテゴライズに「昭和歌謡」意外のネーミングを付けたほうがいいんじゃないだろうか。いや、もうすでにその手の呼称があるのかもしれないけれど、僕は知らない。

■好きポイントその1.うねるベースライン

ワウの効いたギターに乗ったうねるベースラインを聴くと、いっきに昭和にトリップできる。レッドツェッペリンのファーストアルバムにある「How Many More Times」はその代表か。ハクション大魔王の挿入歌もファズで歪んだギターとベースのリフがカッコいい。奥村チヨの「恋の奴隷」のサビに来るベースラインもしびれるかっこよさ。山本リンダの「♪もうどうにも止まらない」と唄う箇所のボーカルとベースだけのユニゾンなんて、全然大したことをしていないのに、そのフレーズが曲の肝になってかっこいいい。

■好きポイントその2.旋律無視の隠しメロディ

この音の置き方するか?と感心するのは、ピンキーとキラーズの「恋の季節」だ。旋律とはかけ離れたフルートのオブリガートが曲の大半で響いているのに、聴く気になって聴かないとそのメロディがわからないという絶妙の隠し味。いや、決して隠れていないんだけど、旋律の邪魔をしていないのがすごい。この当時のグループサウンズにも多様されている手法だ。ビートルズ後期のポールのベースラインも相当凝ったことをしているのに奥に引っ込んでいるというアレと同じ理屈だ。

■好きポイントその3.ハードロックも演歌も全部いける

上記のような当時独自の楽曲アレンジは、ロックも演歌もごちゃまぜで同じ雰囲気を醸し出している。梶芽衣子の歌う「銀蝶渡り鳥」なんて、声もメロディも日本の昭和ど真ん中なのにギターは流行りの歪んだ音でイントロを刻んでいる。それが耳に心地よい。
当時としては全く違うジャンルだったんだろけれど、今聴くとこの頃のブリティッシュ・ロックの作り出す音と共通点は多い。きっと洋楽のマネをしていたんだと思うけれど、おかげでこの時代の曲は大差なく聞こえて、どれもみんな一様にカッコいい。

で、この頃の音楽が流れていた時代よりずいぶん後、70年代の後半。僕はKISSだエアロスミスだといって夢中になった。そして80年代になり大瀧詠一やNOBODYこそがオシャレな曲だと、流行の波に乗っていった。
むしろ60年代後半や70年前半の古くさい音楽は超絶ダサいと拒絶していたと思う。だけど今、オッサンになってから聴くこの時代の音作り、めっちゃ心地よいじゃないか。

ばかやろーめ!ツェッペリン様と日本の昭和歌謡を一緒にするな!と、リアルタイムに生きた人は言うだろうか。。。。

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