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稀有なる幸福

当たり前すぎて意識すらしないことは、そうでない状態になった時に気付く。

偏頭痛になった時、孫悟空の頭の輪っかをギュウギュウに締め上げられたような痛みに呻きながら「頭が痛くないって何て素晴らしいことなんだろう」と思う。

頭が痛くないのは「普通」だと思っているのは傲慢である。


実家に行く。

それが何か?とキョトンとする。

何という恵まれた人間か。

帰りたい、帰りを望まれている実家があるということ。

心身、金銭、関係性が健全でなければ成立しない。

もしも何かあった時、私には今のところ、完全に安全な避難場所があると知っている。

これはまったくもって「当たり前」でも「普通」でもない。

稀有なる幸福。

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