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香港旅行記〜振り返り1日目の途中から〜

香港1日目。

ホテルにチェックインして、ホッとひと息。

じゃあ、ビクトリアピークに夜景を見に行こうか?あれ?旦那さんの財布が・・・というところから。

続きの始まり。


「え?嘘でしょ?よく探した?荷物1つずつ出して探してみたら?」

旦那さんの手持ちの小さいバッグに財布がない。

スーツケースにも入ってない。

私が「嘘ぉ・・・ヤダよぅ・・・」とベソをかく。

旦那さんが「大丈夫だから。泣かないで」と私を慰める。

旦那さんは冷静だった。

「落とした?盗まれた?あ!」

そう言って携帯でメールを確認し始めた。

「うわ!やられた!もうデビッドカード、使われてる!」

デビッドカードは使ったらすぐにメールで通知が来るようになっているらしい。

「まずはカード類を止めよう」

旦那さんの財布に入っていたもの。

デビッドカード。クレジットカード。免許証。保険証。現金(日本円)。銀行のキャッシュカード。香港版SUICAのようなオクトパスカード。その他諸々、病院の診察券やら。

まずは悪用被害を食い止めるために、カードを止める。

旦那さんは次々にカード会社に電話連絡して利用を止めていった。


私はただただオロオロして「どうしよう・・・」と携帯で「海外 財布 盗まれる」と検索してやらなければいけない事を確認しながら、ガタガタ震えていた。

そして「カード類を止めたら警察に行く、だって。一番近い警察はホテルから歩いても近いよ」とGoogleマップで経路を調べた。

旦那さんが「ひと通り、カード類は全部止めたから・・・次は警察か。ごめんね。ビクトリアピークに行くはずだったのに、今回の香港旅行の最初の観光地が警察で」

「ビクトリアピークは明日でもいいし。それより警察の方が大事だよ。なんか、もう、香港に来て、こんなことになって・・・ごめん」


2人で警察に向かう。

警察の2つある窓口はどちらも相談している人がいたので、相談事項をタッチ入力する機械で、旦那さんと英語を読みながら「これかな?ん?こっちか?」とモタモタしていると奥から若い警察官が出てきて説明してくれた。

旦那さんが英語で話し始めると、警察官が「日本人?」と日本語で聞かれた。

まったく問題なく意思疎通が出来るレベルに日本語が堪能で助かった。

旦那さんが警察官に事情を説明して、パスポートやデビッドカードが使われた連絡があったメールを見せたりした。

「これは盗難事件になるので、私ではなく、このあと、刑事が来て話を聞きます。時間ありますか?」

「大丈夫です」

しばらくして担当の刑事が来た。

めちゃくちゃ若くて(20代前半?)小柄でシュッとしていて、短髪、黒いパーカー、黒いスリムパンツ・・・私服の刑事?

さっきまで話を聞いてくれた警察官にお礼を言って立ち上がる。

刑事は「英語?中国語?」と英語で聞いてきた。

旦那さんが「英語」と答えると「Japanese?」と聞かれて「Yes」と答えると、表情が「あ〜w」となった。

「英語、どれくらい話せる?」

「少し」

たぶん「日本人はよく財布盗まれる。英語って言ってもどうせほとんど話せない。めんどくせーのに当たっちまったw」って、思ったんだろう。

「付いてきて」

刑事はIDカードで扉を開けて、警察署の2階に進んで行く。

不安な気持ちでいたけど、あまりの非日常と香港の警察署の内部に入るとか、そうそう経験出来ない(したくないけど)と思ったら、不謹慎だけど「何これ?ちょっとおもしろいかも」と思ってしまった。

ショボい公民館のような、階段を上り、廊下を進み、部屋に案内される。

「座って」

事情聴取が始まった。

実は旦那さんは英語はそこそこ出来る。

刑事の英語も結構クセが強めだったので、時々?となったけど、ほぼ聞きとれたし、ちゃんと英語で答えていて、それを刑事がパソコンに入力していた。

ひと通り、すべてのネタが出揃った。

刑事が「ちょっと待ってて」と言って、パソコンを持って席を立って調書を印刷して持って来た。

「これを保険会社に出して」

事情聴取終了。

旦那さんが「忙しいのに長い時間ありがとう」と刑事にお礼を言うと「問題ないよ。仕事だから」

・・・これ「シン・ゴジラ」で私が一番好きな台詞!

長谷川博己さん(内閣官房副長官・主人公)にお礼を言われた時の國村隼さん(自衛隊統合幕僚長)の「礼は要りません。仕事ですから」じゃん!


「お腹減ったね。疲れたでしょう?」

旦那さんと海鮮のお店に行く。

陽気にカタコトの日本語で話し掛けてくる店員のおじさん。

メニューに写真がなくて頼んだ「福建チャーハン」

香港では比較的ポピュラーなメニューらしいけど、日本では見かけたことがない。

普通のパラパラした焼き飯かと思ったら、海鮮や肉などの具沢山なあんかけチャーハンだった。

想像とは違ったけど・・・すごくおいしい。

こんな時でもお腹は減るし、喉も渇いて、食事もおいしいと感じるし、冷えたビールは身に染みた。


精神疲労とショックによりグッタリしていた。

他人の財布を盗んだり、他人のカードを使ったりするような人がいる。

でも、警察官も刑事も話をちゃんと聞いてくれたし、親切な人だっている。


長い長い香港1日目が終わった。

今が底。

この先は上がるだけ。

そう思いながら眠りに付いた。


香港2日目へ続く。

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