インプレゾンビは電脳長者の夢を見るか?
ゾンビは死なないからゾンビって言うんですよ。
はじめに
かつてTwitterと呼ばれていたSNSが✕という名称に変わり、個人が発信するポスト(ツイート)で収益を得られるようになるという手法を取り入れた結果、✕の目論見とは全く違う方向に進んでしまい、結果的に「インプレゾンビ」なるものが大量発生して現在に至っています。
✕はインプレゾンビ対策として、X本社のあるアメリカ時間の11月8日に規約変更を行います。
インプレゾンビ発生
今までは「広告収益配分プログラム」と呼ばれていて、ポストのリプライ(返信)に付く広告が見られれば見られるほど収益が上がるシステムでした。そのため、1つのポストに対して大きな反響があった(バズった)ポストに返信して、漁夫の利で収益を得ようというコバンザメが大量発生しました。これがインプレゾンビの正体です。
今回の規約変更により、こうした漁夫の利で利益を得る手法が使えなくなります。
規約変更後は「クリエイター収益配分」という名称に変わります。まだ行使されていないので具体的にどう変わるかはこれからの話ですが、現在公表されている情報をもとに、これからどう変わるのかを推測します。
インプレゾンビ増殖
まず重要なのが、✕でポストしている人なら誰でも収益を得られるのかというと全くそうではなく、✕が要求する要件を満たした上で収益化を申請して、✕に認められて初めて収益を得られるシステムです。そして、その要求を手っ取り満たすために他者の人気ポストにタダ乗りしているのが現状です。
具体的には、✕で収益化を行うためには
(1) プレミアム会員 (青マークが付いているアカウント)
(2) 過去3ヶ月以内に500万のインプレッション(※)がある
(3) フォロワー500人(今回の仕様変更前)
※インプレッションとは簡単に言うとポストが見られた数字の事で、✕のポストの右下にある山マークの横に付いている数字といえば分かりやすいと思います。インプレゾンビのインプレとはインプレッションの略です。
以上3つの要件を満たさないと、そもそも収益化の申請すら行えません。特に(2)の要件のハードルが極めて高く、平凡なポストで500万のインプレッションはなかなか得られないので、人気ポストにタダ乗りしてインプ稼ぎをしています。
仕様変更後は上記(3)の要件が更に厳しくなり、フォロワー500人から「プレミアム会員のフォロワー500人」になります。この時点で、ゼロから始める初心者にとって相当ハードルが高い要件となっています。
収益を得られる手段そのものも変わります。
今までは自身のポストに収益対象となる条件は無かったのですが、規約変更後は自身のポストに対して多くの反応がなければ収益対象ポストと認定されず、人気ポストにタダ乗りするだけでは収益を得られなくなります。
これからのインプレゾンビ
以上の事から、今後インプレゾンビがどう活動するのかを、自分が今まで見てきた経験をもとに推測します。
まず仕様変更後にインプレゾンビがいなくなるかと言えばいなくなりません。それは上記で解説した通り、3ヶ月500万インプという収益化の要件を満たすための手法としては変わらず有効であると思われるからです。
そして今度は、リプライに付くインプレゾンビではなく、他者の人気ポストをそのまま無断転載してインプ稼ぎするインプレゾンビが現れる事が容易に推測できます(この行為は確実に規約違反ですが✕がそういう違反行為に対処するのか未知数です)
✕の収益化に関しては先ほども言及した他者著作物の無断転載問題等、インプレゾンビ以外にも様々な問題がありますが、当方はここではそれには触れません。ただ、本来は公平でなければならない場所にリアルマネー(現金)が絡んでくるとロクな事にならないのは歴史が証明しているので、✕もこの先平穏とはいかないだろうなと思っています。このあと近日中に行われる予定の別の規約変更(特にAI学習問題)も、今回の収益化に関する問題とセットで今後まだまだ問題が発生する可能性は非常に高いと感じています。
さいごに
以上、インプレゾンビの実態と今後を解説しました。ここで掲載している内容はすべて当方独自の見解でしかなく、必ずしもこれが事実であるとは限りません。あくまで参考情報として捉えてもらえれば幸いです。