【VG】令和の最強!獣神エシックス・バスターデッキ:解説VクランコレクションVol.6【全文無料】

☆はじめに

平素よりお世話になっております。カミです。
ノヴァグラップラー歴11年です。


ツイッターで「ヴァンガードデッキ紹介」のタグを漁ったり検索したりしたんですが、獣神エシックスデッキをしっかり組んでいる人がほとんどいないみたいだったので、
本記事ではVクランコレクションVol.6で登場するノヴァグラップラーの目玉カード《最強獣神 エシックス・バスター・エクストリーム》を使用した獣神軸の解説を今更します。

記事を書いている間に、対戦動画が数個ほど世に出たみたいなんですが、動画見ただけではきっと伝わらない細かい話とかをしっかりしたいと思います。
みんなエシックスのこと弱いと思ってないか?
こんなのプレイするまでもなく明らかだ!なんて思ってないか?
そんなことやってみないとわからないじゃないか!

この記事を読めばそれだけで世界で100番目までの獣神マスターになれると思います。
目指せゴッドオブ・ノヴァグラップラー。

☆エシックスデッキとはなんなのか、新規カードの登場によってデッキはどう変化したか。

獣神エシックスバスターデッキとはなんなのか?
そもそも明らかに新規追加のカードパワー低すぎなんじゃないか?
そういう話を潰すために書きます。
結論からいってカードパワーは高くないので、そこのところの擁護はありませんし、勝つためにはそれなりにしっかりカード配置の優先度と、ゲーム進行のテンポを習得する必要があります。

エシックスデッキは、単純なガード要求値の押し付けや速攻で勝つデッキではなく、
エシックスの実質的なバーン効果で「ゲームの進行テンポを一手分スキップして勝つ」というデッキです。

そんな中でも従来のエシックスははっきりいって決め手に欠けるデッキでしたが、エシックス・バスター・エクストリームの登場により、以前より存在した豊富な展開補助カードによる盤面形成とドライブチェックの試行回数増加に加え、G3を捲った際の手数と爆発力によって相手を押し切ることも可能となりました。

エシックス・バスター・Яが、アクセルデッキでありながら極端にプロテクトデッキを苦手としていたのに対して、エクストリームは多くのアクセルデッキと同様、手数による寄り切りを勝ち筋としており、一部のフォースデッキとの対面を極端に苦手としています。

構築の指針として、エクストリームの効果の都合上、G3を多く採用せざるを得ないこともあり、豊富なサーチ手段を駆使して対面相手に応じてどちらの切り札ユニットで攻めるかを、明確な選択肢としてプレイヤーが選ぶことができるようになりました。

ドライブチェックの結果にゲームが大きく左右されることが多く、相手のダメージトリガーも含めて裏目の多いデッキになるため、ドライブチェック以外の裏目要素は、できるだけ排除するようにデッキを構築してプレイするべきだと思います。

☆使用者が少ないのであまり知られていない、エシックスデッキを支えるふたつの要素

1:エシックス・バスター 手札交換とゲーム圧縮

「強さ」とは何なのか。


《獣神エシックス・バスター》はライドによる登場時、あるいは他の獣神にライドされたタイミングで手札を2枚捨て、獣神の名称を持ったVあるいはRのユニットで相手を攻撃することができるカードです。
基本的に効果対象はVを選びますし、単体ではただ手札を捨てて先に攻撃するだけで、利率の悪い手札交換以上の意味を持ちません。
更に悲しいことに攻撃がヒットした際に看過できないデメリットまでありますが、ヴァーミリオンバードなどと組み合わせることで、1ターンの攻撃回数、ドライブチェックの回数を増やすことができます。

ドライブチェックの試行回数を稼ぐことで、有効なカードを手札に引き寄せる役割と、一見相手プレイヤーに有利に働くデメリット効果によりノーガードを誘発することで、実質的なバーン効果となってゲームが決着するまでのターンを短縮する役割があります。


エクストリームの効果の都合上、デッキにG3を多く投入せざるを得ないため、手札にダブついたG3等の不要札を処理できる手札交換効果は思った以上に強く、後述する展開系カードの存在もあり、テキストをぼんやり眺めて感じる以上に、欲しいカードが通過してくれます。
ヴァーミリオンバード系列のカードがないと本当に目も当てられないため、そこはマリガンを含め、それなりに頑張る必要があります。

獣神カードによるアタック時にCB1を支払うことで、攻撃ラインを5000上昇させる効果がありますが、獣神カードは全般的にアタック値が低いため、この効果を使用しても要求を上げることが難しい場合が多く、
また、以前のデッキタイプで採用されていたキックキックタイフーンやホワイトハンクのような、リアガードを再攻撃させる「ノヴァグラップラーにおいて強力であったカード」が構築の関係で軒並み入れにくいため、あって便利なお守り程度に考えるのが無難です。
使わなくて済むならそれが一番よいですし、怪我人はいないに越したことはないのです。
ですが、この「お守り」の使い方を考えているかどうかで序盤のリスク回避と、何よりこのお守りで稼いだ2枚前後の要求枚数差で勝てたりするので、注意が必要です。

2:獣神を呼び込むサポートカード達 山札の圧縮兼、豊富な展開補助 


タイフーンバードや、マックス・ビート、リフトタウロスなどのカードは、山札からそれぞれ指定するグレードのカードを呼び込むことができます。
場に出るG2以下のカードのほとんどは、不確定ながら何かしらのアドバンテージやサーチにつながるカード達なので、
カードを消費せず、盤面の安定性を高めることが容易なのが、獣神デッキの強い特色です。
それぞれのカードで対象となるグレードが微妙に違うため混乱しますが、共通する要素は「どのカードもG3を対象としていること」です。
これらの効果により、エシックス・バスターデッキは対戦中、デッキ内のG3に触れやすく、ある程度柔軟にフィニッシュ用の盤面を作ることができます。


ただし、獣神のカード達はどれも、パワー上昇には寄与しないものばかりであるため、
「これらのカード達によって場が仕上がった状態」が、そもそものスタート地点であるというのが現実的な話です。
加えて、1試合中に多い時で10枚程度、不要カードをデッキから摘出することができるため、エシックスЯによるゴリ押しの際のトリガー期待値にも貢献できます。

エクストリームの効果を誘発させるためにはデッキにたくさんG3がいてほしいので、エクストリームで戦う時には、場と手札に必要最低限の数をきっちり揃えるために使うのが一番ウマぶれます。
適時、使い方を選んでいきましょう。

☆勝負を分かつ分水嶺 特色が違うふたつのフィニッシュホールド


エシックス・バスターによる手札交換、ゲーム展開の圧縮自体はそれなりに強力ですが、逆にいうと「それ」しかないのが当初のエシックスデッキの問題点でした。
現在は、この問題点をクリアするためのフィニッシャーとなる切り札が、エシックスには2種類あります。

・エシックス・バスター・エクストリーム

あまりにもクセが強いエクストリーム氏

今回のブースターで追加された新しいエシックスです。手数のエクストリーム。ソウルに素のエシックスが存在する場合、ユニットのスタンドに反応して自身のアタック数値を上げる効果と、ドライブチェックで出た獣神のグレードを参照して、場の獣神カードをスタンドする2つの能力があります。これらの能力により、ドライブチェックでトリガー以外のカードが出た場合にも自身の攻撃力が上がり、微妙にガード側の対処がいやらしいことがあります。(3体スタンドしてパワーが15000上がったりするため相手のミスを誘発できます)前提として、場がある程度仕上がっている必要があるので、その点がЯとの使い分けにもなってきます。

リミットブレイク4、かつG3をドライブチェックで捲るという2つのセーフティを解放したときの宇宙的快感と爆発力、制圧力は、実際のゲーム上においてもなかなかのインパクトがあり、これを受けて立っていられるのはダメージトリガーに相当愛された人だけでしょう。

ちなみにG2をスタンドしても獣神のプールの関係であまりにもウマ味がないため、基本的にはG3を捲ることを祈ることになります。
ごく稀にブレイニー・パピオの効果でG2以下のユニットがパワーアップしていることがありますが、今時19000~24000が一匹スタンドしたくらいでゲームに勝つことはできないので、ドライブ1枚目でG2が捲れても無視して気合いのG3捲りを信じてください。
このデッキを使うには、こういった割り切りが絶対に必要になります。
一応効果の都合上、Vで殴るのが最後になりやすいため、相手がどこでダメージを受けるべきか、判断ミスを誘える場合があったりもします。

このカードの「最強」なところは、
プレイヤー自身もエクストリームの効果がどう発動するかをコントロールできないため、
あと何回攻撃できるのか、Vのパワーが実際どのくらい上がるのか、誰にもわからないところです。

また、このエクストリームは克服できない重大な問題を3つ抱えており、

・素エシックスの被ライド時効果を使用したエクストラアタックがヒットするとドライブチェックが減ってヤバイ
・スタンド効果がターン1回かつ各ドライブチェックのタイミングなので、1枚目をスルーして2枚目に賭けたらトリガーを捲ってしまいなにも起きなくてヤバイ
・キメに掛かろうとしたらヒールトリガーを引いてしまってVスタンドできなくてヤバイ

など、正直Vスタンダード環境が終焉してほぼ2年経ってから配られたかつての人気カードとは思えないほどの凄まじい欠陥を抱えていますが、
ピーキーな機体ほどアガるタイプの人には、ヴァンガード史上でも他にそう並ぶ者のない最高の仕上がりになっていると思います。
みんなもエクストリームを使って気持ちよく、なろう!
一応、それぞれの問題はプレイの時に少し気を付けるだけで割と回避できるので、自他の点数管理はしっかりしましょう。

あと、効果をすべて使うためにはリミットブレイク4を達成する必要があるため、
フォース2を選択してくるフォースデッキには持久戦を仕掛けられるだけでかなり疲弊することになるので、相手のクランがフォースであった場合は、エクストリームではなくエシックスЯで戦うことをしっかり意識しましょう。

・エシックス・バスター・Я

これまた非常にクセが強すぎるЯ氏


前回のブースターから居る、エシックスデッキのフィニッシュ担当です。
その性質状、極端にプロテクトデッキに弱い代わりに、連パン系のアクセルデッキが比較的苦手とするフォースデッキに対して、高パワーでのVスタンド連打で強引に押し切ることができます。
アクセルデッキに対しての守護者カードは、防御側の目線ではどうしても手札にダブついて不要に思えますが、彼の存在によってほんの少しだけ切りにくくなっているかもしれません。
一度の効果発動のためにカードを4枚消費する上に、リアガードでの攻撃をほぼ禁止されるという、とんでもないことがしれっと書いてありますが、このカードの強みはコストにするカードはなんでもよく、かつ発動にCBを使わない、というところです。


雑に言ってしまえば「場と手札が合計4枚あればそれで良い」わけなので、本当にどうしようもない時に一呼吸分の踏ん張りを見せてくれたり、活路を切り開いてくれることも結構あります。

エクストリームと違い、素のエシックスからのエクストラアタックがヒットしてもドライブが減少せず、1ターンに3回のV攻撃による6枚ドライブチェックは、ゲームを予想外の展開に導いてくれる不思議な魅力があります。
グレンディオスの登場で、呪縛カードをもりもりエサにできる点もそれなりにウマ味があり、
実際に有利かどうかは別として、かつて天敵であったグレンディオス側に心理的なプレッシャーを与えられる点も、往年のファンにとっては結構なウマ味があるかもしれません。

完全に特化したデッキを用意するのであれば、彼の生贄に捧げるためのエクストラアタック要員をそれなりの枚数採用することになりますが、エクストリームとの両立を目指す場合は、それらのカードの採用は見送るべきだと思います。
中途半端に入れるエクストラアタック要員ほど、デッキの勝率を下げることになります。
このデッキにおけるエシックスЯは、エクストリームでは不利になるフォースデッキ相手や、エクストリームでキメるための盤面が整わない場合のゴリ押し用の隠し味、という位置づけになります。
効果の使用後、前列は多くの場合カラになるので、エクストリームではどうしようもない徹底した3点止めに、気持ちちょっぴりだけ強気になることができるのも魅力でしょうか。

☆採用カード、参考レシピ

公式のレシピとほぼ同じです。

G3 14枚
エシックス4 エクストリーム4 Я2 イルミナル4
G2 7枚
タイフーンバード3 ブレイニーパピオ4
G1 12枚
マックスビート4 ヴァーミリオンバード4 リフトタウロス4
G0 17枚
FVホワイトタイガー1 ☆12(守護者☆4) 治4
計50枚


公式サイトで公開されているレシピの完成度は非常に高く、しっかりとカードのテキストを理解した構成になっていると思います。
ただ、Яのような「フォースデッキに蹂躙されることを防ぐ」役割のカードを1枚というのが私は嫌いなので、そこを変更し、2枚にしています。
G2をそんなに絞ってライド事故は大丈夫なのか?とか、そもそもエクストリームを採用しなければグレード配分を普通のデッキにできるのでは?という話は、
そもそも「獣神というカードプールでほかに強いG2の獣神なんていない」というどうしようもない話が前提にあるのと、
エシックスЯ特化してプロテクトデッキに一方的に蹂躙されることを良しとするのであれば、という話になるのでそこは自分の気持ちを大事にしましょう。
何を入れようと後悔するときは後悔するのが獣神エシックスデッキですので、何より自分の心が「このカードが来ても後悔しない」と強く思えるようにするのがいいと思います。

エシックス(4枚)
手札交換を兼ねた実質的なバーンテキストを持っており、中盤をできるだけ短くしてくれます。
各エシックスフィニッシャーへの繋ぎとして出来るだけ乗りたいため4枚。ゲームが長引く予兆があるときは、重ね乗りももちろん行います。
「お守り」的なパンプ効果がほかのエシックスにもあれば…と感じるくらい、実はあの効果は重要なのです。

・エクストリーム(4枚)
デッキの軸です。G3が捲れさえすれば実際かなりスゴ味のある効果を持っており、基本的にはエシックス→これで最後まで戦うため4枚。
ポンポン再ライドしてアクセルサークルを広げてもそんなにいいことはないので、再ライドして場が空くくらいなら2枚目は攻撃役として場におきましょう。

・エシックス・Я(2枚)
効果発動時の消費がエゲつないため、エクストリームに比べると積極的には乗らないので2枚。
あまりにもG3が通過しすぎてしまった時とかは、エシックスを経由した後に彼に乗ります。
相手の執拗な3点止めに対して抗える数少ないカードであるため、このカードはぱっと見の印象以上に、存在すること自体に役割があります。

・イルミナルドラゴン(4枚)

デッキ内で「最強カード」との呼び声も高い。

もっとも4枚採用を推すカードだと思います。打点の上がらない獣神カード達の中で、彼だけは例外的に粋なパワーアップをしてくれるため、できるなら場に二人以上常に置いておきたい。彼がいるといないでは、エクストリームの効果発動時の気持ちよさもまったく次元が変わってきます。フィニッシュターンまでに諸所の収集カードを使って必ず集めましょう。


・タイフーンバード(3枚)
強いカードではないので本当はあまり使いたくないのですが、ヴァーミリオンバードやリフトタウロスが引けないまま素のエシックスのライドターンを迎えたとき、彼がいないと絶望感がすごいので4枚にしてもいいと思います。
エシックスが効果を使って寝たきりになった時に4枚入れていなかったことを言い訳したくない人はちゃんと4枚入れましょう。
地味にイルミナルをG2ターンで場に置けるのはウマ味。


・ブレイニーパピオ(4枚)
テキストの単純な強さでは圧倒的パワーなので4枚採用。ライドして良し、手札から捨てて良し、場に居て良しのトリプル良しですが、最終盤面には必要ないので早めに使い切ってしまうといいでしょう。Vのアタックヒット時のコール+パワーアップ効果がG2以下を指定していることだけがとても惜しいです。ドローだけでも十分おいしく、コールしたユニットはバウンスされるため、マックスビートを使いまわしたりという小技もあります。


・マックスビート(4枚)
出して損のないカードです。無料の1アドはエラい。
ただしG1は回収できないので、運用としてはライド事故軽減と後続確保がメインとなります。
これ系のカード、色んな名称にチラチラありますけど、こういうのを刷らないといけないこと自体あまり良くないと思います。

・ヴァーミリオンバード(4枚)
全員を叩き起こせるのは強いです。ドローもできる。
ただコストの関係で微妙に乱発できないので、もしエシックス介護要員を減らす人はここを少し削ってもいいと思います。
このカードにうっかりすべてのユニットって書いたせいでVシリーズのノヴァは色々と要らない制限を受けています。
場に寝転んだまま動かないエシックスを眺めても言い訳したくない人はしっかり4枚入れましょう。

・リフトタウロス(4枚)
早めに場に出ても仕事があり、後から出しても仕事があって明確に腐る場面が少ないカードです。
ヴァーミリオンバードと違ってコストがかからないため、細かく気軽に使っていけて、ソウルを貯めながら後続も探しにいけるのがとてもエラいです。
単純に便利なので、4枚入れたいですね。
枚数調整の優先度はタウロス>ヴァーミリオンバードです。


・トリガー構成について
クリティカル12構成なのはただ弱いデッキにありがちな破れかぶれからではなく、素エシックスの最初のドライブチェックでクリティカルを捲ることにとても大きい意味があるからです。

素エシックスの登場時効果は遠回しなバーン効果のように機能するので、その点数が1点か、2点かというのはゲーム全体にかなり大きく影響します。
手札を2枚捨てて相手に2点のダメージを与える、と書くと強そうに見えますし、実際強いです。
リバースにしろエクストリームにしろ、アタックで捲るカードでかなりそのターンの中身が変わるので、その結果の下振れを減らすためにも、
トリガーが発動した際の結果はできるだけ同じになるように統一したほうがいいと考えています。
ドロートリガーを捲ったから勝てる!という場面は少ないですが、クリティカルを捲って勝つ場面は多いので…

エシックスデッキを握ってドロートリガーを捲って後悔したことのある人は守護者☆にしたほうが勝率しっかり上がると思います。
デッキにG3が多くなるから…という理由だけで完全ガードを使っている人は、ぜひ一度思い切って☆12にしてみてください。


☆採用しなかったカード達について


・獣神ブラックトータス
エクストリームのためグレードを偏らせる都合上、単純なカードパワーとデッキの安定性維持を考えると優先度が低いため採用しませんでした。
エシックスЯに特化する際には必要なカードになりますが、そもそも現状として特化する意味自体が薄いかなぁ、と思います。
Яで戦いたい相手に別にこのカードを使って有利になる状況が少ないので……

・獣神エクレール・ドラゴン
ブラックトータスとほぼ同じ理由で採用していません。
Яの生贄要員にするにも追加で手札を消耗し、かつ能力が登場時限定なのもマイナス評価です。フォースに喧嘩も売れないですし。
12000で届くプロテクト相手にЯで戦うこと自体愚策寄りの動きなのと、そういう相手に手札一枚をコストに相手に5000要求取る意味も薄いです。
何故なら、5000要求をガードさせてこの人がスタンドしても、そこからの発展性がエクストリームにはありません。
このカードを置いて5000要求取るより、タイフーンバードからイルミナルが飛んできてくれることに期待するほうが最終的に勝ちにつながります。
採用しているかたも、このカードがあったからプロテクトやアクセルに勝てた、という場面はあんまりないんじゃないかと。

・獣神アズールドラゴン
追加がある度に採用の話が持ち上がりがちですが、登場時1ドローとEXアタックくらいで今更救える命も奪える命もない、というのが現実的で悲しい話です。
彼が活躍していた頃の獣神のように、リアガードでパワーが上がるカード自体、デッキにイルミナル以外ほとんど入っていませんので……。
全てのクランは進化を続けているとはいいますが、彼が活躍していたころがVシリーズにおけるノヴァグラップラーが一番輝いていた時代でしたね。

・キックキックタイフーン
Vシリーズのノヴァグラップラーにおいて間違いなく最強のカードですが、
エクストリームのテキストにはどういうわけか捲るカードにも獣神指定があるため、後述のホワイトハンクと同様に採用枠を握りつぶされたカタチになります。
強いクランでもないのに強いカードが入らない。悲しい。

・ホワイトハンク
同上。獣神は基礎的なパワーが低く、こういったスタンド系のカードを活かす術がありません。残念ですね。
手札を捨てることでパピオ出せるやんけ!という欲望をみんな一度は覚えますが、それが具体的に勝利に貢献する場面はあまりありません。……悲しいね

・ジェノサイド・ジャック
限りなく至高の領域に近い。
お前も獣神ジェノサイド・ジャックにならないか?

・シャウト
デッキにG3がしこたま入っているため一見相性がよく見えそうですがG3のカードは可能な限り山札の中にいてほしいので採用していません。
また、このデッキはリアガードのラインで20000を作ることが大事である、という理由もあります。
このカードが居ていい場所がないので、エシックスデッキでの採用は難しいでしょう。


☆デッキの使用方法

マリガン後の理想は、
・G2どちらか、マックスビート、リフトタウロス(ヴァーミリオンバード)、素エシックス
これらが集まるようにマリガンしてください。
対面がフォースクラン、かつフォース2を選択してきそうな場合には、エクストリームでのフィニッシュが厳しい可能性があるので手札を通過したエシックスЯをこぼさないようにするといいと思います。
うっかりエクストリームに乗ってしまうと、一生3点止めされて利率の低いスタンド効果でぺちぺちするハメになります。

◆G2まで
何に乗っても構いません。タイフーンバードとパピオを両方持っている場合は、手札に寝たエシックスをスタンドさせられるカードがあるかないかで判断してください。
それ系のカードがあるならバードに乗ってCBを展開に使っていいですし、ない場合はバードは温存し、パピオの効果で一時的に場に出すにとどめましょう。
序盤の組み立てどうこうよりも、素エシックスにライドしたときにドライブチェックでクリティカルが捲れてくれるかどうかのほうが大事です。
相手がエシックスの二度目のEXアタックにノーガードと言い難いように4点まで手早く入れたいので、最悪Vライン一つでも攻撃してしっかり点を取っていきましょう。
ここで展開を急いでヴァミリオンバード系列のカードをうっかり配置してしまうと、寝転んだエシックスを眺めて後悔することがあるので注意してください。

◆G3ターン 獲得ギフトはアクセル2
手札から不要札を捨ててエクストラアタックを行いますが、このターンに目指す理想盤面というのは、
・アクセルサークルにG2が1枚
・両Rサークルの前にG3、後ろがG1で二枚程度埋まっている状態
です。
それを目指して、エシックスで手札交換を行ってください。
ダメージトリガーが乗っている場合は、R裏ではなくエシックスの後ろに8000ブースターを用意しましょう。

無理をして展開する必要はありませんが、両Rサークルはできるだけ上記の埋め方をします。
また、後攻でフォースクランと対面した場合にも可能な限りこの配置をします。
通常のRサークルにG2をおかないようにすることには意味があります。

先攻であればG3の12000+G1の8000=20000ラインで1枚分のダメージトリガーをケアしながら、
しっかりとガード値を要求するこの原始的なリアガード配置が最も重要といっても過言ではありません。

獣神はリアガードのパワーが低く、特にフォースクランのダメージトリガーに抗うすべがとても少ないです。
そういうどうしようもない時にも素のエシックスが持つ、ユニットをパワーアップさせる「お守り」効果を使うわけですが、
お守りを使ってもダメトリが乗った相手のフォースG3にガード要求の取れないG2の9000+G1の8000=17000という攻撃ラインは、出来る限り作らないようにしましょう。

どうしても作るしかない場合は、相手の前列Rに10000要求をして、イルミナルのパワーアップをチラつかせて守らせるよう。
それぞれの攻撃で相手からカードを一番むしり取れる殴り方を心がけることが勝ちにつながります。
相手が4点に至らない場合は、もう一度通常のエシックスに乗りなおすのが一番ベターかと思います。三点からのブレイクライドはあまりつよくないので…押し切れそうなら、Яへの乗り換えですね。

ここまでやってからが、獣神エシックスバスターで勝てるかどうか、というスタート地点です。
ここから遠ざかれば遠ざかるほど、捲りに依存したゲーム進行に寄っていくので、捲りでオトすデッキだからこそ、捲り以外のところは自分でしっかり取ること。

◆クライマックス
お互いが4点になってからが本番です。
フォース2選択のフォースデッキ相手以外は大体エクストリームに再ライドします。
4点でエシックスのEXアタックをノーしてくる相手もいるじゃないか!と思うかもなんですが、
エクストリームの効果がそもそも発動するか誰にもわからないので、12000のエクストラアタックなんかに4点ノーガードを言ってくるお茶目さんはそんなにいません。
いたらそこでクリティカル捲って勝ちなので捲ってください。相手の4ノーで☆を当てる、これがヴァンガードです。

エシックス側有利でこの状況に突入できることは稀なので、基本的にこっちが押し込まれている状況のことが多いです。
というより、自分のヒールトリガーでエクストリームが不発にならないよう心掛けられるのがベストでしょうか。

エクストリームの要求値は舐められがちなのもあって、たとえエクストリームでG3捲ったら足りない状況でも、
普通に真面目にヴァンガードを遊んでる人ならちゃんと守ってくれるので、場にイルミナルをそろえて、後は野となれ山となれ、です。
殴り方は常にリスク、ダメトリ回避優先で殴って、最後にエクストリームでG3捲れば最強獣神の最強さに相手はひれ伏します。

ここでちゃんと全部機能してるのに要求が足りないときは、相手がヴァンガード強すぎるのであきらめましょう。
捲れなかった時もあきらめましょう。つらいでしょうが、エシックスはそういうデッキです。

点止めをはっきりしてくる相手の場合は少しガマンして通常エシックスに再ライドするか、もう腹をククってЯで〆。
Яで戦う時は、積極的にデッキから不純物を取り除くよう動くこと。
6回捲れば意外と1ヒールくらいするので、それで割とと1ターン生き残れてなんとかなります。

☆結局捲りかよ!?

ここまで読んでいただいて、なんだよ結局捲れなかったら諦めるのかよ!?教えはどうしたんだ教えは!?という声があるかもしれません。
気持ちはとてもわかります。

ただ、エシックスデッキに限らず、多くのデッキは自分が勝つための準備を、デッキの構築段階、プレイの価値基準を作るところからはじめるものです。
エシックスにとっては、それが、どう準備すれば勝てるか、どこで捲れば勝てるか、
そのチャンスをどう作るか、という点にすべてが掛かっているというだけなのです。

これを、分の悪い賭けかどうか決めるのは、プレイヤーそれぞれの感性かなと思います。

☆最後に

獣神エシックス・バスターは、決して最強のデッキでも無敵のカードでもありません。
不安定な神様もいいところで、どんなに気を遣っても、プレイヤー自身にはどうしようもない「負け試合」が訪れてしまうデッキです。

でもよくよく考えてみれば、ヴァンガードというゲームは元々不安定なもの。
トリガーが捲れるかどうか、その度に期待や希望、不安を抱いて、その結果で一喜一憂する。
そして極端な話、ヴァンガードというゲームは、ある意味でいかに「運ゲーでなくすか」ということにプレイヤーが心を砕くゲームなのです。

毎回同じ結果に収束する自由自在なカードやデッキは確かに強く、無敵に近いかもしれませんが、
運要素が大きいからこそ、運に左右されないところや、それ以外のひとつひとつのプレイと選択の価値もまた大きくなるともいえましょう。

エシックスバスターデッキは、もしかしたら他のどのデッキよりも、
ヴァンガードというTCGが持つ唯一無二のゲーム性に、プレイヤー自身の努力で向き合えるデッキなのかもしれません。

ここまでお付き合いいただいてありがとうございました。
ヴァンガードが生まれて10年以上がたって。今更ノヴァグラップラーに付き合ってくれる人がどれだけいるかはわかりませんが。
ちょっとでも、まだそういう風に頑張っている誰かのノヴァが、ピカっと光ってくれるならいいなと思います。

では、またどこかのタイミングでお会いしましたら、その時はよろしくお願いいたします。
普段NOTEを書かないので文化がよくわかりませんが、読み終わって、もしイイナと思ったらおひねりとか大歓迎です。
では。



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