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無期停学

無期停学処分を
校長に宣告された時
彼はこう言った
「君がこの学校を去りたいと考えるなら、それでもいい」
その時俺は
普通部に合格したあの瞬間を
ほんの少しだけ思い出したんだ

いま慶應を追い出されたら
絶対に人生終わる
って本気で思った
あの時
血反吐を吐いて積み重ねた努力が
全部無駄になるって
だから
意地でも
この学校にしがみつかなきゃいけないと思った
謹慎期間中に母親は
「無期停学って一生解けないんじゃないの。もう辞めちゃったら」
と何度も言ったが
いや
俺は絶対に辞めれないし
辞めないし
辞めちゃいけないんだと思ってた
だから
まだ学校に居させてもらえるよう
死ぬ気で反省したし
本気で善い人間になれるよう努力したんだ

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