(49日目)変わらない勇気
昔、一緒に仕事をしていたイスラエル人(40代)から言われたことがある。
場所はぽかーんと青空が抜ける、中央道のど真ん中。
「日本人の男性は気持ち悪いですね。何でそんなに年下が好きなんですか?ロリコン?」
彼はある外資系企業の日本法人CEOで奥さんは日本人。バックパッカーだったころに出会ったという。
彼の奥さんは当時KD○Iの重役で、完全なバリキャリ女性だった。
そして、彼より年上だった。
彼は続ける。
「年下をパートナーに選ぶ意味が分かりません。だって、もう経験したことでしょ?年上がいいとは言わないけど、経験豊かな人と一緒になったほうがお互い成長できるじゃない? なぜ、日本人男性は自分より知識と経験がない女性を選ぼうとするのですか?」
言葉に詰まった。
自分を良く言うつもりもないし、飾る気もない。僕も、少なからず彼が言った「自分より知識と経験の少ない女性」がよい、と思っているふしがあったからだ。
自分よりキャリアが上、しかも年上の女性。日本人男性だったら一番避けるであろう女性を彼はパートナーとして選んでいた。
いや、若い方がさ、と言いかけて、やめた。
情けなかった。
あいまいな顔をしている僕に、彼はもう一度、「やっぱりおかしいですよ。日本人」とぼそっとつぶやいた。
なぜか今でも、その時の抜けるような青空、そして何となくだが、少し悲しそうな彼の横顔を鮮明に思い出すことができる。
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久しぶりにこんなことを思い出したのは、今朝、婚活をしている女性のブログを読んだからだった。
そこには、「なぜ結婚できないか」そんな女性のパターンが紹介されていた。
自分なりに紆余曲折しながらも一生懸命歩いてきた道。
コンプレックスのある自分自身を奮い立たせて生き続けた日々。
それを結婚という目的のためにあなたのあれがダメだこれがダメだと知らない誰かから否定される。本当に悲しいことだと思う。
それでも、いいんだ。という「変わらない勇気」を持ちたい。
きっとそういう姿の方が、情報や世論に左右されてあたふたしたり落ち込んだりするより、よっぽど美しいと、僕は信じている。