(46日目)自分をオープンにすること
昔外回りをしていた頃の話なんですが、福岡にすごくよくしてくれる会社さんがありました。
作業が終わっていないのに、その会社のH社長は毎回飲みに連れて行ってくれて、色んな地元のおいしいものをご馳走してくれました。
そして、社長のそばには常にパンチパーマ(だったと思う)で強面のN部長が付き添っていました。
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ある日、たまたま社長が早めに帰られたので、どうしようか、という話になり、悩んでいる間に部長さんはキャッチにつかまりあれよあれよと雑居ビルの怪しげな店へ連れて行かれてしまいました。
この店はいわゆるランジェリーパブ(女性が下着で接客してくれるお店です)で、扉を開けたお姉さんが「あ!いらっしゃいませぇ~」と、いう ・・・ お姉さん。お姉さん。片乳が出てるやん。ランジェリー防御力低いな、おい。
実は(マジな話)僕は風俗というものにほとんど行かないんです。
なんと言うか、緊張して楽しめない、というのが本音。
人目も気になる。
体裁やプライドも気になる。
いわゆるムッツリ。
席に案内され、僕はN部長と向かい合わせに座りました。
N部長は早速いちゃいちゃ(死語)しはじめて、僕はますます下を向いてしまい、横に座っているお姉さんに、ご出身はどこですかなんてアホ丸出しの会話をしていました。
僕はスーツ。
お姉さんはランジェリー。
ちぐはぐな服装の二人の当たり障りのない会話。
5分くらい経っただろうか。ふとN部長の方に目を向けました。
思わず、「え!」と声が出ました。
なんとN部長は自分の娘くらいに若い女の子をお姫様抱っこしており、さらにおっぱいを吸おうと必死になっています。
口が蛸のようだ。
パンチ蛸。
一方の女の子は「おっぱいだめですぅぅー☆」っていいながらも半分嬉しそうにN部長の顔を押し返している。
唖然とした。
この5分になにがあったのだ?どうやったら5分でこんな体勢になるんだ?
ってか、何なんだ。この人は。
全力で、一生懸命に、このお店を楽しんでいる。目の前の女の子を楽しんでいる。完全なフロー状態だ!!(今考えたらマインドフルネスだなこれは)
思わず聞いてしまいました。
「部長、部長はどうしてそんなにオープンスケベなんですか!?」
取引先の部長になんてこと聞くんだという感じだが、僕はマジだった。
本当にこんな人になるにはどうしたらよいのだろう、と思った。
部長はお姫様抱っこをしている女の子に聞きました。
「君さ、オープンスケベとムッツリスケベ、どっちが好き?」
「えー? もちろん、オープンスケベ☆」
・・・ 完敗だった。
(そして部長はおっぱいを吸えなかった。別の意味で完敗だった)
この後、何人か社長さんや部長さんなど、偉い方とお話する機会があったが、みな、口をそろえて言われました。ムッツリはだめ!と。
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昨日、HUFFPOST主催のMirai Forum#11-これからの健康革命-というフォーラムに参加してきました。
ゾーンの入り方や、DNAの健康経営の話など興味深い話が多かった中、一番心に残ったのは「世の中に価値を生み出すため、心をオープンに!身体を健康に!」という、HUFFPOST JAPAN 竹下編集長の言葉でした。
その言葉に、ふと、昔のランジェリーパブでオープンスケベ最強論を言い放ったN部長のことが思い浮かんだわけで。すみません、編集長。
元気かなぁ。N部長。
僕はなんとか元気にやっております。まだまだオープンスケベにはなれそうにありません。