【CHC】 Rule5 Draft 対象選手紹介 2021
みなさんこんにちは。CHC担当のMasatoです。
ワールドシリーズで、アトランタ・ブレーブスが1995年以来26年ぶりとなる制覇を果たし、MLBも全日程が終了しました。
そして、ファンにとっては第二の楽しみであるオフのストーブリーグの季節がやってまいりました。
今回は、そのオフシーズンに開催される風物詩の一つ、ルール5ドラフトという制度について、どんなものなのか。カブスは今年は主に誰が対象なのかを簡単に紹介していきます!
ルール5ドラフトとは?
ルール5ドラフトとは、有望株(プロスペクト)選手が十分な活躍の場を与えられず、傘下マイナーリーグチームで半ば飼い殺し状態になってしまうことを防ぐため、他チーム所属の現役選手を指名し獲得できる制度のことです。
このドラフトの指名対象で、流出を防ぐために、40人枠に入れて“プロテクト”する必要がある選手は「18歳以下で契約し、5年が経過した選手」と「19歳以上で契約し、4年が経過した選手」です。
つまり、21年のルール5の有資格者は、主に「2017年ドラフトで指名された高校生」と「2018年ドラフトで指名された大学生」ということになります(インターナショナルFAは別)。
ルール5ドラフトにはメジャーリーグ・フェーズとマイナーリーグ・フェーズがあります。有資格の規定はメジャーリーグ・フェーズと同じで、今度はAAAの38人ロースターに入れてプロテクトする必要があります。一方で、マイナーリーグ・フェーズでピック選手に関してはどのマイナークラスでプレーさせても問題はありません。
今年のカブスのドラフト対象選手で、確実にプロテクトされると言い切れる存在の筆頭は球団29位のネルソン・ベラスケスでしょう。
以降は、対象選手の中で(カブスは今年かなり対象選手が多いので)目玉となる対象選手をピックアップして紹介します!
ネルソン・ベラスケス, OF
もう今年のルール5ドラフト対象選手の筆頭でしょう。シーズン開始をHigh-Aで過ごした彼は、持ち前のパワーと強アームを生かした守備でシーズン途中にAAに昇格し、そこでも存在感を発揮した将来の主砲候補です。
現在は、アリゾナフォールリーグ メサ・ソーラーソックスに所属し、AVG.390/8HR/OPS 1.246 (11/10現在) と無双状態となっています。もはやプロテクトをしない理由がありませんので、彼は確実にプロテクトされるでしょう。
イーサン・ロバーツ, RHP
躍動感あふれる投球フォームが魅力的な24歳のリリーバー。AAで絶対的守護神として君臨し、シーズン途中にAAAに昇格しました。威力のある4シームと鋭く曲がるスライダーを武器に、相手打者のバットの空を切る本格派。
こちらも、まだ若く、来年以降、カブスのリリーフ陣の一角としての台頭が期待されている選手ですので、彼も間違いなくプロテクトされるでしょう。
デニス・コレア, RHP
最速100mphの破壊的豪球を武器とするコロンビアの豪腕。今季は、Low-AとHigh-Aで絶対的守護神として君臨し、以下の成績を残しました。何よりも魅力的なのはその奪三振能力。今シーズン登板した37イニングで60奪三振という脅威の奪三振能力を持っています。こちらもキンブレルのような活躍が期待されている期待のホープで、プロテクトされることはほぼ間違いないでしょう。
ブレンダン・リトル, LHP
17年のドラフト1巡目指名もついにルール5の対象選手となりました。現在はAAAで活躍しているブレンダン・リトルです。最速97mphの速球と落差の大きいパワーカーブのコンビネーションが武器の大卒左腕。
まだまだコマンドや球の質というところでは課題がありますが、来年もしかするとメジャーでの登板もあり得るかもしれません。ですので、彼もプロテクトされる可能性は高いかなと思います。
ジェラード・ヤング, 1B-OF
パンチ力のある打撃が魅力の26歳内野手。シーズン開始をAAで過ごし、勝負強い打撃で好成績を残し、シーズン途中にAAAに昇格しました。AAAでも打率自体は落ちたものの、勝負強い打撃スタイルは健在でした。しかし、ルール5の対象となった今回、彼をどうするかという問題になるわけですが、現状MLBでの一塁手候補は、シュウィンデル、そしてリバスの2人がおり、彼らをも凌ぐ圧倒的な成績を残さないとなかなか割って入るのは難しいのではないかと思っています。そして、27歳の歳になるということも考えた時に、どうしてもプロテクトしなきゃいけない選手かと言われるとちょっと微妙なラインであり、ここは球団の裁量に委ねられる選手なのかなとは思っています。
ジョナサン・ペラザ, OF (ex-INF)
パワフルなスイングでスタンドにアーチを描くベネズエラ出身の大砲プロスペクト。今季はA+で99試合に出場し、BA.280/15HR/64RBI/6SB/OPS.829と上質な成績をマークし、さらに守備では本職の2Bに加え、外野も守るなどユーティリティ性も発揮しました。
来年にはAA昇格もあるのではないかと考えられる23歳の若き大砲候補。
長打力も期待できて尚且つユーティリティ性も兼ね備えている選手はなかなか稀有な存在であることは間違いありません。
プロテクトするかどうかは球団の裁量によるかなとは思いますが、私個人の意見としては、放出してしまうのは勿体ないような気がしていますので、ここは球団がどう判断するか注目です。。
ライリー・トンプソン, RHP
MLB Pipelineの球団内プロスペクトランキング 28位にランクインする右腕プロスペクト。彼は肩の故障により、まともに投げられておらず、最後に投げたのが2019年のLow-Aでのピッチングまで遡ります。。
今年で25になり、来年が26と考えた時に、未だAAにすら昇格できず、A- とA+を彷徨ってる状況を考えると、なかなか厳しい意見にはなりますが、立場的に怪しくなってきているのは事実であり、カブスとしても、いくらTop30に入っているとはいえ、この状況を見た時に、絶対にプロテクトしなければいけないかと言われると少々疑問符がつくのは想像に難くないとは思っています。
私個人の意見としては、プロテクトから外れてしまっても、正直致し方がないとしか現状は言いようがないとは思っています。。
アンディ・ウィーバー, INF
18年ドラフト5巡目指名の大卒内野手。
レギュラーシーズンは、44G/BA.223/OPS.642と正直パッとしない成績ではありましたが、現在、ベラスケスと同様にアリゾナフォールリーグに参加しており、BA.315/2HR/OPS.975と好成績をマークしています。
しかし、年齢も来年で25歳。彼の適性ポジションである3BとSSはライバル選手がたくさんおり、正直にいうと、絶対にプロテクトすべき選手かと言われると、正直微妙なラインの選手と言えそうです。。
イェイソン・サンタナ, SS
20年末にダルビッシュ有投手とのトレードで加入したSSプロスペクト。
今季は、シーズン開始をAで迎えた彼ですが、20G/BA.147/OPS.411と全く打撃で結果を残すことができず、Rok級のACL Cubsに降格する形となりましたが、ACLでは32G/BA.292/1HR/OPS.767と健闘を見せました。まだ20歳と若く、来年はおそらくまたAでチャンスがもらえそうな予感はしているので、彼もプロテクトされるとは思っています。
ダウリス・バルデス, RHP
今年4月に、ジェームズ・ノーウッドとのトレードでパドレスから加入したドミニカンエクスプレス。
しかし、極度の制球難で、9.2IPで13BBというほど。
そして、11G/1W/13.03ERA/2.48WHIPという厳しい数字となっており、年齢も来年27歳ということも考えると、彼はプロテクトされる可能性は少々低いかなとは推測します。。
その他
今回、Rule 5の対象選手を数人ピックアップしましたが、その他の対象選手には、AAのスターターとして活躍していたCam Sanders , 現在はAFL (アリゾナ秋季リーグ) に参加しているAAA所属の Luis Vazquez , AA所属の外野手 Brandon Hughes など、魅力的なプロスペクト選手も多数対象となっています。ただ、選手をドラフトからプロテクトするためには、40人という限られた枠の中に入れなければならず、当然ですが、全員をプロテクトすることはできません。多くの選手が、このプロテクトから漏れてしまうことは当然考えられます。全員、まだ20代前半の若い選手で、まだまだこれから伸び代がたくさんある選手ばかりです。
カブスとしては、誰をプロテクトするのか、誰を外すのか。ドラフトまで残り期間少ないですが、今後の動向に注目していきたいと思います。
Masato