【CHC】CHCのTDL ③ 〜振り返り〜
日本時間、3日午前7時、2022年のトレードデッドライン(TDL)が終了しました。
CHCは今シーズンも売り手の立ち位置でしたので、プロスペクトを補充して、マイナー組織を潤しました。
今回はTDLの最終号として、振り返りをしていきます。
TDLの過去記事はこちらから。
◼️ 新たに2選手がトレード
TDL最終日の3日、新たに2件のトレードが駆け込みのような形で成立しました。
① David Robertsonの古巣復帰
CHCはPHIに守護神のDavid Robertsonを放出し、対価として、Ben Brownという投手のプロスペクトを獲得しました。
Robertsonは、19年以来3年ぶりの古巣復帰となりました。(でも19年はトミージョンを受けたので、ほとんど投げてないんですけどね。)
PHI側としては、Seranthony DominguezやConnor Brogdon らのように安定した投球をしてくれるブルペン投手を加えたかったらしく、その中で、CHCのクローザーとして抜群の活躍を見せていたRobertsonに目をつけたんだと思います。(※ PHI担当ペンさんのnoteを一部参照。)
CHC側としては、今シーズンのTDLではデプスの薄いピッチングプロスペクトを積極的に集めており、その中で、評価が急上昇しているBen Brownを獲得できたのは、かなりおいしいトレードだったのではないでしょうか。(個人的にはかなり楽しみにしているプロスペクト)
② Mychal GivensがNYへ 🗽
TDLギリギリでの一報でした。CHCでは主にセットアッパーとして活躍していたMychal GivensをNYMへ放出し、対価として、ローレベルのピッチングプロスペクト、Saúl Gonzálezを獲得しました。
まず、6-7, 288lbってデカすぎやろと思いました。
現在は、Low-Aでプレーしているプロスペクトですが、22年はここまで14試合でERA2.81、WHIP1.21などと安定しており、近いうちに昇格もあるのではと思います。コマンドもBB/9=2.5と安定しており、そこまで大崩れすることがないのも◎
奪三振率が10を超えていて、やはりプロスペクト紹介でも書きましたが、球速以上のノビとキレがあるんだと思います。
ソリッドな活躍を見せていたGivensではありますが、レンタルというのもあり、そこまで対価は期待していませんでした。
なので、まあこのくらいにはなるよなと正直。
いずれにしても、彼が数年後どうなっているのかは、楽しみにしたいと思います。
◼️ 今TDLで成立したトレードリスト
◼️ TDLでのCHCの所感
今回、CHCがTDLで獲得したプロスペクトは全て投手でした。それは、おそらく、CHCが現状のマイナーのデプス的にピッチャーが欲しかったからだと思います。
CHCのマイナー組織は、昨年の大規模ファイヤーセールなどによって以前よりも見違えるほど魅力的になりました。
野手のプロスペクトは先日のオールスターフューチャーズにも選出されたPCAをはじめ、今シーズンで一気にA+→AAAまで昇格したMatt Mervisなど、メキメキと力をつけている選手が多いように感じ、だいぶ充実してきたかなと感じるのですが、投手に関しては、少々デプスが薄い印象がありました。伸び悩んでるプロスペクトも実際多いんでね。(野手プロスペクト、実は3Bに関しては少々少ない。Triantos, Strumpfが現状いいとこ。)
そんなところで、レンタル選手を放出し、積極的にピッチングプロスペクトを集めてきた点は、課題ポジションのデプスを厚くしようとしている点が垣間見えて、かなり高評価でした。
欲を言えば、あとSmylyなどが売れたら尚良かった。
◼️ Contreras? Happ?
TDLで目玉の選手の一部になるであろうと思われた捕手のWillson Contrerasと外野手のIan Happは、期限内にトレードされることはなく、結果としてCHC残留が決まりました。
Happに関して言えば、TORやATL、NYY、LADなど複数球団が獲得に関心を示していましたが、Happの現状として、来季Arb3を迎えること、FAが2023年のオフであと1年半もコントローラブルな点で、トレードバリューで見れば、Contrerasよりもはるかに高額な対価を要求されることは必至でした。
そんなところで、出来るだけトッププロスペクトの放出を避けたい球団にとっては、なかなか苦渋の選択で、結果として手を挙げる球団はなかったのではと思います。でも個人的にHappはトレードされなくてもまだ良かったですよ。
Contreras、ここですよね。彼に関しては、NYMが熱心に交渉していて、他にも強く関心を示していたTBとの争奪戦に発展していました。けど、蓋を開けてみれば、CHCに残留。何があったんでしょうか。
おそらく予想される答えはただ一つ。
「CHCがContrerasに対する対価を釣り上げすぎ」
彼は、今季終了後にFAとなります。なので、ここでのトレードはレンタルトレードのような形となるのです。(エクステンションする気が無ければ。)
情報筋によれば、このトレードでは傘下5位のMark Vientosを含めたパッケージや、同3位のRonny Mauricio含、同6位のMatt Allan含などのパッケージが必要になるのではないかなんていう報道もかつてあったりしました。
半年間のレンタルトレードに対してトッププロスペクトを放出することに消極的なエプラーGMを始めとするNYM側と、複数トッププロスペクトを要求してたであろうCHC側とで結局話が平行線のまま折り合いがつかず、結果として、トレードは成立しなかったんだと思います。
これを受けて、多方から、Contrerasを放出できなかったCHC側に対して、批判的な意見や様々な意見が飛び交いました。
しかし、ContrerasのTDL前と後でのインタビューを見てください。
TDL終了前
TDL終了後の当日の試合後
表情が180°違うのがわかりますね。
それもそのはずです。
彼は、チームにメチャクチャ残りたがっていて、とにかく移籍はせずにCHCでずっとプレーしたいと語っており、今回トレードされなかったのを一番喜んでるまであります。
TDLが終わるまで毎日、トレードされるのかとソワソワしてて、いろんな報道に対しての精神的ストレスも半端なかったみたいですし、この喜びを隠しきれないインタビューみると、本当にトレードされたくなかったんだなと言うのがよくわかります。
彼は、多分誰よりもシカゴ愛を持ってます。これだけは皆さんに知ってほしいです。
今オフ、ContrerasはFAとなるので、球団としてはまずQOを出すのか出さないのかから始まり、エクステンションを結ぶのか結ばないのか。ここもかなり注目です。
QOそのものを打診せずに、他球団と複数年のビックディールを結ぶ、Jon Grayルートの最悪のシナリオだけは避けてほしいところ。
いずれにしても、肩の荷が降りて、残留できて幸せそうな彼の姿を見れたことはファンとしては、嬉しい限りです。
◼️ さいごに
ここまで、今回のTDLについてざっと振り返ってみました。
CHCは今シーズンも売り手市場でしたので、プロスペクト補充というところがポイントで、現状のマイナー組織の弱点の強化(投手プロスペクトの充実)を行えたことは、それなりによくやってくれたトレードだったのではと思います。(欲を言えば3Bできるプロスペクト欲しかった。)
CHCのトレードの目玉と目されたContrerasとHappは逆転残留を決めました。このムーブに関しては、多方からいろんな意見が飛んでますが、私は、選手が幸せならそれでよかったのではと思いますね。(ただし、それなりにフロントはきちんと評価をしてください。)
今回のTDLもどんなプロスペクトが来るのかななんてワクワクしながら過ごせてたので、とても楽しめました。
そんなところで、今回のnoteはここら辺で締めさせていただきたいと思います。
今回も、最後までお読みいただきありがとうございました。
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〜Masato〜