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CHCのここまでの補強を振り返る

皆さん明けましておめでとうございます🌅
MLB30球団ファン合同note企画で今年もCHC担当となりましたMasatoです。
2022年になりました。今年も何卒宜しくお願いします。
さて、これが、新年1発目の記事となります。
MLBはロックアウト真っ只中で、話題のない日々が続きますが、今回はカブスが、このオフシーズンどのような補強を行ってきたかを振り返っていきたいと思います!


◼️ マーカス・ストローマン (Marcus Stroman) (30)

今オフ、カブスにとっては間違いなく1番の大物獲得でしょう。ニューヨーク・メッツからFAとなっていたマーカス・ストローマン投手と2シーズン目以降のオプトアウトを含む3年7100万ドルの大型契約を結びました。

・契約内容
3年契約 総額7100万ドル
2022年: 2,500万ドル
2023年: 2,500万ドル
2024年: 2,100万ドル
※22年と23年は, 160IP消化に対するMax200万ドルのオプションインセンティブ含む。

カブスは21年シーズン、先発投手補強を疎かにした結果、シーズン最後までローテーションを守り切ったのがカイル・ヘンドリクスのみという目も当てられない悲惨な状況となってしまい、今オフの先発投手の確保は至上命題となっていました。

そんな中で、今年のFA市場で最高クラスのスターターであったストローマンを獲得できたことは非常に評価できます。(上から目線が過ぎますが.)

ストローマンの2021年シーズンの成績
MLB.com 参照)

ストローマンは巧みな投球術が持ち味の先発右腕。
今季は以上のような成績を残し、そして以下のような成績を残し、非常に安定した先発としてローテーションを守りました。

ストローマン その他の投手指標 (FanGraphsより)

特に、BB/9 (与四球率: 9イニングの間に幾つの四球を与えてしまったか) が軒並み2点台という非常にコマンドに優れた投手で、HR/9 (被本塁打数: 9イニングあたりの被本塁打数で、一試合の間に何本のホームランを打たれるか)は全て0点台、今シーズンはK/BB{奪三振Kと与四球BBの比率で、投手の制球力を示す指標の1つ)は3.59と優秀で、非常に纏まった投手です。


もちろん、カブスでは2022シーズンのスターター1番手候補であり、チームの勝ち頭としてカブスでも先発投手陣を牽引してくれることを期待しています。



◼️ ヤン・ゴームズ (Yan Gomes) (34)

2人目に紹介するのは、こちらはカブスがオフシーズンの補強第一号で獲得した捕手のヤン・ゴームズです。

・契約内容
2年契約 総額1300万ドル
AAV: 650万ドル
※600万ドル相当の3年目の球団オプション&毎年の出場試合数に応じた100万ドルのパフォーマンス・ボーナス (所謂出来高)を含む。

カブスは、2020年末、ダルビッシュ有投手のトレードで、パッケージとして女房役だったビクター・カラティーニ捕手もサンディエゴ・パドレスに放出しており、その影響で第二捕手がベテランのロビンソン・チリーノスや、ホセ・ロバトンオースティン・ロマインらが務めており、正捕手のウィルソン・コントレラスも、トレード放出の噂が絶えず、捕手の獲得もオフの課題となっていました。

そんな中、今年のFA市場の捕手の中で注目銘柄の一人であったゴームズを獲得できたことも非常に高評価です。

ゴームズの2021年シーズンの成績(MLB.com 参照)

ゴームズは今シーズン、パンチ力のある打撃が魅力の攻撃型捕手として14本塁打をマークしました。

キャリアハイのBarrel% 8.8%も優秀な成績です。

捕手として求められるブロッキングやスローイングなども問題はなく、現状はカブスの第二捕手として期待されています。



◼️ クリント・フレイジャー (Clint Frazier) (27)

3人目は、ゴームズ獲得に続いて発表された、クリント・フレイジャー外野手です。

・契約内容
1年契約 総額150万ドル
AAV: 150万ドル
※ オプションとして最大100万ドルの出来高

フレイジャーは、2013年のMLBドラフトで1巡目(全体5位)で当時のクリーブランド・インディアンス(現ガーディアンズ)から指名され、プロ入りし、その後はメキメキと頭角を表し、当時のチーム傘下No.1プロスペクトでした。

しかし、トレードで移籍したヤンキース在籍時の2018年に負った脳震盪の後遺症の影響で成績が落ち、結果を残せずにいました。

フレイジャーの2021年シーズンの成績
MLB.com 参照)


再起をかけた今季は試合数が通常に戻り、活躍が期待されましたが、66試合に出場後、目眩を訴えてIL(故障者リスト)入り。

オフの11月19日にルール5ドラフト対策の影響でDFAとなり、23日にヤンキースから正式に自由契約となりました。

圧倒的バットスピードから生み出すパワーと平均以上の守備・足・肩が売りのまさにロマンの塊。

今回のフレイジャーの獲得はロマンがあって評価できると思います。しかし、彼の場合は脳震盪の影響による不明瞭な健康面の点が非常に気になるところであります。

この問題を払拭するために、まずは現在の状態を早く教えて欲しいと思うばかりです。

かつてのトッププロスペクトとして期待されながら、多くの困難にに苦しめられた波乱のプロ生活を送ってきた彼ですが、シカゴという新しい地で迎える8年目のシーズン。彼がリグレーの舞台で躍動する姿をファンはとても心待ちにしています。



◼️ ウェイド・マイリー (Wade Miley) (35)

4人目は、こちらもまた大物投手 ウェイド・マイリー投手です。カブスは彼をウェーバー経由で獲得しました。
マイリーの来季は年俸1000万ドルもしくはバイアウト(違約金)100万ドルでしたが、シンシナティ・レッズは年俸総額削減を目的に、バイアウトの支出を惜しみ、彼をウェーバーにかけ、これに目をつけたカブスがマイリーのクレームオフ(獲得)にこじつけました。そして、来季の1000万ドルのクラブオプションを行使しました。

マイリーの2021年シーズンの成績(MLB.com 参照)

35歳になったベテランのマイリーは、度重なる故障離脱の影響で出場機会が減りましたが、それでも28試合先発、163.0イニングを投げ、12勝7敗、ERA 3.37と良質な成績をマーク。皆さんもご存知、現地2021年5月7日のレッズ対インディアンス(現ガーディアンズ)戦でキャリア初, レッズ史上17人目となるノーヒッターを達成しました。

カブスにとっては実績十分な有能ローテーション左腕を獲得することができました。カブスでも左のエースとしての活躍が大いに期待されます。



◼️ ハロルド・ラミレス (Harold Ramírez)(27)

5人目は、クリーブランド・ガーディアンズから金銭トレードで獲得したハロルド・ラミレス外野手です。

ラミレスは、ガーディアンズが、ルール5ドラフト対策として球団傘下1位のTyler Freemanらを含む合計11人の若手有望株を40人枠にプロテクトした影響でDFAとなっていました。そんな中でカブスは、彼を金銭トレードという形で獲得することができました。

ラミレスの2021年シーズンの成績(MLB.com 参照)

5-10, 232lb (178cm, 105kg)の恵まれた体格と、卓越したコンタクトスキルを兼ね備えたアレイヒッターで、19年のマイアミ・マーリンズ時代に11本塁打を打ち、鮮烈なデビューを果たした選手です。

確かなゾーンコンタクト(21年 88.1 Z-contact%)のスキルを持っていますが、選球眼が悪いフリースインガーで、ゾーンの外を追いかけることがあまりにも多い点が懸念材料です。(今季 45.2 O-Swing%)

彼の対左(.275/.315/.400, 92 wRC+)と対右(.270/.306/.408, 90 wRC+)の数字はほぼ同じなので、そこまで片方が極端に苦手という意識はないように思います。

しかし、守備はなかなか壊滅的で、転がる打球をめがけてスライディングキックをかましたり

平凡な深めのフライを後逸したりと..
これだけ見てもお世辞にも守備が上手いとは言えないですよね。

守備を置くにしてもRFがいいところでしょうか。
しかし、打撃には目の光るものがあり、カブス打線の良いアクセントになるのではないでしょうか。



◼️ マイケル・ハーモシーヨ (Michael Hermosillo)(26)

6人目は、ノンテンダーFAから再契約を結んだマイケル・ハーモシーヨ外野手です。

・契約内容
1年契約 総額60万ドル
ハーモシーヨの2021年シーズンの成績
MLB.com 参照)

ハーモシーヨは、3Aで43試合、打率.306、10本塁打、OPS 1.038などと非常に良質なスラッシュラインをマークし、メジャーに昇格しました。しかし、メジャーでは上図のようになかなか結果を残せず、プラトーン要員に落ち着いてしまい、オフにノンテンダーFAとなっていました。

しかし、ロックアウト直前の12月1日にカブスとAAV60万ドルの単年メジャー契約を結びました。

来季は新戦力やプロスペクトの台頭も考えられ、ますます熾烈な外野手定位置争いが繰り広げられることは必至です。

走攻守にハイレベルで高い身体能力が武器。22年シーズンはプラトーン要員ではなくレギュラーとしての活躍を期待しています。

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◼️ 7人の選手とマイナー契約

先ほどまではロックアウト前までにメジャー契約を結んだ選手を紹介しましたが、カブスはこのオフに7人の選手とマイナー契約を結びました。彼らは2022年春のスプリングトレーニングへの招待選手として参加します。

1) ステフェン・ゴンサルベス (LHP)
 ボストン・レッドソックス傘下からマイナーFA。
 メジャーでも3試合に登板。昨季は3Aで73イニング、
103奪三振、52四球、防御率4.68を記録。

2) ルック・セント・ジョン (LHP)
 デトロイト・タイガース傘下からマイナーFA。
 昨シーズンは3Aで36試合、59回1/3を投げ、25四球、75奪三振、防御率2.58を記録。

3) P. J. ヒギンス (C)
 2015年のドラフト12順目でカブスに指名された元プロスペクト。21年にバックアップキャッチャーとしてメジャーで9試合に出場。右前腕の負傷で手術を行い、6月にシーズンアウト。再起に期待。

4) ジョナサン・ホルダー (RHP)
 カブスは昨オフにホルダーと単年75万ドルのメジャー契約を結んだが、右肩の負傷で21年シーズンを棒に振った。
 スプリングトレーニングで復活をアピールしたい。

5) マーク・ライター・ジュニア (RHP)
 父にフィラデルフィア・フィリーズなどで活躍した元メジャーリーガーのマーク・ライター・シニア、叔父にニューヨーク・メッツなどで活躍した元メジャーリーガーのアル・ライターを持つサラブレッド。
 昨シーズンはデトロイト・タイガース傘下2Aと3Aを行き来し、114回2/3を投げて31四球、145奪三振、防御率3.77を記録。MLBでも47試合で防御率5.53を記録した30歳の右腕。

6) ディクソン・マチャド (INF)
 2019年から過去2シーズンは韓国野球KBOのロッテ・ジャイアンツでプレーし、主にSSとして活躍。
 しかし、2021年シーズン後、保留者名簿から除外され退団した。

7) イルデマロ・バルガス (INF)
 内外野複数ポジションをこなすベネズエラのスイッチユーティリティ。20年と21年にカブスに在籍し、ユーティリティプレイヤーとして活躍。その他パイレーツ、ダイヤモンドバックスで34試合に出場し、オフにマイナーFAとなり、カブスに復帰した。
 もう一度掴んだシカゴでのチャンス。スプリングトレーニングでのアピールを期待したい。


◼️ 最後に

ここまでカブスは40人枠中39人でロックアウトに突入しました。ロックアウトがいつ解除されるか年が明けた今でも未だ不透明な状況ですが、仮に解除されたあと、また新たな動きがあるかもしれません。それこそ、噂の絶えないコレアなんかも。
とにかく、このオフシーズンに課題であったポジションが着実に補強されている点は非常に高評価です。
ロックアウト解除後、カブスがどんな動きを見せるのか。引き続き注目していきたいと思います。


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Masato

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