とある担当さんの日常 く(￣▽￣ 第三話
第三話 真夜中の留置場
メイン通路の明かりが消え、被疑者たちが眠りにつく。
部長「ごめん、先休むわな。またなんかあったら起こして～」
担当「了解しました。」
担当「今日も無事消灯まで来たな、ゆっくり本でも読みますか」
被疑者たちの本は夜の点呼前に回収される。
担当は夜の長い時間を巡回と回収した被疑者たちの本を読んで時間を潰す
担当「そういえば、47番の差し入れにユーチューバーラファエスのエッセイ入ってたな、読んでみよ。」
本を読む担当
担当「へえー、こいつ元自衛官やったんや。意外やな」
60番「おーい、お茶」
担当「はーい、今行きます（CMみたいに呼ぶやん）」
60番「あんがと。喉乾いてしゃーないわ」
担当「すんません、この時間水しかなくて」
60番「別になんでもええけど、そや、眠剤ちょうだい」
担当「ちょっと待ってくださいね」
被疑者の多くは留置場に入れば眠剤やら精神安定剤を飲む。
落ち着くためや、することがないので強制的に眠りにつくため。
担当「はい、口開けて薬みせてくださいねー」
60番「あー。」
担当「おっけいです！」
薬ひとつあげるのにも飲む前、飲んだ後と口を開けさせ確認する。
薬を隠しもつ輩がいるからだとか、色々手間が多い仕事だ。
体育座りをする55番
担当「どうしたん？」
55番「いや、懲役くらう思ったら寝れんくて」
担当「難しいことやけど、考えてもしゃーないで。なるようにしかならんし、余計なこと考えるくらいなら目瞑って明日の手紙の内容でも考えてえみたら？」
55番「はあ～、そうしてみますわ、、」
10分後。眠る55番。
担当「寝るのはやっ、良い事か。」
扉をたたく音
宿直責任者「どう？みんなねた？」
担当「さっきまで55番が起きてましたけど、さっき寝かせつけました！」
宿直責任者「なんかおかんみたいやな(笑) ほな、も少し頼むわ」
担当「了解しましたく(^^ 」
２時間後
「プルプル」電話が鳴る
担当「はい、留置場です！」
刑事「迷惑系ユーチューバーのぺドリゲスが、コンビニの商品盗むマネしてな、業務妨害でパクるかもやわ。留置場はどんな感じ？」
担当「ほんま迷惑系ですね(;^‐^) 部屋は空いてますので逮捕すればご連絡お願い致します！」
刑事「ありがと！また連絡するわ」
また面倒なのが、入ってきそうだ(一一；)
平和が第一の留置場に迷惑系ユーチューバーなんて入ってきたりしたら、荒れること間違いなしだ。
ユーチューバーのエッセイなんて読むんじゃなかった…。
２時間後
入場手続きの用意をする担当
部長「おっす、おつかれ、なんかあった？」
担当「迷惑系ユーチューバーのぺドリゲスが入ってくるかもです」
部長「あの金髪で墨入ったやつか！やばいな、俺一回見てくるわ」
担当「すんません、お願いします。」
部長「用意だけ進めといて！」
帰ってくる部長
部長「どうも不拘束になるらしいわ」
担当「まぢですか！ラッキーですね！」
部長「コンビニの店長さんがユーチューバーってことで被害届取り下げたらしい、変わってんな。」
担当「世も末ですね。まあ入ってこなくてなによりですね。出てからユーチューブで色々暴露されても困りますし。」
部長「せやなー。あ、もうねていいよ。点呼の準備はしとくから」
担当「ありがとうございます！では休みますｚｚｚ」
７時 点呼
担当＆部長「おはよう！布団たたもか～」
朝の点呼は押し入れに布団を運ぶ作業→部屋の掃除→洗顔 の順番だ。
35番「担当さん歯磨き粉もうないわ」
担当「ほんまや、また変えときますね！」
朝日が留置場の窓を照らす
47番「担当さん、ごめんもう少し窓開けて」
担当「あんまり開けたらダメな規則なんですけど、こんなに天気良い朝なんでいつもより広めに開けときますね！」
47番「ありがとう。ええ眺めやわ」
こうして24時間の夜勤は終わりを迎えていた。
担当「帰って、風呂でもいこかな」
35番「ええなあー、大人の風呂も行き放題やん。」
担当「まあね(笑)金欠なんで行きませんけど！」
35番「また感想教えてもらおう思ったのに！」
担当「また行く時あったら言いますんで(￣▽￣ 」
１係の巡査「おはよう！昨日ユーチューバー入りかけたらしいやん！危なかったな！てか噂やけど近い内に２人入ってくるらしくて、しかもどっちも組織犯罪対策課から！最悪じゃない？嫌な予感しかせん。」
担当「それは、最悪ですね．．．。どの係になるんですかね？厄払い行っとこ。」
１係の巡査「良いとこ紹介してくれる？」
担当「はい！ググっときます！」
１係の巡査「まじ、頼むわ」
担当「そろそろあがりますね～」
47番「さみしいな～、次明後日か！ソープ楽しんで！」
担当「いや、いきませんよ( ｀ー´)ノ」
35番「ガハハハッ！ちゃんと行ってきてな(笑)」
こうして一日の夜勤が終了する。
比較的平和な一日だったが、毎回こんな感じではない。大声を張り上げるイカレポン中や、ガチムチヤクザ、ウシ〇マ君に出てきそうなドキュンを相手にしなければならない時もある。
辛い職場だが、平和なうちは良い職場だ。
担当「今日も一日無事に終わりましたね！」
部長「次の当番日はチャイニーズマフィアと半グレ入ってくるらしいで」
担当「え、、、最悪ですやん」
担当さんの日常はつづく。