~交番編👮~ 第2話 職務質問①
【 708 】このナンバーを聞いてピンとくる警察官は何人いるのだろう。
警察官は隠語を多用する。
一般人や犯人に職務内容やシビアワードを悟られないようするためなど用途は多用だ。
ただそうゆう隠語は各都道府県によってバラバラだったりするので、一般人にはほぼ解読できないし、悟られることも少ないだろう。
【708】は実際に使われる公式の隠語ではない。
僕がいた警察署の若手のコミュニティで使われていた。
直訳すると「ナンパ」だ。
ある日同じ管轄を担当する先輩からお声がかかる。
先輩「708でも行こか!」
私「708とはなんですか?」
先輩「職質(ナンパ)のことや!早くいくで!」
目が点になりながら当時は、訳も分からず先輩に付いていった。
ターゲットは未成年。
いきなり犯罪者や薬物中毒者と出会う確率は宝くじで一万円あてるくらい難しい。感覚的に。
夜間帯の少年少女の声掛けは言わば、職務質問レベル1。
未成年の子供たちは、補導対象であるタバコやお酒を持ち歩いていることがある。
それを上手く引き出し、逮捕ではなく、補導(保護者や学校に連絡し、注意したり教育を促す目的がある)する。
逮捕ほどハードルは高くないし、年下なので話やすく、良い経験になり、もしかすると薬物所持や重要犯罪に加担している場合もあるので未成年への声掛けは警察官としては、登龍門のような仕事と言える。
早速、未成年らしき女の子3人が公園でたむろしている。
先輩「こんな時間まで、恋バナですか~」
少女「うわっ!佐藤(仮名)やん!」
先輩「なんやねん、うわって(笑)もう23時回ってるでー」
少女「もう帰るからあっち行って!」
先輩「えらい冷たいな!今日はタバコとか持ってへんの??」
少女「もう禁煙した」
先輩「絶対うそやん(笑)取ったりせんからはよ帰れよ~」
少女「はいはい」
先輩「まあ、こんな感じやな。すぐ慣れるわ。最初は、がっつり補導せんでいいから、話ながらあいつらになれるとこからやな、次隣の公園行ってみよか。あいつらおるんちゃうかな😏」
先輩「いたいた。あいつらに声掛けてみて!」
公園にたむろする3、4人の少年たち
緊張?ワクワク感?なにかわからない感情のまま僕は声をかけた。
この職務質問が私の人生を大きく左右する。