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#4 想像満足型ゴブリン

ゴブリンモード(「ゴブリン」とは、ヨーロッパの民間伝承に登場する伝説の生物・悪魔。気難しく悪さばかりする)はその延長線上にあり、深夜にSNSを延々とスクロールしながらポテトチップスを食べるような自堕落なスタイルのことを指す。

Lobsterr Letter vol.154

想像できてしまうと満足してしまう。
成功までの過程を楽しめない。

そんなことがあなたにはないだろうか。
もちろん私にはある。書いていてるのだから当然だ。

仕事では、目の前にあるすべての問題をクリアできて道がひらけた瞬間につまらなくなる。

「そんなことありえない、すべての問題がクリアされる瞬間なんてあるわけない」
と思ったあなたは優秀だ。その通り、すべての問題がクリアされるなんてビジネスシーンにおいてある分けがない。

Aが正しいと実行していたら思わぬことに足をすくわれプランBが必要になる。そんなことを永遠に続ける。
RPGのラスボス戦のようなことは起きない。

そう、優秀な人の頭の中ではね。

ゴブリンは違う。
なぜなら圧倒的に視座が低いからだ。

一度でも、どれだけしょぼくても成功体験を積もうものなら、お先真っ暗霧だらけの案件にも輝かしい未来しか存在しない。
そう、もう私には成功が想像できてしまう。成功したからね。

まー現実はそんなにパキッとしているわけではないのだが、今回言いたいのは想像力の欠如とは視座の低さだ。

結婚を見据えていない片割れには輝かしい現在が、結婚を見据えている片割れには絶望的な現在に見えているかもしれない。
経営視点を持ち合わせていないパンピーには楽しくてしょうがない職場が、赤字彫り続けている経営陣には胃がキリキリする職場かもしれない。

視座が高ければ現実的な絶望が見え、視座が低ければ目の前の絶望に気づかないでいられる。

視座が低いということ、怠惰であるということは、ゴブリンには必要な生存戦略なのだ。

危うく背伸びしてしまいそうな時は、ゆっくり息を飲んで膝をおる。舞台から降りる。

ゴブリンに必要な素質はそういった逃げ腰な性質だ。
嫌なことからは辛いことからは逃げる。
その上で自己固定感は守る。

ちなみに視座が低いと認識できている状況は視座が低くないというメタ的思考を持つ、ひねくれものがいるかもしれない。

それもその通りなのだが、「視座を低く保つ」を意識的に行い続ければ「視座が高い」状態を失う。何故なら視座が高い状態の経験を失うからだ。

人は逃げることで弱く、非力に、社会的能力を失うことができる。

その結果、ゴブリンとなる。

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