【追悼 渡辺雅弘】Girasoul ~聴く者の魂を揺さぶるヴォーカリストMamiと、パーカッシブなカッティングを得意とするギタリスト渡辺雅弘によるアコースティックデュオ 《第6話》
cover photo by Keiji Koizumi
第5話 ↓
2022年1月9日(日)
雅弘がSNSで、前日にYouTubeチャンネル『渡辺雅弘の▷癌癌いこうぜ』を開設したことを発表。
(2022年1月18日よりチャンネル名を『渡辺雅弘の ▶︎がんを越えて』に改題)
頭が真っ白になり「励ましの言葉を送らなければ」と思うも、なんと言ってよいかわからず、迷った挙句に「頑張れよ! 元気になったら飲みに行くぞ。約束だからな」とメールを打つ。頑張っている奴に「頑張れ!」と言うのは失礼なことだと思いながらも、そんな言葉しか浮かんでこなかった。それでも雅弘は「押忍! 頑張ります!!!」と返信してくれた。
がんを患った雅弘は、年明け早々から音楽活動を再開。入院直前の1月3日に「平凡」のミュージックビデオを撮影していた。
2022年1月下旬
入院中の雅弘から電話があった。病状や入院生活を話す声が元気そうで、少し安心した。退院後に、代々木八幡の店で演奏&食事会を開くというので、二つ返事で参加すると伝えた。
2022年2月13日(日)
@代々木八幡 Veggie tempo(Girasoul - 58回目)
2月5日に退院した雅弘を囲んで、演奏&食事会。コロナ禍であることを考慮してごく少人数で開催された。GirasoulとKOHKI、KAKUEIのセッションを聴きながら、友人たちと楽しいひと時を過ごす。こんな日が永遠に続けばいいのに。
2022年2月24日(木)
『渡辺雅弘の ▶︎がんを越えて』が収益化申請を通過。
2022年3月13日(日)
@代々木八幡 Veggie tempo(Mami - 1回目)
雅弘の退院祝いからちょうど1ヶ月後。同じ会場で行われた辻岳人のライブに、Mamiがゲスト出演。
辻岳人はGirasoulと交流の深いギタリストで、ひと月前の演奏&食事会の際にはサウンド面のみならず、フードやドリンクも担当している。
2022年5月18日(水)
この日は東京ゲストハウス王子にて、雅弘のソロとGirasoulのツーマンライブが行なわれた。
雅弘が2ステージ連続で演奏するということで楽しみにしていたが、ゴールデンウィークの連休中にコロナに感染。残念ながら観に行くことができなかった。
2022年7月15日(金)
前年の右膝に続いて行った左膝の前十字靭帯再建及び半月板縫合手術を終えて退院した2日後、雅弘に電話。入院中、自分よりも遥かに困難な手術を行っている雅弘のことを考えることが多かったので。
お互いの身体を気遣いながら、とりとめのない会話が30分ほど続いた。
電話を切った直後に、雅弘から3曲の音源が届いた。8月にレコーディングするソロ作品のリハーサルを録音したので聴いてほしいという。
「パーティは終わらない」「太陽」「いびつ」と題されたそれらの音源は、リハーサルということで演奏は粗かったが、お世辞抜きにすべての曲が素晴らしかった。メールで感想を伝え、「9月に行われるライブに行けるよう、頑張ってリハビリする」と約束した。
2022年9月7日(水)
『新しい酒は新しい革袋に盛れ』
@池袋 手刀(渡辺雅弘 - 11回目)
手刀で雅弘主催の『新しい酒は新しい革袋に盛れ』。もともとは高哲典が企画していたイベントを、雅弘と交互に主催しているという。
トリを務めた雅弘の歌に力強さを感じて、泣きそうに。
2022年11月15日(火)
木曜會のメンバーと高田馬場の鳥やすへ。新宿スポーツセンターで柔術の練習を行った際に訪れる我々の聖地。
久々に雅弘や木曜會の連中と、鳥やすで楽しく飲み食いできたことがたまらなく嬉しかった。
(もちろん雅弘はノンアルコールだったけど)
雅弘は、11月に2本のライブ(23日、30日)を行っているが、膝と腰の調子が思わしくなく、どちらにも顔を出すことができなかった。
2022年12月28日(水)
雅弘のことを書いた音楽サイト『ヂラフマガジン』の企画記事「2023年、最注目アーティスト発表! 音楽ライター本気推しの1組は?」が18時に公開されたことを、LINEで報告。雅弘はとても喜んでくれた。
(つづく)
第7話 ↓