【追悼 渡辺雅弘】Girasoul ~聴く者の魂を揺さぶるヴォーカリストMamiと、パーカッシブなカッティングを得意とするギタリスト渡辺雅弘によるアコースティックデュオ 《第1話》
2023年4月25日に急逝した渡辺雅弘。
雅弘が遺した楽曲を歌い続けることを表明したMami。
事務所に所属することもなく、自分たちのペースで活動するGirasoul(ジラソウル)。
彼らの音楽に魅了され、可能な限りライブに足を運んだ。改めて数えていないが、ここ10年間で最もライブを観に行ったのは、間違いなくGirasoulだと思う。
ふたりと出会ったのは、2012年。日射しの強い夏の日だった。
cover photo by Keiji Koizumi
2012年8月19日(日)
『下北沢一番街阿波踊り』
@下北沢一番街 特設ステージ(Girasoul - 1回目)
休日出勤を終え、新代田Feverで行われるBBのライブを観るために、新宿駅から小田急線に乗車。元COCOBATの Ryuji(vo)が、WRENCHの坂元東(g)、MINOR LEAGUEの駒村将也(b)、広野与一(ds)と結成した新バンドの初ライブということで、期待に胸を弾ませていた。
思いのほか仕事が早く終わり、Feverのイベントまでかなり時間があったので、下北沢でレコード屋をチェックすることに。
南口の改札を抜け、ディスクユニオンに向かって歩を進める。当時、レコードを掘るのは日課のようなもので、首都圏を中心にチェーン展開するディスクユニオンには少なくとも週に5回は通っていた。新宿に行こうが、渋谷に行こうが、池袋に行こうが、最初に向かうのはディスクユニオン。90年代半ばから2015年くらいまで、それが習慣になっていた。
マルシェ下北沢(本多劇場の裏側)を通過したあたりで、力強い歌とギターのカッティングが耳に飛び込んできた。音が聞こえてくる方向に目を向けると、踏切の向こう側で下北沢の恒例イベント『一番街阿波踊り』が開催されていて、簡易的に設営されたステージでライブが行なわれていた。しかし、演奏者の姿はこちら側から見えない。当時の下北沢には開かずの踏切がたくさんあり、オオゼキというスーパーマーケットの左側にあるその踏切もなかなか開かないことで知られていた。
2分ほど待ってみたものの、踏切は開かなかった。BBが出演するイベントには余裕で間に合うが、脳内で組み立てていたレコード屋巡りのスケジュールを考え、一度はディスクユニオンに向かって歩き出した。だが、数歩進んだところで再び聞こえてきた伸びやかな歌声がそれを許さなかった。踵を返し、再び踏切が開くのを待つ。
途切れることなく行き交う列車にさえぎられながら踏切越しに2曲聴き、最後の曲の途中でようやく遮断機が上がったので、急いでステージに駆けつけた。ありがたいことにアンコールがあり、共演ミュージシャンたちを加えたセッションを聴くことができた。
終演後、ヴォーカリストに声をかけ、HANDSというNPO法人とのコラボCD『Hands to Hands』を購入。2曲入りのCD-Rもいただいた。ヴォーカリストがギタリストを呼んでくれたので、ふたりにライブスケジュールなどを教えてもらい、また観に行くと約束して立ち去った。
GirasoulのMamiと渡辺雅弘に出会ったあの日のことは、今でも鮮明に覚えている。照りつける太陽がまぶしかったことも。
(つづく)
第2話 ↓
第3話
https://note.com/gobe_vinyl/n/n74e9d4efe729
第4話
https://note.com/gobe_vinyl/n/n074ef08face9
第5話
https://note.com/gobe_vinyl/n/nad26480b6ce5
第6話
https://note.com/gobe_vinyl/n/n76b4d2455036
第7話
https://note.com/gobe_vinyl/n/n3aa01075f2da
第8話
https://note.com/gobe_vinyl/n/nfe1dcac861f7
第9話(最終話)
https://note.com/gobe_vinyl/n/n51b1d52e37dc
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