ボールキープという役割
ベティス対バルサ戦を分析して、「一対一で絶対に逃げない選手」が少ないと感じました。
根本的なところをストレートに言えば、シャビやイニエスタクラスの中盤がいないという事です。
相手がプレスを仕掛けてきても、一対一で絶対にパスで逃げたりせず
相手の足が止まるまで十分にドリブルでキープし、状況を落ち着ける選手が必要です。
それが、アルトゥールでありデヨングであるはずなのですが
やはり、現段階ではシャビやイニエスタには到底及びません。
しかしそれは、どうしようも無い事なのです。
試合の終盤アルトゥールが試合に出た時
彼は自分の一番の武器である「キープ力」を前面に出したプレーをします。
知っているのでしょう、マンツーマンを最も無力化するのが
「一対一を制する」事だという事を。
ある程度のスペースがある場所という状況で
一対一で、まず負けない能力を有した選手。
ボールに先に触る事さえ出来れば、
3~4秒は確実にボールをキープ出来る選手。
屈強な選手が牙を剥いて襲い掛かっても
ひらりひらりと交わす事が出来る選手。
むしろ、その状況を好む選手。
そういう選手が今少なすぎる。
デヨングもそういう時は少しシャイですし、
アルトゥールでさえ、もっともっと繰り返してほしいです。
「アルトゥールに取りに行っても痛い目を見るだけだから」と言って
相手が諦めるくらい。
出来るかどうかはわからなけど
「絶対に逃げるパスを使わない」という気持ちで全てのタッチでプレーしなければ、いつまでたってもシャビ、イニエスタ、メッシの役割にはなれません。
この様なプレーは様々なメリットがあります。
・相手が飛び込んでこなくなる
交わされた経験から、相手は飛び込めなくなります。
・ポジショニングの精度を上げる事ができる。
稼いだ時間でポジションを微調整したり、ポジションチェンジする時間を作りだす事が可能。
・プレスのノッキングさせる
強度の高いプレスは、ある種の脳内物質であるアドレナリンの分泌があると思います。アドレナリンの作用として
鼓動の高鳴り、筋肉の血管の拡張、呼吸効率の上昇、立体視力の向上
ハイプレスを抑制する為には、
如何にして「相手にアドレナリンを出させないか?」という部分が
重要なファクターになる。
・ファールをもらう事ができる
相手のプレスの強度が高ければ高いほど、ドリブルでキープをすると
ファールをもらう可能性が高まります。
痛みを訴えたり講義する事によって、
さらに数分間延長し時間を止める事が出来ます。
稼いだ時間で様々な恩恵がある
・相手のアドレナリンの濃度を抑え疲労に気づかせる
・集中力の低下
・インテンシティの低下
・審判への抗議
・ミーティング
特にミーティングは効果的で相手がハイプレスで来たのなら
まず、ファールを受けてミーティングに持ち込むべきです。
マークやブロック等の状況を共有し、解決策や打開策を伝え共有できるのと出来ないのとではその後、局面は大きく変わります。
ベンチも含める事が可能で、サイドバックやウィング等の伝達役を通じてベンチも含めて最適解へ導くことが出来ます。
ここで稼いだ時間で、「どれだけ状況を把握し解決策を即座に出せるか?」それこそが戦術力であると思います。
戦術力のあるチームは、相手の状況に合わせ何度もミーティングし
監督、スタッフ、選手で戦術を共有している。
時間が経つにつれ有利に試合は運ばれて行き、チームが成熟すると
戦術変更の為のミーティングはする必要がなくなり、
最後のフィニッシュの場面の仕掛け等を共有する。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?