「マリー・ローランサンとモード展」
私はマリー・ローランサンの夢見るようなガーリーな作風が大好き。それに惹かれて見に行きました。
良かったポイント
流行画家マリー・ローランサンとファッションデザイナー、ココ・シャネル。
後に狂騒の時代と呼ばれた1920年パリで才能を開花させた2人の女性。それぞれの対照的な作風と、当時の交友関係から広がるアートとファッションの交わりを知ることができた。
また、アール・デコの興隆を含む時代背景、
その時代の波に押され、女性の仕事と軽んじられていた挿絵や服飾などの装飾芸術が、広く認められていく過程を学べた。
マリー・ローランサンについて
第一次大戦中スペインに亡命。1921 年パリに戻る。
戦前からのパステルカラーの作画スタイルは完成度を増し、社交界の中心人物であったグールゴー男爵夫人の肖像画が好評を呼んだ。彼女に描かれることは社交界で憧れの的となる。
グレーがかったパステルカラー、中でもよく使われるのはピンク。甘くて儚げな女性美が特徴的。
筆使いも柔らかく、描かれる動物は丸みを帯びており、絵本のような優しい印象を与える。
ココ・シャネルについて
ローランサンと同じ1883年に生まれ、帽子デザイナーとしてキャリアをスタートさせたシャネル。
当時帽子はファッションを完成させる重要アイテムで羽根など仰々しく飾り付けられているのが普通であったが、シャネルは華美な装飾を取り払ったデザインで評判を呼ぶ。
帽子だけにとどまらず、動きやすいジャージ素材を使用した実用的な服を打ち出しこれまでの女性ファッションを大改革した。
リトル・ブラック・ドレスなど時代を代表するスタイルを作り出す。
2人の関わり
上流階級の婦人たちの中でローランサンに肖像画を依頼することが流行、シャネルも自身の成功の証に肖像画を依頼する。しかし、出来上がりに不満を抱いたシャネルは描き直しを要求。
ローランサンはこれを拒否し、シャネルも肖像画の受取を拒否した。
こちらがその肖像画
線が細く優美な印象
悩ましげに眉根を寄せておりコケティッシュにさえ見える.
ローランサンらしい甘美な女性像が、自身のイメージにそぐわないと感じられたのかもしれない。
構図としては腕や鳥、ソファー、首に巻いたスカーフ、壁の色遣いなど全てのモチーフが憂いのある表情へと視線誘導されており考え抜かれたレイアウトであることが分かる。
ローランサンは後に、「シャネルはいい娘だけど、オーヴェルニュの田舎娘よ。あんな田舎娘に折れてやろうとは思わなかった」と語る。
ローランサンはファッションに対して人一倍強い関心を持ち、肖像画の受取拒否したシャネルとの関係はギクシャクしたがカンボン通りの帽子店には後にも足繁く通っていた。
アパルトマンの廊下には何十足もの靴が並べてあったそう。
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美しく優しく甘美な世界感はとりわけ日本人に人気があります。私もうっとりと浸り、グッズを購入して帰路につきました。
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