見出し画像

"プロトタイプパートナー"との共創から生まれた白いデスク - POLAR

白いデスクを作るなんて思ってませんでした。
そう、あの頃は…

・・・・・・

先日「DESK - POLAR」という新しいモデルの販売を開始しました。

DESK - POLAR / FlexiSpot E7

これまで販売していた「DESK - METRO」や「DESK - FOREST」とは打って変わって、ホワイト系の明るい印象のデスクです。

とてもブラックな天板の DESK - METRO / Steel Straight
ダークブラウンな木天板の DESK - FOREST / FlexiSpot E7

このnoteでは、PREDUCTSの「プロトタイプパートナー」との取り組みと、その共創によって生まれた「DESK - POLAR」についてご紹介したいと思います。

1. トバログさんとLeica

それは2021年12月3日、1年半準備を進めてきたPREDUCTSのブランド立ち上げについてnoteでお披露目をした日のこと。

私が長年、ガジェットのレビュワーとして一方的に信頼しているトバログさん。そのトバログさんがPREDUCTSのデスクに言及してくださっているのを見つけました。

話が逸れますが、私がPREDUCTSの商品写真を撮影するのに愛用しているLeica SL2-S。

PREDUCTSのブランドを支えているカメラ、と言っても過言ではありません。何しろPREDUCTSの立ち上げのために買ったので。

商品写真を撮影するために導入を検討しましたが、高価な買い物なので、購入する際にそれなりに悩みました。実は最終的に決め手になったのがトバログさんのブログでした。

私をSL2−Sに導いてくれたトバログさんが、そのSL2−Sで写真に収めたPREDUCTSについて言及されている。

「これは何かのお導きではないか。」
そう感じた私はDMで初めてトバログさんにコンタクトを取りました。


2. 白いデスク、あったらいいですね

私が敬愛するプロダクトに造詣が深いトバログさんに、率直なフィードバックをもらいたい。そしてあわよくばデスクを使ってもらいたい、そんな下心を胸に秘めつつ、PREDUCTS DESKの全容を紹介しました。そして私の目論見は次の一言で敢え無く撃沈しました。

「白いデスク、あったらいいですね」
(※意訳: 白いデスクじゃないと使えません)

そう言えばそうでした。
トバログさんと言えば白いガジェット界の御大。しかし、まだこれからローンチも控えている段階で、新しいモデルについては考える余裕すらない…

そんな状況だったので、この時は「またお声がけさせてください」とお伝えして終了。


3. 白いデスク、一緒に作ってください

その後、12月21日に遂にPREDUCTSは運命のローンチの日を迎えます。するとトバログさんが、またもやこんなコメントをくださっている。

ホワイト × ライトグレーが待たれる
なんだか具体的。これはもうトバログさんの中にはしっかりとイメージがありそう。という訳で、再度ヒアリングを打診。

詳しく伺ってみると、ビジュアルや質感としてはかなり具体的なイメージを持っておられ、それをPREDUCTS DESKとしてどう実装するか、仕様を詰めていけば形になりそうでした。

また、お話を伺っていく中で会話の端々に「単に白いデスクを作ればいい訳ではなく、全体の世界観を考慮してデザインする必要がある」ということを仰っていたように、何となく感じました。

そして、それは主に黒いものに囲まれている私にとっては理解が難しく、トバログさんの知見が絶対に必要である。そう思ったため、PREDUCTSのプロトタイプパートナーとなっていただき、一緒に試作をしていくことになりました。


4. プロトタイプパートナーとは?

ところで、プロトタイプパートナーなのですが、これはPREDUCTS独自の呼称で、以下のように定義しています。

プロトタイプパートナーとは
高い専門性を持つプロフェッショナルと共同でプロトタイプを開発し、その制作の過程を通して得られたフィードバックから製品開発に発展させていく試み。

PREDUCTSは"「いい仕事」を生み出す道具のメーカー" を掲げており、様々な領域の方のお仕事を支える道具作りをしたいと思っています。

しかし、残念ながら私達の知見だけでは多岐にわたる高い専門領域のお仕事をサポートすることはとても難しい。そこで、外部のプロフェッショナルの協力を得ながら製品開発を進めていくために、プロトタイプパートナーの仕組みを設けました。

そしてこの取り組みの第1号がトバログさんです。


5. オンラインでハイスピードの共創

素材・カラーの選定や機能要件など、トバログさんとはすべての意思決定をオンライン上で行いました。

イメージをBlenderでビジュアライズしていただき、お部屋とのマッチングを確認
デスク下にPCを吊るためのモジュールも一緒にデザイン
サンプル素材を両者で共有し、選定のための意見交換をする

物理的な距離を隔てたトバログさんと私の間は、情報と素材・プロトタイプだけが行き来し、とうとう一度もお会いしたことが無いままプロトタイプの完成まで至りました。本当にすごい時代です。

約1ヶ月に渡って仕様をまとめ、プロトタイプの製造に入りました。そして更に1ヶ月後に完成したのがこちら。

トバログさんのYouTubeでもご紹介いただきました。テンポの良さや切り取っていただいた機能など、本当に最高なので、ぜひご覧ください。


6. 白いワークスペースのプロフェッショナル

出来上がったデスクの実物を見て、贔屓目に見ても素晴らしい出来のデスクでした。これはもう、すぐにでも自分で使ってみたいほどのクオリティでした。

そして我慢しきれず、自宅のワークスペースを白モデルにリプレース。

しかし、何でしょう。この白いのに何となく重い感じ。トバログさんの爽やかなワークスペースとは明らかに何かが違う。

そうです。私の手持ちのモニターやスピーカー、キーボードに至るまでことごとく白いデスクに合っていないことが、実際に使ってみてはじめて判りました。

また、色々と白系のガジェットを試しく中で、このデスクの化粧板に使っている薄いグレーは、絶妙に白いガジェットを際立たせる色であることが判りました。

そして、天板の上でブツ撮り写真を撮っても、とても見映えする。シャドウの落ち方がとても良いのです。

振り返って、このデスクは私が自分で「白いデスクを作ろう」と思っても到底たどり着けなかったでしょう。

大袈裟に聞こえるかもしれませんが、長きに渡って膨大な白いプロダクトの目利きをし、白い空間を突き詰めてきた人にしか理解し得ない感覚なのだと痛感しました。

改めて、トバログさんにこのデスクのデザインをお願いできて幸運だったと思っています。


7. DESK - POLAR / "極地"という名のデスク

こうして、素材は全く同じままで、PREDUCTS DESKの量産モデルとして完成したのが DESK - POLARです。

実はPREDUCTSのDESKシリーズのネーミングは、METRO = 都会、FOREST = 森といったように「場所」を元に名称を付けています。、POLARと名付けたのは白クマ(POLAR BEAR)というように北極を連想しますが、元は「極地」という意味があります。

「トバログさん = 白を極めた人」というリスペクトも込めて、ダブルミーニングのこの名前にしました。


8. プロトタイプパートナーの「眼」を通して見る新たな世界

前述した通り、このnoteを執筆した時点では私は自宅でPOLARを使っています。人生で初めての白いデスク。とても新鮮な気持ちで過ごしています。

一方で、いざ白いガジェット類に目を向けてみると、マーケットに黒系のものに比べて圧倒的に選択肢が少ないことが判ります。これは新たな視点でした。

PREDUCTSのモジュールについても基本は黒が中心となっており、実際に自分でPOLARを使ってみると、モジュールとしての不充分さが実感できました。今後、白のバリエーションも充実させるために急いでいる段階です。

専門性の高い外部のプロフェッショナルと協働することで、私達はその「眼」を通して、新たな世界に視野を広げることが出来ます。

今後も様々なプロフェッショナルと協力しながら、PREDUCTSがもっと多くの方の「いい仕事」に寄り添えるメーカーになって行きたいと思っております。


9. 余談: PCホルダーも作ってます

トバログさんとのプロトタイピングの中で、もう一つ製品開発に繋がったプロダクトがあります。「汎用PCホルダー(仮称)」です。

映像編集や3Dグラフィックに取り組んでおられるトバログさんは、かなりハイスペックな自作PCをご使用。昇降デスクを使っている都合上、天板上にPCを置かれていましたが、作業中の圧迫感が気になっていました。

そこで今回、白いデスクのプロトタイプと共に、天板下に自作PCを吊るための専用PCホルダーを設計・試作しました。

30kgのPCをマウントする特別仕様

これを元に、様々なサイズのPCをマウントできる、サイズバリエーションを備えた汎用的なPCホルダーを現在、制作中です。

サイズバリエーション展開でバッテリーなどもマウントできる

少々制作が難航しておりますが、近いうちにお知らせできると思います。

ではまた。

もし参考になりましたら、「スキ」ボタンをよろしくお願いします。              👇