Adobe Summit 2019の見どころ解説 - #AdobeSummit
いま私は3月26日より開催されるAdobe Summit 2019に参加するためにラスベガスに来ています。
今回Adobe Summit Insiderとしてご招待いただき、一週間に渡ってSummitの見どころやニュースをレポートしていきます。
そもそもAdobe Summitとは何なのか?Adobe MAXと何が違うの?
近年のAdobeのイベントは話題盛り沢山で多くの注目を集めていますが、よく聞くAdobe MAXとAdobe Summitは何が違うのか整理してみます。
Adobeの製品ソリューションは、大きく以下の3つのクラウドソリューションに分類されています。
1. Adobe Creative Cloud
おそらく今読まれている多くの方が使っているのではないでしょうか。PhotoshopやIllustrator、Lightroom、Premiereなどグラフィック、動画制作向けのクリエイティブ系のプロダクトを統合したクラウドソリューション。
2. Adobe Document Cloud
ご存知ドキュメントのデファクトスタンダードとして皆が使っているPDFを中心にしたドキュメントソリューションです。
3. Adobe Experience Cloud
そして割と知られていない、または名前は聞くけど具体的にどういったプロダクトがあるのか、知らない人も多いマーケティングやデータ分析系のプロダクトを統合したクラウドソリューションです。
Adobe MAXはクリエイティブ向け、Adobe Summitはデジタルマーケティング向けのイベント
上の3つのクラウドソリューションに照らし合わせると、Adobe MAXはAdobe Creative Cloudを扱った、クリエイティブ向けのイベント。
そしてAdobe SummitはAdobe Experience Cloudを扱うデジタルマーケティング向けのイベント。と棲み分けする事ができます。
こうして書くと、Adobe MAXの方がクリエイター向けで華やかなイベントのような雰囲気で、Adobe Summitはどちらかと言うとお固い、企業向けのイベントという印象が無いでしょうか(私はありました)
ですが、Adobeの行く末を想像するとAdobe Summitこそが今注目すべきイベントだと考えています。その理由を説明していきます。
Adobe Summitの歴史
Adobe Summitの歴史を紐解くと、2009年にAdobeが18億ドルで買収したOminituireが毎年行っているOminiture Summitが前身です。
買収翌年の2010年はOminiture Summit 2010という名称だったものの、翌2011年にはAdobe Omniture Summitとなり、2012年のAdobe Digital Marketing Summitを経て、現在のAdobe Summitという名称に定着しました。
急拡大するAdobe Summitのイベント規模
2017年から2018年は横ばいであるものの、2019年は前年の約1.4倍の規模に急拡大しています。そしてこれは2018年のAdobe MAXの動員数14,000人を上回っています。
2018年にMagentaというコマースプラットフォーム、MarketoというB2Bソリューションの2社の買収があった事も関係しているとは思いますが、デジタル変革の為のプラットフォームへのニーズが急速に高まりつつある事が背景にあると感じています。
Adobe Experience Cloudが持つプロダクト群
ここでAdobe Experience Cloudのプロダクト構成を見てみます。
・Adobe Advertising Cloud
・Adobe Analytics Cloud
・Adobe Marketing Cloud
・Adobe Commerce Cloud
これら4つのソリューションによってAdobe Experience Cloudは支えられています。
なぜAdobe Summitこそが注目すべきなのか
ではなぜ私がAdobe MAXよりもAdobe Summitの方に注目しているかというと、以下の2つの理由です。
1. Adobe Senseiにはインプットが必要
ここ数年、Adobe MAXではAdobe SenseiによるAIを活用した、ユーザー毎にパーソナライズしたクリエイティブのコンセプトが大きなニュースになっています。しかしAdobe Senseiがクリエイティブをアウトプットするには、元になるユーザーの行動履歴・現在のステータスに纏わるデータ前提になります。つまりAdobe Senseiを動かす為のデータ基盤があってはじめて実現可能なのです。
2. ユーザー体験の連鎖こそが重要
現在の企業活動において、単体のクリエイティブのパワーよりも製品とユーザー間の多岐に渡るタッチポイントにおける体験の連鎖の方が重要になりつつあります。そのためには単発で強力なクリエイティブを撃つよりも、普遍性を持ち、どのタッチポイントでも一貫した体験の提供が必要になります。それにはユーザー体験を管理するプラットフォームが必要なのです。
Customer Experience Management - 体験の管理
Adobe Summit 2019は”Customer Experience Mangement”がキーワードになっています。ユーザー体験の連鎖、これをどうマネージしていくかが今後の企業活動における大きなタスクになっていくでしょう。
こうした視点でAdobe Summitをウォッチしていくと、これからのUXのデザイン設計の参考になる事も多いかと思います。
引き続き、現場からAdobe Summitの情報を発信して参ります。Twitterでも随時発信しているので是非フォローして下さい。
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