命を扱っているからこそ、毎日おどけてくれるんだ
生きていく上で、楽しいこともあれば悩ましいこともたくさん。そんな女性の悩みを、専門家に質問していくYoutubeチャンネル「GOAL IN TV」。番組を盛り上げてくれている出演者の一人、マルチタレント・わさびさんのコラムです!自分の人生を楽しく生きるためさまざまなことに挑戦する彼女の生き方についての連載。
うちの旦那くんが入院し、親知らずの手術をして帰ってきました。
「親知らずで入院?」と驚かれる方も多いと思います。
親知らずって普通、歯医者さんに通いながら一本ずつ抜くものですもんね。
毎日時間に追われている我が家では、相談を重ねた結果、お医者さんの勧めのひとつだった「4本一気に手術で抜歯」を選択しました。4本一気に抜くのって、結構珍しいことらしいです。
でも「4本一気に手術で」って言ったって、たかだか歯を抜くだけでしょ? そう思っていたのです。
それが、設備の整った大きな病院に入院して、全身麻酔を使った数時間のオペが続くから家族は仕事休んで立ち合って下さいと。
手術後、本人に聞いたら「実は血が止まらなくて、電気毛布にくるまれてたのにガクガク震えて・・・。体温が35度まで落ちたメーターを見て、ちょっとヤバいかもって思った」そうなのです。
えー怖い!それドラマでよく見る出血多量で低体温症になる入口のやつじゃん。いや、歯抜くだけで命懸けじゃん!!!
麻酔が切れると激しい痛みに襲われるそうで、痛みと気管に溜まった血の息苦しさで手術後はマトモに眠ることもできず、退院した今も流動食手前のペースト状の食事しか取ることができていません……。
抜歯した本人も、パンパンに腫れあがりあまり表情の変えられない顔ですが「え、こんなにツラいの?」ってびっくりしているんだと思います。結構大ごとじゃん、抜歯!!!
そんなこんなで、実は意外と一大事だったことが今わかった親知らずの抜歯ですが、今回手術に立ち会って改めて感じたのが「お医者さんや看護師さんって、患者さんや家族を安心させるために意識的にユーモラスなトークをしてくれてるよなあ……」ってことでした。
今回の術前術後に色んな説明をしてくれた女性看護師さんは、私がオペ室までの道順を確認したら「迷子になってたら、ちゃんと捜索に行きますからぁ!」と明るくおどけてくれました。
おかげで私は大病院の手術室前で一人で待つという緊張から、ふわっと解きほぐされたのでした。たぶん私よりずっと歳下だと思います。きっととても優秀な看護師さんだと思います。
癌だった母を看取ってくれた主治医の先生も「ノリのいい、面白おじさん」でした。まだ若かった私は、最初「この先生、方面の権威らしいけどいつもふざけてるな……大丈夫か?」そう思っていたんです。
だけど7年間の闘病生活の中で、母がその先生に毎日笑わされているのを見てわかりました。ああ、この先生はわざと患者や私たち家族に、ユーモラスに接してくれているんだ。
確かに、命を預けているドクターや看護師さんが疲れた顔をしていたり、深刻な表情を浮かべていたら、私たちはそれを見ただけで不安な気持ちになってしまいます。
命を扱っているからこそ、毎日おどけてくれるんだ。
人を救う技術を持ちながら、患者や家族の心のことまで考えていてくれる。日本を支える優秀なドクターや看護師さんに、万歳三唱です!
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