私達は埋没に憧れ、カマバレを恐れて生活している【乳桃みゆは女に戻りたい vol.16】

生きていく上で、楽しいこともあれば悩ましいこともたくさん。そんな女性の悩みを、専門家に質問していくYoutubeチャンネル「GOAL IN TV」。番組を盛り上げてくれている出演者の一人、乳桃みゆさんのコラムです！「女性に戻って、結婚したい」そんな目標に向かって頑張る彼女の姿をお届けします。今回は、カマバレの話。

ごきげんよう、乳桃みゆです。(湯切り)

いきなりですが、トランスジェンダーの中では本人の望む性別で支障なく社会生活を送れてることを「埋没」といい、ニューハーフとバレてしまうことを「カマバレ」といいます。私達は埋没に憧れ、カマバレを恐れて生活しています。

けれどまぁ…難しいですよねぇ…。やっぱり骨格や身長やら声やら明らかに違ってくるじゃないですか。自分の意思とは反してるし、制御もできないし。

それでも自分の望む性別に合わせた身なりをして出歩いてみるけど、街で異質な存在と見なされている視線を浴びることも。そのときは居心地の悪さマックスハートですし、何もしてないのになんでこんな肩身狭い思いしなきゃならんのだ、となります。

知り合いがドラッグストアでシャンプーを探していたとき、見つけられなかったので店員さんに聞いたら、ジロっと見られ「男性用のはあちらにあります」と言われたそうで。わー、心えぐるぜ。

そういうときって「なにがダメだったんだろう」って考えますよね。やっぱ声かな、とか。私は私！！と強くいられるならそうしたいし、もうやってるだろうけど、そうはいかないです。

だいたいの人は、男か女かに強引にでも分類したがるものなんじゃないかなとって思います。背が、骨が、声が、笑い方が、性格が男だねって。男の部分を見つけようとするんです。なんだよ性格が男って。間違い探しされてるみたい。

別に間違いなんてなにもないですよね？そもそも人に言われる部分って、自分で毎日鏡で見て既に自分が散々悩んでる部分だったりするじゃないですか。

整形すれば少しはマシになるかもしれない、と思う気持ちもすごく分かります。

ホルモン、脱毛、睾丸摘出はMtFトランスジェンダーのほとんどの人にとって必須だとして、他には豊胸や声の手術、喉仏を削る、額や頬骨にプロテーゼやヒアルロン酸を入れて丸みをだして女性らしく見えるようにしたり、エラや上下の顎の骨を削って顔小さくしたりするということも叶います。

ただこんな風に書くのは簡単だけど、費用のことは考えたくないほどかさむことは明白だし、痛いし危険だしメンテナンスもあるし例えやりたくても簡単にできるものじゃない。

世の中には全部できちゃう人もいるけど、人に言われてか自分で考えこんじゃってか、天然物と人工物だから違うなんて悩む可能性もありますし男性だったという過去は変えられないですしね。

そりゃ病む人は多いよなぁと納得。

他人の見た目のことをとやかく言ってくるけど、その見た目を変えることに関しては誰もなにもしてくれないって怖いですね。

元気に生きていくためにはどうしたら良いですか？葛藤と修行ですね。やるっきゃないですけど。

別に見た目とか美に対する興味がそこまでなくても、現時点で必然的にいろいろとしなければならないことになっちゃってるので、皆ができるところまでは頑張ります。

とりあえず女性ホルモンの錠剤飲むかな、オーバードーズ注意で。

自分の望む性別で生きたいけど、身体の成長は自分ではどうにもできないし、変えたくてもお金がかかる……。本人たちがいっぱい悩んできていることだから、「他人がとやかく意見しない」「じろじろ見ない」ということに尽きるのかもしれません。

乳桃みゆさんの情報はこちらでも発信中です。Twitter / instagram / note

乳桃さん出演の動画は現在、全3本！