踊る大捜査線が完全に死んだ日。
「室井慎次 敗れざる者」と「室井慎次 生き続ける者」の重大なネタバレを含む感想なので嫌な人はブラウザバック推奨。
では続けます。
室井慎次が死んだのだ。
びっくりした。
明確に死んだところは描かれていないが流石にあの演出で「死んでませんでした~!」はファンタジー世界でしか許されないし、もしそうだったら失望する。
室井慎次が死に、エンドロールが流れ、最後にサプライズとして青島俊作が出て、こんな言葉とともに映画は終わる。
THE ODORU LEGEND STILL CONTINUED…
つまりこれからも新作を作る気満々ってワケ。
「織田裕二と柳葉敏郎の不仲説」というのは踊るファンならば一度は耳にしたことがあると思う。
これが続編が作られない理由とも言われていた。
しかし、どこかの映画を作ったタイミングで柳葉敏郎が否定していたと思う。
もともと不仲ではなかったか、関係性が悪い時期はあったが今はそんなことはないだったかは覚えていないが、いずれにせよ大丈夫ですよ、と。
そして最新作で室井慎次が死に、その後に青島俊作が出てくる。
劇中、二人は一切コンタクトしないし、室井慎次が死んだ以上これからもその可能性はなくなったと言えるだろう。
今後、踊る~において織田裕二と柳葉敏郎の共演はなくなったのだ。
踊る新作(室井2作)作成にあたって、柳葉敏郎は出演に難色を示したと記事で読んだ。
表向きは「もう室井慎次を演じるのは難しい」とかだった気がするが、結局は織田裕二とのわだかまりが解消してないんじゃないか?とどうしても邪推してしまう。
フジは踊るの新作を作りたいのでオファーをする。
だが柳葉敏郎が織田裕二と共演したくないので難色を示す。
じゃあ室井慎次主役映画で織田裕二は出しません、最後に室井慎次は死ぬので今後も共演は発生しませんとする。
柳葉敏郎もそれならば、とOKする。
こうじゃない?
って考えない?普通に。
ともあれ、踊る~のこれからの作品では室井慎次が存在しない。
流石にキツい。
個人的に和久さんが居なくなった時点で相当キツかった。
実際、いなくなった映画3作目以降は面白くないと思っている。
時代は流れ、役者の高齢化が進み、亡くなった人もいる。
この状況でかつての踊る~が作れるとは思えないのだ。
面白かった踊る~は、脱サラで刑事なりたての青島が、青臭い正義感で突き進み、ときに上層部とぶつかり合いながらも事件を解決していく、そういうところにあったと思っている。
そんな青島ももう50半ば。
この年齢で同じようなことしてたら流石にヤバい。
これに加えて室井慎次もいない。
踊る~のもう一人の主人公とも言えるキャラクターがいない。
この状況で作られる踊る大捜査線が面白くなるとはとうてい思えない。
だから、踊る大捜査線が完全に死んだ日と思ったのだ。
頼むからもう眠らせておいてほしい。
わざわざ墓を掘り起こして駄作を作られるのはたまったもんじゃない。
室井慎次2作の細かな感想とか。
Xでもポストしたが、踊る大捜査線ならではの面白さを期待すると痛い目を見る。
今作は徹頭徹尾、「室井慎次というキャラクターの生き様」を描いた作品である。
ヒューマンドラマとも言うべきか。
前編「敗れざる者」ではとにかく色んな要素を出してきた。
里親になった二人の子ども
自宅目と鼻の先で見つかった変死体
日向真奈美(小泉今日子)の娘の登場
露骨すぎる村八分
などなど。
「敗れざる者」の時点で面白くないとは思っていたが、もしかしたら「生き続ける者」で上記の物事が変死体事件に繋がっていくのでは…!?と考え、もしそうだったら化けるぞこの映画とも思っていた。
そして「生き続ける者」でこれら全部があっさり解決してしまった。
なんだこれは。
変死体事件は予想通り出所したレインボーブリッジ事件仲間内での揉め事でした。
警察に電話してきたときに独特なサイレンが聞こえたので住所特定して逮捕したよ!
無罪を主張してたけど室井さんが「被害者にも家族がいるんだ」と諭しただけで落ちたよ!
日向真奈美の娘はなんだったの?室井さん家の近くに死体を埋めたのはなんでなの?
日向真奈美が室井への嫌がらせでさせたんじゃないか(推察)。
村の者が室井に厳しかったのは?
A「子どもと仲良くしてたのが羨ましかった。」
B「自分も実は外から来たものなんだ、キツくしてごめんね。」
えぇ……。
心底がっかりした。
そしてトドメの室井慎次の死。
猛吹雪の中、愛犬を探しに行ったら遭難して死んだ。
嘘だろ。
冗談かと思った。
結局犬の鳴き声で見つかったんだけど、犬探しに行って遭難してその犬の鳴き声で発見されて死んでた。
室井慎次の最期がこれかぁ…。
劇場で結構鼻をすする音が聞こえたので泣けた人は泣けたのかもしれない。
しきりに犬の動向を無線で伝えてたので愛犬家には響いたのかもしれない。
「犬が室井の亡骸から離れない」という無線通信はかなり心を揺さぶってそう。
自分は犬嫌いだからカラッカラでしたけど。(それまでの出来の酷さも相まって)
でも実際、愛犬の秋田犬はとてもいい仕事してたとは思う。
犬嫌いではあるけど、可愛い犬だな~と思うくらいには随所でいい仕事してた。
だから犬好きには結構くるものがあったかもしれない。
新城(筧利夫)や沖田(真矢みき)、どっちも室井寄りになってたのもちょっとびっくりしたなぁ。
新城にいたっては青島と室井の理想を実現すべく、本部長となった秋田県警でモデルを作って運用、それを全国展開していくぞ!なんてことをしようとする。
…それ、室井がすればよかったんじゃない?
青島との約束が果たせなかったから警察辞めました~よりも、たとえ地方に飛ばされてもこうやって活動しようとすればよかったんじゃないかとめちゃくちゃ思いました。
踊る~が大好きだっただけになんかこうぶちまけたくなって書き殴りました。
踊る~キャラの動向がわかったのは…いいのかもしれない。
映画4作目で「恩田すみれは実は死んでいたのでは」みたいなオカルト説が生まれてたけど、劇中でちゃんと
・恩田すみれは生きている
・警察は辞めた
・家族がいる
という事実が明かされた。
家族って誰なんでしょうね~?