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#1 未来言語って何だ?|どんな人でも理解可能なコミュニケーションを考える
はじめに
こちらの記事に書いたように、私は未来言語ワークショップに参加したことがあります。それから少し経ちましたが、改めて「未来言語」というものについて考えてたいと思い、記事を書くことにしました。
100BANCHとは
未来言語を知ってもらう前に「100BANCH」について知ってもらいたいと思います。
100BANCHとは、パナソニックが創業100年を迎えることを機にスタートした取り組みであり、採択された100のプロジェクトが渋谷の街で様々な実験をしています。
100のプロジェクトがある=100のミッションがある、ということで渋谷の街を中心に多種多様な取り組みが行われています。
詳しい説明はぜひ公式サイトをご覧ください。
未来言語とは
まず未来言語プロジェクトとは、「100BANCH」に採択されたプロジェクトのうち「障害」をテーマにした4つのプロジェクトの代表が手を組んだ組織が取り組んでいるものです。
当プロジェクトでは未来言語を「どんな人でも理解可能なコミュニケーション」と定義しています。
未来言語の実現のためには
さて、ここから私が考える未来言語について述べていきます。
未来言語の実現を考えると、真っ先にテクノロジーでの実現を考えてしまいます。これは私の悪い癖です。
そして考えたのは、脳波で感情を読み取り伝え合うというものです。近年では脳波からの感情分析が進んでおり、近い未来実用化できると考えられます。
参考記事:感情を脳波で可視化、記者が体験 国内大手企業で活用進む
しかし、これでは気持ちを伝えるのが難しいとも考えました。
理由は、コンピュータでは定型的な答えしか出せないからです。
例えば、「ストレスを感じている」「楽しい」「ネガティブ」などです。
ここで想像してもらいたのは、相手の姿や声がわからない状態で、これらの文字列だけが送られてきた場合です。これだけでは情報が足りなすぎて相手を窺うことはできません。
普段私達のコミュニケーションでは、文字の伝達だけではなく、声色や身振り、表情などの非言語情報がたくさん必要だとわかります。
では、この非言語情報(右手をせわしなく振る、口角が上がるなど)も文字列として伝えればコミュニケーションができるのかというと、それもまた難しいです。
まとめ:答えはまだない。だからこその実験。
改めて「未来言語」について考えてみましたが、前回からの進歩は「私たちのコミュニケーションには非言語情報がたくさん必要」と気づいたことくらいです。
ですがここで考えることをやめてはいけません(自戒)!
これからも未来言語プロジェクトの実験を追っていきながら、たくさん考えてきたいと思います。
おまけ:ハイコンテクスト社会「日本」
日本は口数少なく相手を察することを美徳している不思議な国です。
このように相手を様子や背景をなんとなく理解できちゃうことを「ハイコンテクスト」と呼んだりします。
ハイコンテクストの解説記事:ハイコンテクスト文化とローコンテクスト文化
したがって、普段から相手を察するように努めている日本人こそ、外国の方々とでもコミュニケーションできる「未来言語」を創造するべきなのかもしれません。