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【ビジョンを描く】具体的にビジョンをどうまとめるか ビジョンマトリクスについて

先日、バックキャスティングの力ということで、将来像を描いて逆算してアクションをとっていくことの大切さを記事にしました。

現状の成り行きではなく、将来像を描いてそこから逆算することの経営と人生における効果を記載しました。「描いた将来像の通りになるわけではないが、目指す将来を見据えた行動の積み重ねが成り行きの経営と人生に負けるわけがない」という考えを私は持っています。

今回は、経営においてバックキャスティングの起点になる将来像をまとめるフォーマットとして「ビジョンマトリクス」というものをご紹介したいと思います。(別途、人生版のビジョンについても記事にしたいと思います。ただ、人生は価値観が多様なので、一つのフォーマットにはなかなかまとめづらいものがあります。)

私がコンサルティングの際にビジョンをまとめる方法として提供しているフォーマットです。
今回はその内容についてと因果関係について簡単に説明していきたいと思います。

今回は(も?)、参照記事が多岐にわたり読みづらくなっているかと思います。何卒ご容赦ください。。


ビジョンマトリクスの内容について

ビジョンマトリクスの内容については以下の図の通り(といってもこのままでは何のことやら、かもしれませんが)、将来像を描き、現場から将来に向けた会社の方向付けを会社の方向付けそのものと、内部環境のコントロールと言う2つの軸で検討していくというものです。

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「会社の方向付け」を実現するためには、人・モノ・カネ(=内部環境)が必要であり、その内部環境を、目指す「会社の方向付け」を実現できる状況にするためにどのようにバランスをとっていけばよいか、ということを合わせて検討していくことになります。

単純に、それだけのことなのですが、実際に形に落とし込むといろいろな気づきがあるものです。

フォーマットとしては、以下のようなイメージです。

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以下、「会社の方向付け」「内部環境」について簡単に見ていきたいと思います。


「会社の方向付け」について

経営理念の達成(自社らしく、中長期的に世の中・お客様に選ばれ続ける)のために、

・何によって選ばれるか「強み」

・お客様と商品・サービスを決める「誰に・どこで・何を売るか?」

という要素を検討していきます。

強みとは、QPSに落とし込まれたお客様に選ばれる要素であるものです。

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そして、誰をお客様にするかということも事業をする上でとても大切なことです。魚がいないところに釣り糸を垂らしても、どれだけよい商品サービスでQPSがよくても(釣りエサが魅力的でも)、選ばれること(釣れること)はありません。

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結局、経営はマーケティングとイノベーションの継続なわけですが、現状と将来における姿を想定することで、そこに至るまでの戦略を検討する枠組みが整うわけです。

経営戦略の検討の際に「外部環境分析」がありますが、結局外部環境分析はお客様と、競合他社、そしてお客様や自社・競合他社が身を置く社会環境、そのものがどのように変化していくかということを把握するために行います。

外部環境分析も、結局はお客様に現在および将来にわたり選ばれるための検討なのです。その目的なく、単にそれなりの分析をしても何の意味もありません。

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お客様のニーズを踏まえて、競合他社や代替品よりも選んでもらえるQPSを備えた商品・サービスを提供することがマーケティングであり、それを今までの枠組みを超えて実現することがイノベーションと言えます。

常に、マーケティングとイノベーションを繰り返しながらトライアンドエラーを進めていくことが経営の実践です。それを実現させるためには、マーケティングとイノベーションを実行できる「人」と、その実行をささえるだけのモノとカネが必要です。

その部分について、以下に簡単に述べていきます。


内部環境(人・モノ・カネについて)

経営の実践は、マーケティングとイノベーションの継続で、「中長期的に社会・お客様に貢献する(選ばれ続ける)」ためには必然的な実践行動になります。

具体的なアクションとしては、内部環境をコントロールして商品・サービスを十分な数のお客様に選んでいただけるように持っていくわけです。

内部環境の構成要素として「人」は、マーケティングとイノベーションを実現するために必要不可欠です。そして、熟練の職人さんなど、その人の存在そのものがお客様に選ばれる要素(=強み)を作りだしている可能性もあります。

また、モノについては設備であったりシステムであったり、人とカネ以外の内部的な要素を言います。それ以外に情報であったり、さまざまな定義がありますが、ここではシンプルに人とカネ以外の要素とします。

このモノについても、製造業であれば精度が高い製品を生み出すためのものであったり、より生産性が高くコストダウンした製品を作れる設備であったり、AIやロボットなどについても、人とカネ以外のモノに当てはめると様々な検討要素があります。これらも結局は、商品サービスのQPSに落とし込まれてお客様から選ばれる要素になります。

カネについては、カネそのものがお客様から選ばれる要素を作り出すことはないのですが、会社の安全性を確保する意味でも、またさらに人やモノに投資をする意味でも、必要になっていきます。カネは多ければ多いほど安全ですが、それだけではパフォーマンスを生み出さない(世の中に貢献しない)ということで、人・モノ・カネについては絶妙なバランス感が必要になります。


長いが、話し合う過程で一体感が生まれるもの

ビジョンは実際に作成してみるとわかると思いますが、ぱっと見てわかりやすいわけではなく、そして長くなります。

だからこそ、マネジメントチームメンバーでとことん議論と情報収集、アクションを繰り返していく必要があります。

そうするとマネジメントチームの中で将来像の語れる化ができいきます。うちのコンサルティング会社についても実は社内においてこのような将来ビジョンの語れる化が実現されつつあります。

「経営会議」とは、このような具体的なビジョンについてどのように実現していくか、ということの「経営」についてのアジェンダと、足元の業務についての「執行」についてのアジェンダを切り分けて議論をするとよいでしょう。「執行」モードと「経営」モードが混在することを避けるためです。

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そして、そのビジョンの語れる化ができるようになって、会社全体にビジョンを伝えるためには、そのビジョンをシンプルな形に整理する必要があります。


みんなの頭の中にないと使えない

社員の皆さんに認識してもらい、理解してもらうためには、ビジョンはシンプルでなければいけません。だからこそ、世の中の会社のビジョンはシンプルな形の表現が多いのです。

しかしシンプルなものだけでは具体化できません。だからこそ、ビジョン策定するメンバー(マネジメントチーム)は長い因果関係にまみれたビジョンマトリクスと向き合う必要があるのです。

そして、ビジョンマトリクスにまとめたビジョンをシンプルな形で表現をして、そのシンプルな表現をベースにしながらマネジメントチームの皆さんが社員の方みんなにビジョンを語るということです。

そうすることで、徐々にそのビジョンを実現するために自分自身がどのように成長する必要があるかといったように自分事としてビジョンが社員の皆さんに落とし込まれてくることになります。

もちろん、その前提としてあるのは社員の皆さんが仕事にやりがいを持っていることです。仕事にやりがい(働きがい)があり、会社に感謝しているからこそ、その会社の将来を自分事として捉えられるのです。

これもここでは簡単に言っていますが、その状態になるための苦労は並大抵のものではありません。

経営理念(企業の存在目的)があり、その経営理念の実現に向けた具体的な将来の姿としてのビジョンを策定してPDCAを回す体制を構築することと、そのビジョンに向けて前向きに社員さんに取り組んでもらうこと、は同じく重要なことです。


ビジョン通りに実現するのか

ビジョンの策定の目的は、描いたビジョンの通りで寸分違わず実現させると言うことではありません。まず会社の方向付け何によって社会に貢献をしたいか、ということを経営理念も踏まえながら深く考えて共有します。

そしてそれを実現するためにはどのような内部環境にしていかなければいけないのかということを真剣に議論し具体的なアクションに起こしていきます。

この仮説の将来ビジョンの相互の因果関係を意見交換し検討すること自体がビジョンの大きな目的です。

一旦将来像を具体的に検討し尽くすと言うことで、このビジョンマトリクスを活用しながら具体化していくということが、執行ではない「経営」において非常に重要なアクションになってくるということです。


会社も人生も思い描いた以上にはならない

当たり前の話ですが、よほど運がいい人でない限り自分の人生も会社も自分が想像した以上に発展する事はありません

その自分が想像した以上に、という「自分が想像する」部分をビジョンによって表現するということです。少なくとも大きなビジョンを描かなければそれ以上に会社が発展する事は無いのです。

そしてビジョンを描いたからといって、その通りになると言うほど世の中甘くはありません。ただその因果関係と構造を理解した上で、適切なPDCAを回していくことによってその描いた未来が近づいてくるということです。

私は経営者の方とのコミニケーションの機会が多いですが、経営者の皆さんがそれぞれおっしゃるのは会社は経営者の器以上に大きくならないということです。ここでいう経営者の器とはどのようなビジョンを持っているか、ということではないかと考えています。

それを踏まえて私の役割は、関わる経営者の方の器そのものを広げるということです。経営者の方と心からの関係を続けることによって少しでもその人の器を広げられればと思っています。

もちろん私は所詮若輩者ではありますが、今まで経験した辛酸や経験なども含めて全力で経営者の方と向き合いながらその人の器を拡大させることに邁進していきたいと考えています。


まとめ

・経営における将来像(ビジョン)は、ビジョンマトリクスを参考にまとめてみることを提案します

・経営も人生も自分が想像する以上に発展することはない(運がよくなければ)

・ビジョンマトリクスは策定してもわかりづらいので、伝えるときはシンプルにまとめる

・ビジョンマトリクスの複雑さから逃げずに検討を重ねるとビジョンの語れる化が実現される

・語れる化されるまで落とし込まれたビジョンは、PDCAも具体化できる



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