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デザイナー兼、起業家。伊集院光のラジオを愛聴するアートディレクター 小川貴之

ここで発信していくのは、GOメンバーのポートフォリオ。
コーポレートサイトだけでは伝えきれないメンバーたちの強みや私生活について、できるだけくわしくお伝えしてまいります。

The Breakthrough Stories第5回は、アートディレクターの小川貴之(おがわたかゆき)。
新卒でデザイナーとして広告代理店に入社後、スタートアップを経てフリーランスデザイナーとして活動。2020年11月にGOへ入社しました。2022年6月にはデザイン会社The Right Designを立ち上げています。
社内からは「常に何かに追われて落ち着きがなく、それでいて眠たそうだと言われる」と話す、小川のBreakthrough Storiesとは......?  ぜひご一読ください。

小川貴之(おがわたかゆき)
2013年多摩美術大学美術学部グラフィックデザイン学科卒業。同年株式会社博報堂入社。2018年に退社しスタートアップを経てGOに。企画戦略からUI/UXの設計までデザイン思考を使い幅広く手掛ける。FamilyMartのプライベートブランド「ファミマル」の全パッケージ約1000点をデザインした。ACC Creative Award 2018ゴールド、Cannes Lions 2019 Design Silver、Tokyo Midtown Award 2016グランプリなど受賞多数。Right Design Inc.代表。

大きな花火ではないけれど

——GOの入社前について聞かせてください。

新卒でデザイナーとして広告代理店に入社しました。5年ほど働いてみて、広告企画制作を超えてもっと幅広くデザインに取り組みたいと思うようになり、スタートアップに転職しました。

——スタートアップではどんなことをしていたんですか?

UI/UXやCIのデザインをはじめ、組織やサービスそのものの設計などを担当していました。広告代理店とは立場が反対の事業会社だったので、デザインの観点から経営まで踏み込めたのはおもしろかったですね。

UI/UXを担当した漁業者向けデジタルプラットフォーム「ISANA」の画面キャプチャ。運営するLighthouse社のCI設計・コミュニケーション全般の業務も内部のデザイナーとして担当

その後フリーランスのデザイナーになり、GOとはフリーランス時代から仕事で関わっていました。広告制作だけではなく、事業全体まで手掛けていく仕事のスタイルと、これまで幅を広げてきた自分のデザインスキルがマッチしたのを感じ、半年間の業務委託を経て入社しました。

——今までのキャリアでターニングポイントとなった仕事はありますか?

FamilyMartのプライベートブランド「ファミマル」のブランディングです。
全国1万5000店舗に並ぶパッケージのトータルデザインを担当したため、作成点数も、関わる人数も緊張感も、すべてがこれまでとは桁違いの仕事でした。

競合二社が超著名デザイナーを起用しているという重圧も大きく、足繁くコンビニに通ってパッケージの役割などを分析し、寝食を忘れて全ての商品をデザインしました。デザイナーとして今まで考えてきたことをフル活用して取り組んだ仕事だったと思います。現在は売上げも好調で、ローンチ以降も新商品などのデザインを継続して担当させていただいています。

クライアントとの向き合いかたなど、その後の仕事への姿勢に強い影響を受けた案件ですね。

——では、GO入社後「これはよくできた!」と自信を持って言える仕事もファミマルですか?

そうですね。日常生活の中で、自分がデザインしたお茶や水のペットボトルを持っている人が目に入るたびに、「大きい仕事をしたんだな」と思います。SNSで瞬間的にバズるような大きな花火ではありませんでしたが、こういう、日常にすっと溶け込んでいくようなデザインを作れたことに喜びを感じます。

——GOでは今どんなプロジェクトに参加していますか?

企業のブランディングから広告の企画制作まで、あらゆる案件にアートディレクターとして関わっています。たとえば、ペットウェルネスカンパニー PETOKOTO社のCI設計や、KOSE「雪肌精」の2022年のプロモーションなど。

「ペットを家族として愛せる世界へ。」をミッションに掲げるPETOKOTO社。クライアントの社内デザイナーと作成したロゴは、2つの線が二本足、4つの点が四本足を示しています
植物生まれの化粧水であることがひと目で訴求できるように、雪の結晶と草花を組み合わせたロゴを作成し、「雪肌精」の新たなブランドシンボルに

2022年には、GOの子会社という形でThe Right Designを起業しました。デザイナー経営者として、今は広い意味で「会社という組織体をどのようにデザインするか?」というプロジェクトを進行していると言ってもいいかもしれません。

——GOとThe Right Designは、業務でいうとどんな違いがあるんですか?

The Right Designでの業務は、GOで受ける案件よりもさらにデザインに特化した仕事をしています。サービスのUI/UXの設計、オフィスや施設のインテリア、行政との地域創生プロジェクト、スタートアップの全体VI設計、新規フード業態のブランディングなど......。

デザインの解釈を広げながら、プロダクトにとどまらずいろんな分野のデザイン設計を担当しています。

プレミアム日本酒ブランドの設立を担当。にごり酒をゆっくりと振って注ぐ際の美しい所作を“道”として、日本の文化を伝えるためのアートディレクションを実施しました
京都の北西に位置する京丹波町の地域創生プロジェクトの一環として、官民連携組織を設立。ビジュアル面だけでなく、組織設計やワークショップのデザインも行なっています

中学生の頃から、伊集院光さんのラジオを毎週かかさず聞いてます

——では、ここからは小川さんのひととなりに迫る質問をしていきますね。まず、社内ではよくどんな人だと言われますか?

そうですね.....。常に何かに追われて落ち着きがなく、それでいて眠たそうだと言われます。実際、どこでも寝られるので、打ち合わせの合間に仮眠を取っているのをよく目撃されます。

——社内で、「これだけは負けない」と思うスキルはありますか?

PCにおけるデザイン作業の早さ。オンライン会議では、いつも画面共有をして意見を聞きながらデザインのプロトタイピングをしていきます。会議の参加者にはおもしろいと褒められます。

——プライベートに関することについても聞かせてください。人生の“ベストコンテンツ”を3つあげるとしたら?

NEW DESIGN PARADISE
2006年まで放送されていた、フジテレビの深夜番組です。新進気鋭のデザイナーが身の回りにあるものをデザインしなおす、という内容だったのですが、高校生のときに見てはじめて「デザインっておもしろい! 」と思いました。
何かをデザインすることは一生飽きないだろうな、と感じたことがきっかけでデザイナーを志望するようになったので、文字通り人生を変えられたコンテンツです。

伊集院光「深夜の馬鹿力
1995年から今も続いている、TBSのご長寿ラジオ。中学校の頃から今に至るまで、毎週欠かさず聴き続けています。伊集院さんの「何をおもしろいと感じるか?」という視点がユニークで、僕の「おもしろい」センサーはこの番組で鍛えられたと感じています。

③イギリスの芸術家・フランシス・ベーコンの絵画
彼の、鮮やかな色彩と恐怖の感情が混ざった絵は、人間の原始的な部分に直接バグを引き起こす感じがします。

——平日にいますぐ3連休をとれるとしたら、何をしますか?

何もせず、あたたかいところでボーッとしたいです。起業したタイミングで子どもが生まれて、経営と育児が同時にはじまりました。それ以来、脳が常に緊張状態にあるのでどこかでほっと一息つきたいですね。

——人生でいちばん負けられない戦いはありましたか?

新卒一社目の入社試験。美大生の多くが受ける採用選考なのですが、内定がもらえるのはたったの5人程度。当時の倍率は30倍くらいあったんじゃないかと思います。もし内定がもらえてなかったら、今のキャリアはありえなかったですね。

——最後に、GOのミッションは「変化と挑戦」です。小川さんにとっての「変化と挑戦」とは?

僕にとっての変化と挑戦は、起きた変化をポジティブに受けとめ、新しいアクションを起こしながら、右往左往してなにかしらの光明を見出すことです。今は起業と子育てが同時にやってきてかなり混乱してはいますが、同時に楽しんでもいます。生活も急激に変化している最中ですが、これからも公私ともにわくわくしながら乗り越えていきたいですね。

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