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FTX Part 2: スピードラン

今回はFTX3部作の2作目です。Part 1ではFTXのCEOであるSBFの生い立ちやパーソナリティを深く分析しています。

まだ見ていない方はそちらからぜひご覧ください。

原文はこちら。

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それでは本編です。

本記事は2万6000字程度と非常に長い記事になっております。特定箇所が見たい方は目次から見たい箇所に遷移してください。
また、本記事は著者の許可を取った上で上で公開しております。

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MrCheezeの7月は最悪でした。

1年前、このゲーマーは「ゼルダの伝説 時のオカリナ」を7分以内に終わらせることはできないということに賭けていました。彼からするとそれは明らかに不可能でした。

しかしもう一人のゲーマーであるSavestateはこの賭けに挑みました。成功させるためにはボタンの押し間違いや動きの乱れなど、完璧なパフォーマンスが必要だと考えたからです。最終的に彼はわずか数分の1秒の差で勝利を収めました。7月22日、Savestateはゼルダをなんと6分59秒767でコンプリートしたのです。

なぜこんなことをするのでしょうか?

SavestateとMrCheezeは「スピードランナー」と呼ばれる可能な限り速くゲームをクリアすることを目的としたプレイヤーであり、常に新記録の達成を目指しています。

「スーパーマリオ64」(1時間38分21秒)「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」(54分17秒)「グランド・セフト・オートV」(5時間49分8秒)など、ありとあらゆるゲームをスピードランしてきました。

スピードランニングの目的は「速く走ること」ですが、成功するために重要なのはそれだけではありません。「スピードランニング」とは、「何を無視しても、何を見逃しても、勝つことができるか」を知ることなのです。

目指すべきものは、主人公の持ち金を増やし、すべてのサイドクエストを終えてゲームの結末に到達することではありません。単に到着することなのです。

FTXは良くも悪くもこのスピードランのような企業です。

同社はわずか26カ月で180億ドルの評価額を確保し、世界で最も人気のある暗号化取引所の1つになりました。これはCoinbase、Stripe、Square、Slackなどの伝説的な企業を凌ぐ価値発生ベースでは史上最速の企業の1つです。

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しかし、すべてのスピードランナーがそうであるようにFTXもその速度を達成するためには譲歩しなければなりませんでした。特にFTXは規制を軽視し、利益相反への非難をかわし、リテールトレーダーをほとんど無視してきました。

これらの譲歩は時に悪影響を及ぼします。しかし同社には最も重要な問題を解決するための資本、人脈、意志があると信じている人は多いでしょう。もちろん、FTXがどれだけ効果的に問題を解決できるかは時間が経ってみなければわかりません。

今日は、帝国FTXのさまざまな側面をこれまでにないデータをもとに探ってみたいと思います。今回の記事では以下のトピックでFTXを丸裸にしていきます。

初期の姿:FTXの迅速なスタートとほぼ瞬時のPMF
プロダクト:信頼性と創造性による差別化
ユーザーベース:世界中のトレーダーが愛好
メトリクス:FTXの牽引力を内側から覗く
競争環境:FTXとCoinbase、Binance、BitMEX、その他との比較
・ベアケース:FTXが崩壊する可能性

初期の姿

企業の初期の姿を知ることはなかなか難しい。

しかしRace Capitalのクリス・マッキャンのおかげで、読者は初期の投資家にとってFTXがどのようなものであったかを知ることができます。Raceのチームは投資メモをThe Generalistに公開することに同意してくれました。

ここでは、そのメモの全文をご覧いただくことができますが、以下ではその主なポイントをご紹介します。

FTXの輪郭はこの初期段階でもはっきりしています。

メモにもあるようにこのチームは製品と市場の適合性を追求し、かつ迅速に実行しています。FTXは2週間以内に1日の取引量を5,000万ドルから1億5,000万ドルに増やしました。そしてその2週間後には3億ドルに跳ね上がりました。

製品イノベーションのレベルも注目に値します。開発のペースについては、メモに書かれたスナップショットをご覧ください。

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このリストだけを見ても、FTXの製品は創造性に優れているだけでなく、リスクを恐ろしく恐れていないことがわかります。

設立後数カ月でアルトコインの先物を提供することはCoinbaseのような慎重な取引所が行うような動きではないですし、またそのような投資のリスクを考慮して101倍のレバレッジを提供することもないでしょう。

ただFTXが相手とするマーケットを考えればこの商品群はより理にかなっていると言えます。Race Capitalは2019年の状況をまとめ、暗号先物市場はスポット市場と同様の取引量があったものの競争力ははるかに低いままだったと指摘しています。

スポット市場:
先物市場(先物取引)に対して契約と同時に現物の受渡しをする市場のこと。

2019年7月25日、スポット市場の総取引量は1日あたり1兆ドル、先物市場の総取引量は1日あたり1.1兆ドルでした。

しかし、先物市場では上位3社(Bitmex、Huobi、OKEx)が定期的にスポット市場の同等品と比較して3倍の取引量を牽引しており、プレイヤーの数は非常に少なくなっています。

FTXには攻撃の手段がありました。それは、先物市場を支配する取引所の1つであるBitMEXの混乱に助けられたことです。

CFTC(米商品先物取引委員会)の調査を受けたBitMEXは、「ネットアウトフローが急増した」といい、FTXはその恩恵を受けることができました。

最後に、Race Capitalは他の投資家を不安にさせる利益相反を指摘しています。少なくとも1人のクリプトキャピタリストが、FTXとAlamedaの関係を見て、今回のラウンドへの投資を思いとどまったと私に言いました。

Part 1で明らかにしたように、FTXがAlamedaに優先的な条件を提示するのではないかというのが第一の懸念でした。もちろんこれが起こったかどうかは不明ですが、SBFが2つの組織を同時に運営することで混乱が生じる可能性も懸念されていました。

ただこれらの懸念にもかかわらず、Race Capitalは800万ドルのラウンドをリードし、Lemniscap、One Block、FBGなどが参加しました。今のところはこの懸念が杞憂であったことは火を見るよりも明らかです。

以下のセクションでは、180億ドルの評価額を理解するために会社を一から分析していきます。まず、"FTX "という言葉が何を意味するのかを説明する必要があるでしょう。

1. Entitiy:Dopplegängers

実はFTXは一枚岩ではありません。同年代の多くの企業とは異なり、FTXは公式もしくは非公式に相互作用するさまざまな事業体の集合体です。

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このネットワークの中心となるのはAlamedaとFTXです。

Alamedaは暗号資産投資会社です。

サム・バンクマン・フリード(SBF)、ゲイリー・ワン、ニシャド・シンによって、2017年末にアジア市場に現れたアービトラージを活用するために設立されました。

このAlamedaは瞬く間に成長し、エコシステムの中で最も影響力のあるアロケータの1つとなり、暗号資産だけでなく民間企業にも直接投資しています。複数の情報源が確認したところによるとAlamedaは1日に数十億の資産を取引する、暗号化エコシステムにおける唯一にして最大の投資家であるようです。

これまで述べてきたように、Alamedaは初期の頃FTXの主要なマーケットメーカーとして流動性を提供していました。後述するように現在では出来高に占める同社の割合はかなり小さくなっています。 

続くFTXは暗号通貨の取引所です。

同社はアンティグア・バーブーダで法人化されましたが、本社は香港にあります。先週述べたようにこの出自は偶然のものではありません。香港は歴史的に米国よりも暗号資産にずっと友好的でした。

そして、FTXにはFTX.comとFTX.usという2つの子会社があります。

ほとんどの人が「FTX」という名前を思い浮かべるのはFTX.comでしょう。これは当社の最も充実した機能を持つ製品ですが、規制上の理由から米国では利用できません。この製品群について説明するときは、主にFTX.comを参照します。

FTX.usはグローバル・プラットフォームを水増ししたものです。この点ではFTX.comとの関係は、BinanceUSがBinanceのよく知られたグローバルなサービスであるということと似ています。

さて、ここからが本当の意味での混乱の始まりです。昨年8月FTXは暗号化ニュースとポートフォリオ追跡アプリのBlockfolioを買収しました。この買収の意味については後ほど詳しく説明します。
しかしつい先週、同社はBlockfolioをFTXにリブランディングすることを発表しました…。!?!?

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正気を保つために、私たちはBlockfolioを元の名称で呼ぶことにします。また、特に断りのない限り、FTXはFTX.comを意味します。

これらのプラットフォームでFTXは独自のトークンを提供しています。FTTです。BinanceのBNBと同様に、FTTは手数料の割引やその他のメリットを提供します。

FTTをステーキングすることを選択した場合、特典として強化された議決権、ボーナスNFT、エアドロップされた報酬、およびさらなるリベートが含まれます。またFTTはアカウントの担保要件にも使用することができます。希少性を維持し、価格圧力を生み出すためにFTXはFTTを「購入して燃やす」のです。

最後に、FTXとAlamedaが設立した分散型取引所(DEX)のSerumを紹介します。

Serumは、UniswapやSushiswapとは異なり、EthereumではなくSolana上に構築されており、より速いデータ処理を実現しています。FTXで行ったようにAlamedaはSerumで流動性を提供し、FTXはそのフローの一部をDEXにルーティングします。

このように多くのことを理解しなければなりませんが、ビジネスを解明していけば明らかになるでしょう。文脈が整い、定義が定まったところで、いよいよ商品を掘り下げていきます。

2. プロダクト:パワーセンター

なぜ暗号通貨取引所を始めるのか?

SBFがこの分野での構築を検討した頃には競合他社が数多く存在していました。Coinbaseは5億ドル以上の資金を調達し、Binanceは多い日には10億ドル以上の動きがあり、BitMEXはデリバティブ戦争に勝利していました。

これまで述べてきたように、SBFの決断の多くは現在提供されているサービスへの不満から生まれたものでしたが、それは同時にクリプトエコシステムの中でどこに力があるかを反映したものでもありました。

取引所は競争の激しい場所ですがこの分野の中心的存在です。取引所はオンランプ、キャピタルハブ、データソースの役割を果たしています。SBFがより大きな影響力とインパクトを求めるのであれば、取引所ほど最適な製品はありませんでした。

FTXは市場で最も精力的なトレーダーのホームタウンとなっています。パフォーマンスの高いコアを構築し、高いレバレッジを提供し、ユニークな市場へのアクセスを提供することでそれを実現しています。また、FTXは新しい製品を通じて、その帝国を拡大する意欲を示しています。 

 2.1 高性能なコア

SBFと私とのインタビューの中でこれは何度も言及されました。それは、「FTXは機能する」ということです。SBFと彼のチームは、Alamedaでの専門知識を活かして本格的なトレーダーに最適な取引所を構築しました。

それはまず信頼性から始まります。

ある関係者(投資家ではない)は、FTXは市場で最も信頼できる取引所であり、他の取引所が閉鎖された取引ピーク時でも営業を続けていると述べています。これはユーザーのAPIコールを厳密に予算化することで管理されています。

プラットフォーム上では1秒間に約20回の取引が可能です。これは一部の人にとっては制限となりますが、FTXはこの予算をアカウントサイズや活動状況に応じて調整しています。

同関係者はFTXの流動性エンジンとリスクエンジンにも愛着を示しています。前者はクローバック(競合のOKExのように、取引所の顧客が損失を補填すること)の削減に特に優れているようですが、私の会話の中で最も賞賛されたのは後者でした。

FTXは他の取引所と異なり、"クロスマーゲイニング "が可能です。つまり、米ドル、BTC、ETH、AAVE、XRPなどの複数の通貨が、ユーザーの担保に貢献しているとカウントされるのです。これは意味のある改善です。ほとんどの取引所では、暗号通貨を別個に扱っているため担保は資産ごとに計算されることになります。

レバレッジを効かせたい投資家にとって、このようなルールは保有資産の一部が含まれているために証拠金が本来の額よりも低くなってしまったり、ある資産から別の資産に移る際に手間がかかったりと、面倒なことになります。

 2.2 高いレバレッジ

FTXの人気の一因はトレーダーに提供されるレバレッジにあります。前述のリスクエンジンのおかげで、他の取引所に比べて少ない労力で高いマージンを提供することができます。

FTXの短い歴史のほとんどにおいてFTXは101倍のレバレッジを提供してきました。これは仮にトレーダーが自分の口座に10万ドルを追加した場合、1010万ドルを投資できることを意味します。

勝っているトレーダーはこのレバレッジのおかげで大金を手にすることができますが、負けているトレーダーは悪い賭けにすぐに埋もれてしまうことになります。

最近の資金調達ラウンドの後FTXはプラットフォームで利用可能なレバレッジを20倍に減らすことを発表しました。

この発表の中で同社は、レバレッジ取引がプラットフォーム上の取引量に占める割合が比較的小さいことを明らかにしました。SBFによると更新時点での平均的な信用取引の投資額は2倍でした。

今回の変更は「責任ある取引」を奨励するために行われたと言われていますが、20倍のレバレッジ制限はFTXを依然として高い水準に置いています。Huobiは最近利用可能なレバレッジを1.25倍から5倍に引き下げ、OKExとKrakenも同じ制限を設けています。Bitfinexは10倍です。

もちろんこのように高い位置にいるのはFTXだけではありません。BinanceもSBFの発表後すぐに100倍から20倍へと変更しました。BitMEXはまだ特定の契約で100倍を提供しています。 

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レバレッジFTXが成功した主な理由ではないですが、一役買っているのは明らかです。ただ、慎重な視聴者や厳しい地域への訴求を考えた場合には、より穏やかなアプローチが必要だと思われます。

 2.3 ユニークなマーケット

Coinbaseが暗号化取引所の規範であるとすれば、FTXはヒッピーを演じることを恐れていません。FTXはスポットと先物の両方を提供していますが、よりエキセントリックな嗜好を持つ人々にも対応しています。

材木の先物に手を出したいですか?ーいいでしょう。
2024年のトランプ大統領の出馬に賭けてみませんか?ー問題ありません。
次のIPOに投機することに興味がありますか?ーこちらへどうぞ。

FTXは本当にクリエイティブな取引所で、常に新しい機会を提供しています

例えば、ある木材市場はFTXがユーザーのリクエストを受け始めてからわずか1日で立ち上げられました。作業時間はわずか2時間でした。これは実験を重視する文化があり、Alamedaのようなマーケットメーカーが流動性を提供することで可能になることです。

スポットや先物取引以外にも、FTXでは以下のような市場へのアクセスが可能です。

Tokenized stocks
投資家はRobinhoodを利用する代わりに「FTXのトークン化された株式 」を通じて公開された有価証券へのエクスポージャーを得ることができます。これらのトークンはTesla、Robinhood、Alibabaなどの基礎となる証券の価格に追随しており、24時間365日、世界中の投資家が参加できます。Binanceも同様の商品を提供しています。

・Leveraged tokens
トレーダーは実際にレバレッジをかけたポジションを管理し前述の担保問題に対処する代わりに、ETHBULLのようなトークンに投資することを選択できます。

このERC20は、投資家にイーサリアムの3倍のロングポジションを与えます。つまり、ある日にイーサリアムが10%上昇した場合、ETHBULLは30%上昇することになります。FTXはETH、BTC、DOGE、MATIC、EOSなどのトークンのレバレッジド・ロングおよびショートを提供しています。FTXはこの商品を提供した最初の取引所であり、投資家が簡単にリスクを追加できる別の方法を提供しています。

・Volatility tokens
もうひとつのERC20であるボラティリティ・トークンはまさに期待通りの機能を持っており、関連する市場のボラティリティをトラッキングします。その点では、CBOEのボラティリティーを測定するVIXの暗号版とも言えます。BVOLのようなトークンは、ビットコインのボラティリティ1倍を追跡し、iBVOLはその逆を行います。今のところFTXはBTCのボラティリティートークンしか提供していません。

・Prediction market
今現在、投機家は2つの大統領選挙に賭けることができます。「Donald Trump 2024」「Jair Bolsonaro 2022」です。
これらは先物契約で、記載された候補者が選挙に勝利した場合は1ドルで失効し、敗北した場合は0ドルに下がります。2020年のトランプ大統領の予測市場は、前回の選挙期間中に大きな動きがありました。現在、取引されている量は最小限にとどまっているようで、本稿執筆時点では、過去24時間の間に交換された金額は40ドル未満でした。

・Fiat market
ユーザーは、米ドルからユーロへの移動など、フィアット間の取引を行うことができます。その他の通貨としては、英国ポンド、カナダドル、「Brazilian Token」(レアルに連動)、トルコリラなどがあります。

あるFTXの投資家が同社の製品の革新性を "ばかげている "と言った理由がわかるでしょう。

 2.4 フットプリントの拡大

FTXはいくつかの新しく大胆な試みを模索しているようです。彼らは暗号資産取引所だけにとどまる気は全くないと言っていいでしょう。

その一つの例がNFTを使った実験です。

FTXはクリエイターが自分の作品をアップロードして販売するシステムを提供しています。販売されている商品の大半はFTXブランドのもので、パーカー、水筒、キャップ、そしてもちろん「creased liquidity for a smoother experience」と印刷されたFTXコンドームのセットも含まれています笑

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さらにSBFとの100万ドルのランチや、トラビス・スコットの限定Tシャツなども出品されています(面白いことに、このページのFTX.us版では、ほとんどNFLの選手カードしか出品されていません)。

これらはNFTなのでしょうか?

これは良い質問です。ここに出品されるもののほとんどが真の閉鎖性を示すことができず、これまで好まれてきたコレクターズアイテムやデジタルアートからも離れています。

これはFTXがより広範な願望を持っていることを示唆しているのだろうか?このページは暗号化されたCraigslistのようなものになるのだろうか?

それはなさそうです。今のところ、この会社のNFT製品は、荒削りなv1のように感じられる。 将来的には、FTXは、OpenSeaのような専門的なプラットフォームに匹敵することを期待しているかもしれません。

FTX Payも同様に未完成ですが、製品の意図が明確であることが利点でしょう。FTXはStripeが諦めたものを取り去ろうとしています。コリソン兄弟は2018年にビットコイン決済のサポートを終了することを決めました。クリプトへの再対応が噂されていますが、FTXはこの分野での専門性が武器になると考えているでしょう。
(10月にStripeはクリプト事業に再参入することを決定。詳細は不明。)

FTX PayはFTXの他分野への大規模な侵攻と捉えてもいいでしょう。

FTX Payを使えば、ユーザーはシンプルなウィジェットを使ってフィアットまたはクリプトのいずれかで支払いを受け付け、デジタルウォレットで資金を受け取ることができます。FTXは企業アカウントの使用を「推奨」していますが、これはおそらくより広範なビジネス向けの機能を予定しているのでしょう。

FTXは非常に信頼性が高く、かつ実験的な試みを行うことに成功しています。実際、この試みは顧客ベースに適していると言えます。以下からFTXの顧客の深掘りをしていきましょう。

3. Customer:サメと泳ぐ

 ある関係者は、FTXについて「サメのような市場だ」と語りました。

その意味を尋ねると、FTXはCoinbaseらとは異なり、プロのトレーダー向けに構築されているとのことでした。

つまり、特にバロック的な投資に関しては、ユーザーは取引の相手方の重さに注意する必要があるということです。

この印象はSBFの説明と一致します。SBFは、FTXには「大規模なトレーダーの不均衡なシェア」があり、1日に1,000万ドル以上の取引を行うユーザーが取引量の大半を占めていると指摘しています。

これはFTXの顧客層を定性的に紹介する上で有用な情報ですがさらに深く掘り下げることができます。この記事を書くにあたり、リーダーの協力を得てFTXのユーザーデータや指標にこれまでにない形でアクセスすることができました。

念のために明確にしておきますが、The Generalistはこの情報にアクセスすることを(明示的にも黙示的にも)約束しておらず、FTXのチームは我々の報道のトーンや内容について何の保証も求めていません。

 3.1 機関投資家とリテール

今年の6月17日時点で、FTXは125万人のリテールユーザーを数え、そのうち13万人が月次ベースで活発に取引を行っています(10%)。さらに2,700人の機関投資家がFTXを利用しており、1,017人が毎月取引を行っています(38%)。

ご想像のとおり、取引量や収益の面ではリテールと機関投資家の間には大きな差があります。リテール部門の月間平均取引高は3,720億ドルで、収益は4,300万ドルでした。一方、機関投資家は4,460億ドル、2,300万ドルの収益を上げています。 

このデータから、平均的なリテールのアクティブ顧客は月に約300万ドルを取引し、337ドルの収益を上げていることがわかります。また、機関投資家は月平均4億3,900万ドルの取引を行い、2万3,000ドルの収益を上げています。

これらの数字はマーケットの動きに合わせて変化しますが、FTXのベースな部分について理解することができるでしょう。

 3.2 クジラと小魚

ボリュームの集中度を見ることで、FTXが選ばれたクジラの集団に支えられているのか、それとも小魚の群れに支えられているのかを知ることができ、さらに明確なイメージを得ることができます。

FTXが共有している、ちょっと不思議なチャートがその一例です。 

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左側の2つのカラムは情報を明確にするためのものです。FTXは基本的にボリューム集中度を11段階に分け、それぞれが前のカテゴリーの10進対数で、上限を300億ドルとしています。

全く意味がわからないという方、ご安心ください。このデータを理解する最も簡単な方法は対数を無視して左の範囲を見ることです。

例えば、Tier11はFTXのビジネスの中で、月間取引量が約300億ドル以上の部分を占めています。TIer10は31億6,000万ドルから316億ドルまでの月間取引量を占める。Tier9は3億1,600万ドルから31億6,000万ドルまでの範囲で、という具合です。

このような情報の出し方は珍しいですが、ある取引所の取引量のうち、次に大きいグループの10倍のグループからの取引量を知ることには価値があるという、ある種のエレガントな意味があります。

この点を考慮すると、FTXのユーザーベースはいくつかの深刻なクジラの恩恵を受けていることがわかります。総取引量の25%以上は月に300億ドル以上の取引を行うグループからのものです。50%以上が30億ドル以上の動きをするセグメントから来ています。これは、かなりの食欲旺盛な人たちのための市場です。

 3.3 地理的基盤

FTXの不換紙幣取引所にトルコリラがあることからもわかるように、FTXにはグローバルなユーザーベースがあります。今年の3月のデータを見ると、FTXのユーザーベースで最大の市場はトルコであり、20%以上を占めている。その他、韓国、ジブラルタル、オーストラリア、中国、日本などがトップ10に入っています。

(余談ですが、「GBR」がジブラルタルを指しているかどうかは確認できませんでしたが、イギリスは独立した組織を受け取っているので、このような結論になると思われます。)

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これらの株式は出来高ベースで分析すると変わります。出来高で見ると、FTXが国有化していない機関投資家からの取引が最も多く、それ以外では台湾、中国、香港からの取引が多くなっています。このようにFTXの勢力図は、シンガポールや韓国を含めたアジアにあることがわかります。

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この分析に米国が含まれていないのは当然のことかもしれません。

4. マネジメント:レバレッジマスター

 SBFのスケジュールの激しさを考えればFTXの他のチームも同様の激しさで運営されていることが予想されます。ある関係者は「こんなに仕事が好きなチームは見たことがない。」と語っています。

前編でSBFについて十分に語ったので、今日は他のキーパーソンに焦点を当て、FTXの文化そして最後に従業員のレバレッジについて触れたいと思います。

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 4.1 キープレーヤー

SBFの次に重要なリーダーは、ゲイリー・ワン(CTO)とニシャド・シン(VP of Engineering)である。

ワンはSBFのMIT時代のルームメイトであり、親友でもあります。卒業後、ワンはGoogleに入社し同社のFlights製品を開発しました。ある関係者はゲイリーが旅行分野のスタートアップをGoogleにExitした後に入社したと考えているようですが、その点については確認できていません。

いずれにしても、ゲイリーは低遅延を必要とする高トラフィックのシステムを構築する経験をワンに与えました。これは取引所を構築する上で間違いなく重要なことです。

FTXの従業員であるゼーン・タケットはワンのことを控えめな存在でありながら、仕事の質の高さで尊敬を集めていると評しています。

卓越したエンジニアであるワンは、FTXのリスクエンジンをわずか数週間で立ち上げたことで有名です。このシステムの中核部分は現在も使用されています。

ニシャド・シンはFTXにしっかりとしたバランスを与えている人物です。ワンが控えめであれば、シンはよりハンズオンな存在です。ワンが個人的なコントリビューターとして活動することが多いのに対し、シンはエンジニアリングチームを率いています。

先週ご紹介したようにシンはSBFと同じ高校に通っていましたが、その時代に2人がどれほど親しかったかは定かではありません。シンは幼い頃から、FTXで働くために必要な、並々ならぬ決意と野心を持っていることを示していました。実際、シンは16歳で100マイル走の世界最速記録を達成しています。

彼ら2人、ワンとシンはSBFの「効果的な利他主義」への関心を共有していると言われており、3人の世界観は一部共通しています。

ワンとシンに続くのは、シナ・ネイダー(FTX.usのCOO)、ブレット・ハリソン(FTX.usのPresident)、ダン・フリードバーグ(General Counsel)の3人です。彼らは機能別のリーダーシップを発揮しています。

ネイダーがRobinhoodのクリプト部門の運営を辞めてFTXに参加したのは、ある種のクーデターでした。当初、ネイダーは同社の米国子会社を運営すると予想されていたが、最終的にはDealmaker-in-Chiefの役割を担うことになりました。これから説明するように、FTXはMLBのような主要なスポーツリーグとパートナーシップを結ぶなど、かなり注目すべきBDを展開しています。その多くはネイダーが主導しています。

そのネイダーの後任として登場したのがブレット・ハリソンです。元Jane Streetの関係者はハリソンをSBFの「昔のボス」と表現しています。Jane Street、Headlands Technologies、Citadel Securitiesでトレーディングシステムを構築した経験を持つハリソンは、FTX.usの責任者としてふさわしい役割を担っています。

また、あまり知られていませんが、ダン・フリードバーグをGCとして採用したことは特に重要な意味を持つかもしれません。FTXはこれまでほとんど注目されていませんでしたが、その規模(および注目を集める広告取引)から規制当局の注目を集めることが予想されます。そのためFenwick & Westの元パートナーは、今後数年間は忙しくなるでしょう。

果たしてフリードバーグはその任務を果たせるでしょうか?

フリードバーグは数年前からビットコインやその他の暗号通貨の法的影響について活発に議論しており十分な経験を積んでいるはずです。しかしその過程で、彼はビットコイン支持者から違法なギャンブル行為で司法省に停止させられたUltimate BetとAbsolute Pokerとの業務上の関わりを指摘され反感を買っています。

この指摘の真偽やフリードバーグの関与の程度については確認できませんでしたが注目すべき話です。最終的に米国市場で成功するかどうかは、フリードバーグの評判と知識にかかっていると言えるでしょう。

5. カルチャー

FTXの文化を理解するにはまずこの会社が何でないかを把握する必要があります。
特にSBFの会社はCoinbaseと対立しているように見えます。

ここ数年、Coinbaseは信頼を築くために効果的に活動してきました。使いやすいアプリケーションを維持しながらゆっくりと慎重に動くことで米国で最も認知度の高い取引所となりました。多くの点でCoinbaseは典型的なシリコンバレーの大企業のように運営されており、エリート企業の同じプールから人材を調達しています。特にFacebook、Google、Airbnbなどのエリート企業からの人材が豊富です。

FTXはスピードを重視しています。FTXはスピードを重視しており、すべてがこの目的のために行われています。FTXは既存の企業で働くことの健全さとバランスに慣れている終身雇用のビッグテックエンジニアではなく、若くてハングリーなウォールストリートのタイプを好みます。こういった人々は非常に熱心に仕事をすることに加えて、あるバックグラウンドがあります。これはSBFが会話の中で強調していたことで、FTXは製品を実際に理解し、純粋にトレーディングを知っている人を採用したいと考えています。その結果、文化はバレーのスタートアップというよりも東海岸のクオンツファンドに近いものとなっています。

仕事を理解している社員を好む傾向は組織構造にも現れています。SBFは「プロジェクトマネージャー」のような役割には「懐疑的」であると述べています。問題の本質を理解していないと、適切なアドバイスができないからです。

当社がトレーダーを好んで採用しているのと同様に、ここでの目的はレイテンシーを減らすことです。問題解決に向けて迅速に行動できるのは、少なくともFTXにとっては、問題を真に理解している人だと言えるからでしょう。

 5.1 レバレッジ

FTXの経営で最も注目すべき点はそのレバレッジでしょう。わずか82人の従業員で世界最大級の暗号化取引所を運営し、Binanceに匹敵するペースで新製品をローンチし、話題性のあるパートナーシップを次々と結んでいます。

これはかなり馬鹿げたことです。いくつかの比較ポイントを紹介しましょう。

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FTXは一人の従業員が月に27億ドルのボリュームをサポートするというワイルドな効率性を誇ります。これはCoinbaseのチームメンバー1人あたりの取引量の110倍以上であり、Binance、Kraken、Uniswapをも凌駕しています。この点でFTXを上回っているのは、従業員数13人のBitMEXだけです。

さらにクレイジーなことに、FTXはほんの一握りのエンジニアに頼っています。何人だと思いますか。

6人です。

これはタイプミスではなく、FTXの従業員が共有している実際の開発人数です。

毎月何千億ものボリュームを動かすプラットフォームを、アイスホッケーのトップチームほどの規模のスタッフで構築・維持しているのです。 

レバレッジの効いた製品を提供することで利益を得ている会社が、自らもその恩恵を受けているというのは、何かしっくりくる気がします。

6. メトリクス:スケールブレイク

 FTXの社内データを確認することで会社の成長、収益構成、リテンションの詳細を把握することができます。すべての数値は、明示的に記載されていない限り、2021年6月21日時点のものです。

 6.1 成長

他の暗号化市場と同様にFTXは豊作の年の恩恵を受けました。これはユーザー、ボリューム、収益の観点から見ても同様でした。

デイリーアクティブユーザー(FAU)は2019年の平均2,032人から2020年には14,922人に増加しました。これは634%の急成長を意味します。

2021年も猛烈なペースを維持することができ、デイリーアクティブユーザー数は平均60,753人と、2019年から2,890%増加し、前年の平均からは307%増加しています。

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週間および月間のアクティブユーザー数も同様に増加しました。これはもちろん総登録者数の大幅な伸びに助けられたものです。

2020年6月に7万4000人だったユーザーが1年後には120万人になりました。これは1521%の増加です。気の遠くなるほどの急上昇です。

もちろん出来高も連動して動いています。1日平均は2019年から2020年にかけて600%近く動き、10億ドルを突破しました。2021年にはそのベースから効果的に11倍になり、1日平均109億ドルに達しています。

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この流れはFTXのさまざまなプラットフォームに分かれています。FTXはFTX.usとBlockfolioの両方での取引量を記録しており、これらのプラットフォームで見られるフローを知ることができます。なお、このデータは、今年の1月下旬から6月中旬までの短い期間のものです。

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この期間中、Blockfolioの1日の最高出来高はわずか2,500万ドルで、2021年に追加されたばかりの機能の目新しさを示していることがわかります。FTX.usはかなり高いボリュームを見ており、6億ドルを突破しています。

どちらも総取引量にはほとんど影響しません。FTX.usが実証期間中に取引量の1%未満を牽引したのに対し、Blockfolioは0.036%の貢献となりました。FTXのビジネスは少なくとも今のところ米国外に固まっています。

また、興味深いのはAlamedaのシェアが低下していることです。2020年の年初にはフローの約45%がファンドからのものでしたが、同年3月から急激に低下しています。2021年6月現在Alamedaのシェアはわずか5%であり、FTXが流動性の供給源の多様化に成功していることを示しています。

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最後に収益に目を向けてみましょう。FTXの1日あたりの平均収益は、2019年には4万37ドルで、翌年には23万7616ドルに上昇しています。

2021年にはその数字が220万ドルを突破し、さりげなく840%増となっています。これによりさらなる成長を考慮せずに計算すると、8億300万ドルのランレートを達成しました。

FTXが同じペースで事業を拡大できるとは思えませんが、経営陣が手を緩めないのは確かでしょう。SBFは2021年に売上高が10億ドルを超えることを期待していると公言しています。

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 6.2 Revenue Mix

この収益はどこから来るのですか?

他の取引所と同様に、FTXは先物取引の手数料、現物取引の手数料、金利など、さまざまな収入源から収益を得ています。彼らは時間の経過とともに、収益の多様化に成功し、たとえば現物取引の収益を増やしていることがわかります。

最近買収したBlockfolioも、その取引量から予想される以上に貢献しているようです。その他の収益には、NFTの販売のような小規模な事業が含まれていると思われます。

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上記のミックスに関連して、FTXは手数料に関するデータを共有しました。彼らは時間をかけてグローバルプラットフォームの手数料を約0.02%まで下げているようです。

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注目すべきは、FTX.usが定期的にその5~10倍、およそ0.2%の手数料を徴収していることです。Blockfolioの手数料はさらに高く、約0.8%です。このことはこの部門が収益面でボリュームを上回っていることの説明にもなります。

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FTXはBlockfolioや米国の取引所の手数料をボリュームの増加に応じて引き下げる可能性がありますが、これらのプロパティを成長させることで、収益を大きく伸ばすことができます。

 6.3 リテンション

SBFとの会話の中で最も表現力が豊かだったのは、リテンションについて尋ねたときでした。彼は力強くこう答えました。

私たちはお客様を失うことのないポジションにいたいと思っています。お客さまを失ったら大変なことになります。
そして、お客様が何のために当社以外のプラットフォームを選択したのか、その理由を知りたいのです。そして、もっと良くなるためにはどうすればいいのかも。

FTXの数字はこのこだわりが成果を上げていることを示しています。ほとんどのコホート、特に2019年のコホートは、時間の経過とともに取引量が大幅に増加しています。例えば、2019年5月のグループは2020年5月に比べて2021年5月の取引量が580%増加しました。 

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このように取引量が増加しているのは、顧客の維持率が高いからなのでしょうか、それともクジラがFTXでの取引を増やしているからなのでしょうか?
月間アクティブ・トレーダーの維持率を見ると、後者であることがわかります。

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初期のコホートはそれなりの利益を上げていますが(2019年5月は2020年と2021年の間で48%の成長)数量の伸びとは比較になりません。より最近のコホートでは、緩やかに減少しているようです。

 6.4 コスト

SBFは以前、FTXはバランスシートから成長できる状態にあると述べました。我々の持っているの情報は限られていますが、いくつかの指標を確保しています。

具体的には2021年の平均経費は1日あたり428,610ドル、年間156百万ドルと記載されています。これは2020年に比べて421%の増加となります。だだ、売上高が8倍を超えていることを考えると、少なくともこの概算値からはFTXは身の丈にあった運営をしているように見えます。

支出が急増した理由はなんでしょうか?正確にはわかりませんが、我々はマーケティングではないかと考えています。

7. マーケティング:マス・アピール

6月4日、FTXのチームから発表がありました。マイアミ・ヒートのスタジアムのネーミングライツ(命名権)を購入したのだ。2021年、それまでアメリカン航空がスポンサーを務めていたスタジアムは「FTXアリーナ」となります。

この1億3,500万ドルの支出が意思表示であるとすれば、その後の展開はそれを後押しするものとなりました。その2日後、FTXは2億1,000万ドルを投じてeスポーツのチーム・ソロミッドのネーミングライツを獲得し、「TSM」に3文字を加えて「TSM FTX」としました。そのわずか3週間後、FTXはメジャーリーグベースボールと契約を結び、これは暗号通貨企業としては初めてのことでした。リーグの審判員は今ジャージにFTXのパッチを付けています。

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FTXはアメリカに真剣に取り組んでいます。FTXはCoinbaseがより確立されたブランドであることを認識した上で、積極的にアクセルを踏み知名度を高めるための手段を講じています。また、FTXがマーケティング予算をどのように使うかについてもいくつかのポイントが浮かび上がってきます。

1. FTXはメインストリームになりたい
5億ドルの予算を使うには、もっと的を絞った方法があります。しかしFTXのマーケティングを見ると明らかによりマス向け、つまり大衆にアピールすることを目指しているようです。これはGeminiよりもRobinhoodに似た企業だと言えるでしょう。

2. FTXはスポーツに興味がある
確かにNBAやMLBでプレーすることは、巨大な視聴者を保証するでしょう。しかし、FTXの選択した分野を付随的なものとして読むべきではありません。スポーツベッティングはまさにFTXが所有したいと思っている市場なのです。これについては次週の記事で詳しく紹介します。

3. FTXはソフトパワーを駆使している
米国の規制当局にアピールするには、米国で最も愛されている娯楽の支持者になるのが一番です。Binanceがその起源からして決して望むことのできない方法でFTXはその物語にアメリカの文化を取り入れています。これにより、FTXは外国の提案ではないように見えるかもしれません。

 スポーツ協賛のような大胆な動きはソフトな動きに支えられています。FTXの慈善活動を「マーケティング」と位置づけるのは少々皮肉なことですが、特に創業者が効果的な利他主義に真摯に取り組んでいることを考えると、ユーザーがビジネスをどのように受け止めるかを教えてくれるものでしょう。

この点についてはFTXはStripeを参考にしているようです。FTXはStripeと同様の構造を持つ独自の気候イニシアチブを立ち上げ、研究や新技術を支援しています。

これに加えて、FTXの寄付誓約では手数料の1%を慈善活動に寄付しています。予想されるようにこれは効果的な利他主義に基づいており、駆虫薬のような、効果的でも「セクシーではない」問題についても言及しています。

この点、FTXは顧客を巻き込んだ立派な仕事をしているようです。FTXは、自分のお金を寄付するだけでなく、他の人にも参加を呼びかけています。現在までにユーザーから寄せられた寄付金は750万ドル近くにのぼり、寄付金全体の66%を占めています。これはコミュニティがFTXの価値観を自分たちのものとして考えているということを示すものかもしれません。

FTXは注目を浴びることに貪欲ですが、一方で明確な視点を持っています。より多くの人に利用してもらうためにも、この視点を大切にしてもらいたいと思います。

8. M&A:Blockfolioの買収

「クリプトの人は技術について考える。サムはCACについて考える。」

Blockfolioの買収はこの言葉の信頼度をより高めているでしょう。FTXは、Blockfolioを1億5,000万ドルで買収したことで顧客基盤の拡大と多様化を実現し、よりリテールビジネスに適した将来に向けて準備を進めています。

まずBlockfolioの製品について詳しく見てみましょう。2014年に設立された同社のビジネスは暗号資産の価格と自分の保有資産の価値を追跡するシンプルな方法としてスタートしました。時を経て、クリプトニュースをハイライトする、より充実した機能を持つアプリへと変化しました。FTXによる買収前には1,750万ドルの資金調達を行いました。

買収後、Blockfolioはさらに機能を拡大しました。重要なのは取引機能が追加されたことで、アプリから直接売買できるようになったことでしょう。

この点だけを見ると、BlockfolioはFTXに大きな利益をもたらしているようには見えません。価格とポートフォリオのトラッキングは取引所にとって重要な課題であり、よくできたモバイルアプリを持つことは価値がありますが、FTXが1億5000万ドルよりもかなり低い金額で同様のものを作ることができなかったとは考えにくいです。

しかしBlockfolioのユーザーベースを見ると、今回の買収が特に賢明な動きであることがわかります。まずBlockfolioは膨大な数のデイリーアクティブユーザー(DAU)を抱えています。FTXが2021年にDAUが6万753人を割ったのに対し、Blockfolioは2020年12月から2021年1月の間に平均82万1,000人を記録しました。

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これはエンゲージメントのあるグループです。FTXの内部資料では。Blockfolioの平均的なユーザーは、1日に複数回、非常に短いセッションでアプリを使用していると言及されています。

合計するとBlockfolioのユーザー数は650万人から700万人となりますが、その差はトラッキングの問題によるものです。2020年にはおよそ175万人がアクティブでした。

重要なのはこのユーザー層がFTXのユーザー層と異なることです。FTXがアジアで強力なユーザーを獲得しているのに対し、Blockfolioの顧客はほとんどが北米とヨーロッパの人々です。米国は同社の最大の拠点であり、その18%を占めています。そしてついでオランダ(6.41%)、イギリス(5.96%)、ドイツ(5.74%)、ロシア(3.74%)がトップ5に入っています。

これは何を意味しているのでしょうか?

FTXは650万人のユーザーを1億5,000万ドルで購入し、CACは23ドルとなりました。 BlockfolioがすぐにFTXのような取引収入を得ることは期待できませんが、FTXのリテールユーザー1人当たりの平均月収は337ドルであることがわかっています。 Blockfolioがこの金額と同じ範囲に入ることができれば、この取引はかなりのお買い得となります。回収期間はわずか2日です。仮にFTXがBlockfolioの米国内の顧客(117万人)にしか利用されないと仮定しても、CACは128ドルと納得のいく金額になります。

上記を考えるとBlockfolioの買収はかなり魅力的だとわかります。大規模なユーザーベースを持つ企業は効果的なマネタイズに苦労します。確かにBlockfolioのような企業は広告やサブスクリプションプログラムを提供することができますが、取引の収益性に対抗するのは難しいでしょう。そのうち、FTXは大規模なユーザーベースを誇りながらもARPUが低い企業をより多く買収することになるかもしれません。これについては次回詳しくお話します。

最終的には、BlockfolioがFTXをどのように補完するかを理解するのは難しくありません。FTXは直感的で消費者に優しいアプリを傘下に加えたことに加え、これまでほとんど浸透していなかった地域に大規模で熱心なユーザーベースを獲得しました。

彼らは米国をはじめとする主要な市場で取引を促進する手段を効果的に得たのです。このことはFTXがより激しい競争に備えていく上で、特に重要な意味を持つと考えられます。

9. コンペティション:リスクテイカー達の戦争

FTXが最大の競争相手と考えている企業の概要が、経営陣によって共有された内部文書に記されています。多くは予想通りのものですが、その他は会社の計画を示す興味深いものとなっています。

リストアップされているのは、

・Coinbase
・Kraken
・BitMEX
・BlockFi
・eToro
・Revolut
・Uniswap
・Sushiswap
・Bakkt
・DraftKings

その不在に最も驚かされたのはBinanceで、次いでGeminiとRobinhoodです。逆にBakktはその規模の小ささを考えると含まれているのは意外です。

そして、上記のリストからFTXは伝統的な銀行(Revolut)、暗号利息口座(BlockFi)、スポーツベッティング(DraftKings)に関心を持っていることがわかります。

FTXはこのピアセットと比べてどうでしょうか?

 9.1 直接の競合

BinanceはFTXと最も似ているかもしれません。両社のどちらも幅広い資産と市場へのアクセスを提供しています。

両社はまた、コンプライアンスよりもスピードを優先するというほぼ同じアプローチをとってきました。ただ、先日ブライアン・ブルックスがBinanceUSのCEOを辞任したことでBinanceは苦境に立たされています。米通貨監督庁(OCC)の元長官であるブルックスはBinanceをコンプライアンスに導く人物であると考えられていました。「戦略的方向性の違い」を理由とした退任は彼らが前途多難であることを示唆しています。

デリバティブに特化した取引所としてはBitMEXも興味深い比較対象となります。Race Capitalのメモにもあるように、FTXの初期のベンチマークはBitMEXでしたがその後拡大しています。

BitMEXはFTXの5年前の2014年に立ち上げられたにも関わらず、FTXの取引量に5倍以上の差をつけられています。また、創業者のアーサー・ヘイズがマネーロンダリング防止策を怠ったとして連邦政府に起訴されるなど、規制面でも問題を抱えています。これはFTXにとっても注意すべき点ではありますが当面は大きな余地があります。

また、Coinbase、Kraken、eToro、Bakkt、Robinhoodも直接の競合相手と言えますが、完全に一致するわけではありません。これらの企業のうち一部の企業のみが暗号資産先物を提供しており、Robinhoodはもちろん株式やオプションの投資で最もよく知られています。

競合が多く複雑であるため、簡略化のためにCoinbaseに焦点を当ててみましょう。最も多くの収益を上げている取引所である同社は、FTXにとって特に興味深い存在と言えます。

最も印象的なのは、製品の観点から見るとFTXの方がはるかに充実しているように見えることです。かつてCoinbaseは真の革新者であると考えられていましたが、ここ数年はFTXの後塵を拝しています。ここ1年ほどの間にどのような意味のある追加製品が出荷されたのでしょうか?上場している資産の点では、成熟していない多くの企業に後れを取っています。老犬がまだ追加していない機能を提供するものも多い。リーダーシップが気にしていないように見えることは、問題をさらに悪化させる。

これがおそらく、CoinbaseとFTXの2番目に大きな違いである経営陣だ。ブライアン・アームストロングは、Coinbaseのような規模の会社を管理する能力に疑問を持っています。会社の歴史を振り返ると、アームストロングは握力が弱く、バラジ・スリニヴァサンやアシフ・ヒルジといった野心的な部下に帝国を築かせていたことがあります。それを可能にしているのは、Coinbaseの今後10年以上のビジョンが曖昧なことが理由です。

SBFの耐久性やリスク許容度の高さを心配することはあっても、FTXの創業者にビジョンやそれを実現するための気概が欠けているとは誰も言わないでしょう。

FTXがこれらの取引所に比べて劣っているのは、デザイン面です。FTXは、そのボリュームに反して、かなり無味乾燥なピクセルの塊です。

これは、シリコンバレーの人間ではなくWall Streetの人間を採用したことの弊害かもしれません。CoinbaseやKrakenが美しく、直感的な消費者向けアプリを持っているのに対し、FTXはまだ洗練されていません。

Blockfolioを購入したことで、この点は改善されましたが、製品全体としては、色合いを新しくしたり、フローを刷新したりすることが必要です。

また、CoinbaseはBison Trailsのような企業や開発者向けの魅力的な機能を提供しています。FTXはいくつかの点でCoinbaseを上回っていますが、暗号化で最も信頼されているオンランプと真の機能面で同等になるためには、まだやるべきことがあります。

DEX
UniswapとSushiswapはDTXとして競合しており、FTXの代替品であり、またSerumの直接の競争相手でもあります。

DEXはFTX、Coinbase、Krakenのような中央集権的な取引所の代わりになるのでしょうか?少なくとも数年先ではあるが、可能性はありそうです。

Serumの設立は、FTXがそのような事態をもっともらしく考え、喜んでヘッジしていることを示唆しています。しかし、現状ではSerumは最大のDEXのはるか先に位置しています。執筆時のCoinmarketcapのランキングによると、Serumは1日の取引量で23位で、BakerySwapの上、PancakeSwapの下に位置しています。Uniswap V3が17億ドルを処理したのに対し、Serumの処理額は2,100万ドルにとどまっています。

もちろん、挽回するための時間はありますし、FTXチームに賭ける人はほとんどいないでしょう。しかし、今のところ、同社はDEXというニッチな領域ではマイナーな存在です。 

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私たちに残されたのはその名残と手掛かりです。FTXはRevolutと比べてどのような位置にあるのでしょうか?DraftKingsはどうでしょうか?

FTXはスポーツベッティングに参入できるだろうか?第3部では、これらの疑問を正確に解明していきます。 

10. バリュエーション:異次元の戦い

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売上高のランレートが18倍のFTXは、少なくとも一見しただけでは、かなり合理的に見えます。コインベースと比べるとかなりの倍率ですが、Bakkt(75倍)、Uniswap(20倍)、BlockFi(50倍)と比べても遜色ありません。

これらの企業はFTXよりも利益率が高いのでしょうか?より早く成長しているのでしょうか?すべての企業が暗号化ブームの恩恵を受けていると考えられますが、FTXの成長率は実に驚異的で、1日の平均収益は前年比840%増です。製品の市場適合性がはるかに低いと思われるBakktが、このベンチマークを上回っていることは想像に難くありません。

1日の平均取引量に対する評価額を見ると、さらなる情報が得られます。この指標は、単独ではそれほど興味深いものではありませんが、興味深い比較が可能です。例えば、FTXの評価額は1日あたりの平均出来高の2.5倍であるのに対し、Coinbaseは30倍をわずかに下回っています。

この違いは何なのでしょうか?

収益を見ると、明らかにCoinbaseの方がGMV当たりに多くの収益を得ることに成功しています。これは恐らくその高い手数料に起因していると思われます。Krakenもこの点では同じように評価されているようです。

FTXはテイクレートを上げてボリュームを維持できるでしょうか?そうかもしれません。

しかし、手数料は競争して取り除くことができます。そして、同社は別のゲームをしているようです。FTXは、わずかな利益を得るために最適化するのではなく、可能な限り多くの取引量をプラットフォームに取り込み、その上で利益を得る方法を重ねたいと考えているようです。(この点ではネオバンクでのNubankのやり方と似ています)。

FTXが最も堅牢で流動性の高い取引所を持てば株取引、貯蓄、決済など、あらゆる金融関係の拠点となるのは当然だと考えているのでしょう。

同社の手数料体系はそれほど積極的ではないかもしれませんが、そこには量の価値があります。2021年に評価額が飛躍的に上昇したにもかかわらず、FTXは多くの点で割安に見えます。

11. ベアケース:崩壊するとしたら?

もちろん、FTXはその潜在能力を発揮できない可能性があります。

さまざまな面で優れているとはいえ、同社がリスクと無縁であるわけではありません。多くの点で、戦略的な意思決定により、危険性が増しているのです。不運なスピードランナーのように、FTXは動きが速すぎて将来必要になるアイテムを拾い忘れているかもしれません。ある瞬間、会社のリソースが不足し、支払えない負債に直面する可能性があります。

特にFTXは、不利な規制措置や広報活動に直面したり、エコシステムの根本的な変化を見逃したりする可能性があります。ここでは、 事態がどのように悪化するかを説明します。

 11. 1 規制

ある関係者は「なぜ彼らに規制措置がとられないのか、さっぱりわからない」と述べています。このクリプト投資家の混乱の要点は、FTXが常にルールを守っているようには見えないということでした。

この情報源が挙げた一例は、FTXがトークン化された証券を提供していることでした。管轄区域にもよりますが、株式の提供(たとえ合成されたものであっても)は適切に規制された事業者からのみ許可されます。この関係者によると、FTXは主要な市場でこの認可を受けていないようです。

規制当局が同社に照準を合わせる前にFTXはこのような過失を修正することができるだろうか。

特に懸念されるのは米国です。FTXは米国市場を重要視しており、マーケティングや買収に巨額の資金を投じています。しかし、SECの新長官であるゲーリー・ゲンスラーは、これまでのところ「野生の西部」と呼ばれる暗号分野に対して積極的な姿勢を見せています。多くの人が、より厳格なルールと綿密な調査に備えています。

最近では他の規制当局も積極的に対応する姿勢を見せています。7月には、ニュージャージー州の司法長官がBlockFi社を攻撃し、同州での営業を停止しました。司法長官は同社がニュージャージー州の証券法を遵守せずに顧客に証券を販売していたと指摘しました。

他の企業も追随するでしょうか?FTXの広範でリスクを好む製品群とオフショアのルーツは、彼らを審査の対象にするかもしれません。

今のところ、FTXは規制当局の怒りを買うリスクを軽減するために全力を尽くしているようです。

今回の資金調達では、セコイア・キャピタル、ソフトバンク、サード・ポイントなど、世界で最も影響力のある金融機関を迎え入れたいという思いが、少なくとも部分的にはあるようです。これらのファンドは、規制の不確実性を回避した経験が豊富であり、重要な指針となるはずです。

SBF自身もこの問題に真剣に取り組んでいるようです。最近のインタビューで、SBFは規制問題に1日5時間を費やしており、さまざまな規制機関と協力したいと語っています。彼は、GCのダン・フリードバーグをはじめとするスタッフを雇い、これらの取り組みを強化しています。このような積極的な姿勢は、これまで規制機関を邪魔者扱いしてきたBitMEXのアーサー・ヘイズなどとは大きく異なるものです。

最後に、SBFが現政権に関心を示していることも見逃せません。SBFは、2020年のバイデンの選挙戦に520万ドルを寄付し、現職大統領ではマイケル・ブルームバーグに次ぐ第2位の寄付者となりました。

このお金で意味のある影響力を買えるでしょうか?可能性は低いでしょう。しかし、FTXは新しい市場を獲得し、既存のビジネスを守るために、多方面での駆け引きを行っている。それでも十分ではない可能性がある。

 11. 2 PRの失敗

1年ほどの間に、Robinhoodは世論の法廷で反乱軍の一員から社会の疫病神になってしまいました。かつてはその革新的なゼロコミッションモデルで賞賛されていたが、この取引所は相次いで非難の波にさらされています。

その失敗例としては、取引のゲーム化、素人投資家へのレバレッジの提供、ハイリスク・ハイフリークエンシー投資に結びついたビジネスモデルへの依存などが挙げられます。

彼らはかつて新世代の投資家に力を与えるものと考えられていましたが、最近ではドーパミンを放出するソーシャルプロダクトというイメージが強くなっています。どちらの風刺も正しいかどうかはさておき、ハイテク業界の寵児であっても取り消されることがあるのです。

FTXは同じ罠に陥らないように注意する必要があります。多くの点で同社は格好の標的となっています。同社は、トレーニングをほとんど必要とせず、ハイレバレッジな投機的投資を提供しており、特にスポーツとの提携により、マスマーケットを追求しています。この組み合わせにより、レバレッジに魅せられた素朴な投資家が経済的に悲惨な決断を下すという問題を引き起こすことは、想像に難くありません。

このような反発から守るためには、FTXはユーザー教育に投資するとともに、プロではない投資家が自分の行っている賭けを理解できるように製品を構築する必要があります。

 11. 2 市場の変化

この分野の他のすべての企業と同様に、FTXの繁栄は、より広範な暗号部門の成功と高い相関関係があります。この分野を観察したことのある人なら誰でも知っているように、この市場は非常に変動が激しく、数時間のうちに燃えるような暑さから凍えるような寒さに変わることがあります。その後の冬は長く続きます。

ただ、この業界が完全に崩壊しない限りFTXが窮地を切り抜けられるでしょう。同社は資本力があり、余裕のある経営をしています。このことは次のクリプトの春を迎えることができることを示唆しています。

実際、小規模な取引所から取引量を吸い上げたり、商品群を拡大するために不良資産を拾ったりして、冷え込みを利用する立場にあるかもしれません。しかし、その可能性はまだあります。

この点で、FTXは積極的にリポジショニングを行っているようです。詳しくは次回お伝えしますが、例えばスポーツベッティングに進出すれば、同社の暗号との相関関係が緩和され、ビットコインの価格に関係なく安定した収益源を確保することができます。

さらに心配なのは、先に述べた「DEXへの利用シフト」の可能性です。これは実現可能と思われます。というのも、ビットコインの基本的な考え方は「非中央集権」だからです。市場が成熟していく中で、最大の信奉者が伝統的な企業を強化したいと思うのはなぜでしょうか。

FTXはSerumを持っていますが、その関連性だけでは、自由や草の根を感じさせるものではありません。また、これまで述べてきたように、DEXは他の多くの企業に比べて遅れています。どうすればいいのか。

今のところ、同社は適切な行動をとっているようです。また、Alamedaの広範な投資活動のおかげで、FTXは、模倣や買収によって自社のビジネスを刷新するかもしれません。

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FTXは時計を追い越すために作られた会社です。

設立から2年間で、多くの熱心な利用者を集め、大量の取引を行い、素晴らしい収益を上げています。この取引所は、クリプトシーンに革新をもたらし、今ではその福音をより多くの人々に伝えようとしています。

しかし、起業することがスピード競争ではないとしたらどうでしょうか?

FTXは今後数年間で、速度と制御の調整方法を学び、混沌と熟考を交換し、時にはクラッシュしないように速度を落とす必要があるでしょう。

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2万5000字以上の長い記事をここまで読んでくださりありがとうございました。

FTXという企業の異常さやスタートアップ、ひいてはクリプト業界の変化の速さがわかる内容で、自分も訳していて非常に面白かったです。

近日中にPart 3も配信予定なので、ぜひ楽しみにお待ちください。

今回の著者はいつもと同じく「The Generalist」のファウンダーであるMario Gabrieleさんです。いつもありがとうございます。

今回の原文はこちらです。

僕のTwitterでも国内外のフィンテック情報について毎日更新しているので、今回の記事が気に入ったという方はぜひフォローをお願いいたします。

Part 3↓

近日公開!


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