売りを見つける
昨年、先輩が引退してから、柔道部部長となった息子。
予餞会や新入生オリエンテーションで、部長として、人前に出て話すこともあるようで。
どちらかといえば、私は学校のことについて、子供にあまり聞かない方。
ただ、そんな話題は、少々気になったりする。
聞けば、会場を沸かせたとか、知らない先生にも良かったよと言われたとか、なんともイイ感じで終えてはいるようだ。
え?何したの?
人前で話すことが苦手な私は、興味津々で聞いてしまう。
でも、そんなことを聞いても、話術?なんて、はぐらかされる。
実は、本人も分からないらしい。
その時のノリみたいなもので、話しているようで。
でも、きっと、そうなのだ。
息子は、その場の雰囲気で、自然に自分を出せてしまう人なのだ。
人柄が、自然に出てしまうというか。
彼の人柄に、惹かれた人が集まり、友達となっていく。
息子は、無理やり自分を作っていないし、友達も無理に作らない。
来る者拒まず、去るもの追わず、なのである。
人の名前も誕生日も覚えないくらい、テキトーに生きているのに、なんとなくいつも、その時を楽しく過ごせる、仲間がいる。
人に恵まれている。
と同時に、彼もいいヤツなのだ。
卵を割る時にビビるのに、悩みを相談すれば、いつもドーンと構えて、的確なアドバイスをくれたり。
楽しそうと感じれば、すぐに挑戦し始める。
媚びることはなく、自分に嘘をつくこともない。
自分らしさを、うまく出すことが出来ている彼のことが、私は大好きなのだ。
親バカかもしれないが、それで構わない。
自分の「売り」をうまく出せる。
大切だと思う。
過去にママ友達の間で、手作りの洋服や小物を作ることが流行った。
私もそれに便乗しようと思ったが、何1つ作れなかった。
その時に買ったミシンは、雑巾を作るため、何かのお直しなんかに数回使い、最近では、ほぼ使われていない。
あれ?
でも、ミシンを使うこと自体、好きではあるのだ。
突然思い出す。
小学生の頃から、家にあったミシンを使い、自分で雑巾を作っていた。
ただ、ママ友達といろんな物を作ることには、乗っかれなかったのだ。
みんな、器用だったし、センスもあったし。
なぜか楽しくなかった。
この辺も、紐解いておかなければいけないことかもな、なんて思った。
まぁ、こんな感じで、何かを手作りし、売り物を作り出す。
過去の自分には、「物を売る」ということが、そういうことだと思っていた。
でも、息子のように、人柄であったり、その人が持っている物を売るということが、大切なのだと思うようになった。
いろいろなものが、商品となり売り物になるし、お金になる時代になった。
だから、正直な自分の気持ちや、それを知ることが必要かもな。
もし、今、自分が売れるものを問われたら、なんて答えるだろう。
売りにはならないかもしれないけれど、好きなことはなんだろう。
したいことはなんだろう。
自分探し、出来ているだろうか。
受け止められているだろうか。
探偵のように、探し出したり、見つけ出したり。
コーディネーターのように、間に入り繋げたり。
今はそんなことをしたいと、思い描いているのです。
きっと出来る!なんて、思っていたりもするのです。
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