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負のオーラ
あー、イヤだな。
行きたくないな。
今日も観に来なくていいよ。
もしかしたら、最後の試合になるかもしれない柔道の地区大会に、息子は私の観戦を拒否する。
中学3年生は、勝ち進まなければ、ここで引退となる。
中学生になってから、息子の柔道着姿は見ていない気がする。
決して流行病のせいではない。
拒否されても、勝手に観戦すればいいものを、私は観に行っていない。
まぁ、息子が拒否することも理由ではあるのだけれど、実は、私が観て応援すると、どんな競技でも私が応援した方が、ほぼほぼ負けてしまうのだ。
統計を取ろうものなら、95%越えかもしれないと思うほど。
でも息子は、勝ちたいから来なくていいと言っているわけではないようで。
息子の中では、何かがあるのだ。
思春期特有の何かが。
柔道は中学で辞めるらしい。
まぁ、私がなんとなくやらせたスポーツなので、黒帯も取ったしいいかなとは思っている。
で、今回負ければ、最後の試合になるわけだから、私が観に行って負ければ、息子の望みである柔道からの解放?なんて思い、やっぱり観に行こうか?なんて聞く。
すると、別にあんたの負のオーラに、自分は負ける気がしない。
負のオーラがあるから来ないでと言っているわけではない、と。
負のオーラに負けない自信がある。
息子強いなって思った。
ずっと減量も筋トレも頑張っていた。
辛くはなかったらしいが、それを続けたからの自信?と考えたけれど、そんなことではないのだ。
思考の仕方を知っていて、負けることがマイナスではないことを、彼は分かっているのだ。
そんな思考を身近で感じさせてくれる息子には、感謝しかない。
私は負のオーラが強いのではなく、エネルギーの吸収力が強大なのかも。
なんて思い直した。
頑張れ!って応援しながら、頑張っている人のエネルギーを吸収しているのかもな。
ごめん、みんな。
でも、勝ち負けじゃないんだよなって思う。
今は思えるようになった。
だから、柔道を続けなさいとも言うことはない。
でも、たくさんの人にお世話になって、心も身体も強くなったことは事実。
息子も、充分、分かっていると思っている。
家で試合結果を気にしつつ、留守番をしながら、ここまで書いたわけです。
結果は2回戦敗退だったようで。
でも、解放され、すでにやりたい事を見つけた息子の笑顔に、私もホッとしています。
お疲れ様。
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