イイ顔イイ人
朝から、急ぎの仕事が入り対応する。
手のあいている後輩に指示を出し、作業するように言われる。
が、その指示したことが気に入らなかった上司。
イヤミを言われる。
少し腹が立った。
自分ひとりで作業するなら、どのくらい時間がかかるかな。
自分のペースで考えるのは楽だ。
たとえ遅くなっても、自己責任でなんとかしようと思う。
ただ、早くやらねばと考えることのない後輩には、それなりに余裕を持った指示を出す必要があると思った。
上司はそれが気に入らなかった。
いゃ、指示を出した後の後輩のスピード感に、私もイライラしていたのだ。
私もミスしたと感じてはいた。
だから、私ひとりでやれば良かった。
これが本音だ。
でも、それでは人が育たないということも分かっている。
作業の仕方を見せればいいという、そんな時代でもなくなった。
分かっている。
私は協力プレイが苦手なタイプだし、上司の言いたいことも分かっている。
後輩の仕事っぷりだって分かっている。
全部に腹が立ったし、もうイイ顔をするのも面倒だと思った。
ゆっくりでいいよ。
そんなことを言われている後輩は、私にイヤな態度を取ってくる。
私は上司に言ってやった。
私はゆっくりでいいよなんて、言われたことありませんけどね、と。
でも、そんなことを言われず、会社で育てられたことに、少し感謝もした。
腹を立てることで成長できたからかもしれない。
必死にやってきた結果、今できることがあるから。
もうイイ顔なんてしない。
そもそもイイ顔ってなんだよ。
ウソついて、ニコニコしているのがイイ顔?
自分の本音を隠して、優しい人がイイ人?
なんだか、イイ顔もイイ人でいることも、どうでも良くなった。
意地悪したり悪い人になろうとは思わないけれど、無理やりイイ顔してイイ人になるのもやめようと思った。
どうせできないし、なれないのだから。
みんな好きにやればいい。
ただ私は、無理にイイ顔をすることをやめるだけ。
イヤな態度を取る人にも、イイ人でいようとした結果、ちょっとした心の小爆発が起きたのかもな。
その小爆発を良いエネルギーに変換できればと思うのです。