恋焦がれて

山田さん(仮)に電話が繋がらない。

数日前から、何度も電話をかけているが、山田さん(仮)は出られないのだ。

電話連絡網。

いまだにそのようなものが存在し、私は振り回されている。

振り回されているのは、私の心。

伝えなければいけないことがあるのに、伝えられていない。

ほとんどが一斉メールで、連絡を受け取っているのだけれど、何人かは電話連絡を希望している。

その会には年配の人もいるので、仕方のないことかもしれない。

ずっとメールしてこなかったのかな？

そんなの分からないと放置し、勉強したり教えてもらわずに、今まできたのだろうか。

それとも、必要がなかったのか。

電話を選ぶ理由はなんだろう？とか考えたり。

私は文字で残ってほしいので、メールの方がいいかななんて思う。

ただ、電話は確実に伝えた感はあるし、相手の反応も分かるし、連絡手段としては早いのかもしれないと思う。

ただ繋がらなければ、意味がない。

出てくれなければ、ずっとモヤモヤしていなければならない。

山田さん(仮)の電話は、昨夜から「おかけになった電話は、電源が入っていないか、電波の届かない場所にあるため繋がりません」と応答する。

山田さん(仮)大丈夫かな。

倒れてたりしないかな。

私の心の中は、いつの間にか山田さん(仮)でいっぱいになっている。

山田さん(仮)に、恋焦がれているかのように。

明日、繋がるだろうか。

山田さん(仮)のことを思いながら、週末に突入です。

早く解放されたい。

なんなら、メールの仕方を教えてあげたい。

とりあえず、繋がることを祈る。

私の中の山田さん(仮)の存在が、小さくなりますように。