note感想🌟 【フォト小説】たどりついたら猫の島
早すぎる死と残された時間。
佐柳島。
瀬戸内海に浮かぶ小さな島。
島民の数は70人ばかり。
島民より数が多いと言われる猫。
観光客は、猫を見るために、その島を訪れるという。
今は亡きあの人のルーツ。
幼い日の宝物のような記憶。
家族と過ごした、かけがえのない時間。
何もないけれど、少年だったあの人の胸にいつまでも残っていた。
通り過ぎるだけの人や島なら、何がわかるだろうか。
表面をなぞるだけ。
わかった気になるだけ。
人も島も、近づいてこそ、本質がわかる。
良さも悪さも。
一期一会のわずかな時で。
時間が止まったような島で、風化した風景。
忙しさを忘れるようなのどかさ。
少しずつ、忘れ去られていく。
決して縛りつけたりしなかったあの人。
2人でいたら、自由だった。
あなたが自由をくれた幸せ。
病気が治ってくれたら、よかったのに。
あの人のルーツを探す旅に出た。
少しでもわかりたくて。
防波堤を飛ぶ猫。
飛ばない猫も、飛んで欲しいと願えば、飛んでくれる?
願いよ、叶え。
叶わないことが、この世には多すぎるから。
防波堤の切れ端に置いた煮干し。
向こう側から、猫が飛んだ。
美しくアーチを描いて。
飛んでくれた。
想いが伝わった。
やっぱり、飛べるんだ。
すべてを見透かすように。
風化していく景色の中で、猫たちの美しいアーチは訪れる人の心にいつまでも残るだろう。
また、頑張ろうと思った。
これから生きていく日常で。
猫のように飛び越えて。
新しい何かを見つけるために。
青乃家さん、素敵な記事をありがとうございました😽
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