おねしょの記憶
小学1年まで確実におねしょをしていた記憶がある。
当時二階で寝ていて、夜中ひとりで階段を降り、暗闇を歩いてトイレに行くのが怖かった。
ごくたまに、親を起こしトイレまでついてきてもらうことがあったが、大抵はひとりで行ってきなさいと突き放された。
だから尿意を覚えて目覚めても、なんとかなるかもしれないと賭けに出て再び眠りに落ち、結果負けることが多かった。
不思議に親に告げても顔はしかめられたが、怒られなかったことをみると、親もおねしょをしていたんだろうなと思っていた。
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おねしょをするときには決まって放尿している夢を見た。
トイレのときもあれば、野原で解放感に満ちながらなんてことも。
夢の途中でこれは夢だと気づいたものの、時すでに遅しということも稀にあった。
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子供をほめなきゃならないときがある。
そんなとき多用するのが、「おねしょしたことないもんな」である。
3歳のなかばまでしていたオムツ。
突然「もういらない」と言い放った日を境に一切しなくなった。
寝る前にトイレに行く習慣はあるけれど、おねしょをすることもなかった。
買い置きしていたオムツと、用意していたおねしょシーツは無駄になった。
おねしょが描かれた絵本も何冊か読んだが、まるで他人事のようだった。
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さきほど、なぜおねしょをしないのか尋ねたが、特に理由はないそうだ。