サイクル理論|第四章 相場の大反転
この記事は「相場のサイクルの基本」メリマン著の要約です。
強気相場と弱気相場
強気相場と弱気相場では価格の値動きは異なります。
強気相場では価格が上昇する期間が長くなる傾向があり、このときの山谷を結んだサイクルの形状を「ライト・トランスレーション」と呼びます。価格が上がり続けるため、小さいサイクルのボトム(最低点)は徐々に高くなり、天井(最高点)も徐々に高くなることが特徴です。
一方、弱気相場では価格が下落する期間が長く、「レフト・トランスレーション」と呼ばれます。ここでは、小さいサイクルの天井とボトムが徐々に低くなります。
相場の大反転
市場には「相場の大反転」という現象があります。
各サイクルは、天井(最高値)やボトム(最安値)をつけた後に反転しますが、短いサイクルが単独で起こす反転の動きはあまり強力ではないことが多いです。一方で、プライマリーサイクルや長期サイクルの天井やボトムの後に起こる反転は非常に強力です。弱気相場においてもプライマリーサイクルや長期サイクルがボトムをつけた後に強い反騰が起きることがあります。
長期サイクルがボトムをつけた後の最初のプライマリーサイクルは、しばしば強気の特徴を示します。相場の大反転の原則を知らない人は、この状況を弱気相場から強気相場に変わったと誤解するかもしれませんが、実際には相場はサイクル論に基づいて動いているだけです。相場の反転は、関連する大きなサイクルの期間に比例して続く傾向があります。大反転のタイミングとその後の相場の動きを把握することで、サイクル理論は、他の取引手法に比べて優位に立つことができます。
相場のトレンドが反転するタイミングは、各サイクルの長さに対する一定の割合で決まります。一般的には、反転の動きは大きいサイクルの長さの6分の1から3分の1の期間続きます。もしその期間が半分を超えると、新たなトレンドの始まりを示すことが多いです。たとえば、18週間のプライマリーサイクルでは、価格の反転が2~8週間続くことが一般的です。
たとえば、銀市場(ニューヨーク商品取引所)についてみてみると、18週間のプライマリーサイクルが終わると、その後の2~8週間で急激な価格の下落が見られることがあります。逆に、弱気相場では50週サイクルがボトムをつけた後に、6~24週間の間に相場が反騰することが多いです。
第五章 プライマリーサイクルの解剖 →