サイクル理論|第一章 サイクル理論の特徴
FX サイクル理論のメリマンの著書(相場のサイクルの基本)を意訳していこうと思います。もともとの日本語訳が難解なため 最終章までたどりつけるか ちょっと自信がありませんが、、。
まずは 第一章 サイクル理論の特徴から、始めて見たいと思います。
ここはサイクル理論の序章ともいうべき、このあとに使用される用語や考え方が述べられている位置づけかと思います。
サイクル理論の概要
サイクル理論によるFX取引手法を 表面的にとらえ、その本質を理解できていないまま適用すると 誤った判断をおこなってしまうことでしょう。サイクル理論は 高値・安値の出現時期をピタリとあてるものではありません。サイクル理論によるFX取引で成功するためには、サイクルの「支配性」、「トランスレーション」、「歪み」等の概念を理解することが大切だと考えられます。そのために、サイクル理論において、高値・安値をつけるサイクル、すなわち期間とは固定的なものではないということを、まず理解する必要があります。
あなたがいまサイクルについて真実と思っていたことは 実は真実ではなく、サイクルを理解することは単なる期間(=時間)を測定することにとどまらないのだということを理解できたとき、サイクルによる取引の真髄がみえてくるでしょう。
サイクルの特徴
定義
サイクルとは、一定の間隔で高値・安値が繰り返し起こる現象のことです。必ずしも100%の規則性を持つわけではありませんが、80%以上の確率で一定の間隔で発生するとされています。
ここで”一定の間隔”とは、特定の日や週に限定されるものではありません。それは、ある程度の幅を持った時間の範囲を意味します。例えば、ある通貨ペアのサイクルが「6週サイクル」であるといった場合、毎回それが正確に6週間ごとに起こるわけではありません。実際には、5~7週間の間隔で80%以上の確率で起こることを指します。
オーブ(許容範囲)
「オーブ」とは、平均的なサイクルの長さに対する許容範囲(=誤差あるいは揺らぎ)をもつことをあらわします。
「サイクルの中心」は、その通貨ペアがもつサイクルの平均的な時間の長さを意味しますが、実際にはその中心から少し前後することがあります。この前後の範囲を”オーブ”と呼びます。
具体例で説明すると、例えば、「6週サイクル」というサイクルがあるとします。この場合、サイクルの中心(=平均)は6週間です。しかし、オーブ(=許容範囲)が1週間あるため、このサイクルは5~7週間の間隔で発生することになります。つまり、6週間を中心にして、その前後1週間の範囲内でサイクルが起こるということです。
オーブの計算方法
オーブは通常、”サイクルの中心”の6分の1の長さです。
例えば、
・「6週サイクル」の場合、”サイクルの中心”は6週間で、”オーブ”は その6分の1である 1週間になります。したがって、「6週サイクル」では、5~7週間の間隔でサイクルが発生します。
・「18週サイクル」の場合、”サイクルの中心”は18週間で、”オーブ”はその6分の1である3週間になります。したがって、「18週サイクル」では、15~21週間の間隔でサイクルが発生します。
以上のように、オーブはサイクルの中心からの許容範囲を示し、サイクルが正確にその中心で発生しなくても、その範囲内であれば正常と見なされます。これにより、サイクルの予測が柔軟になり、実際の現象に対応しやすくなります。
短縮と延長
短縮とは、サイクルがオーブを含む時間帯の80%未満で終了することで、サイクルが通常よりも早く終わることを指します。例えば、6週間ごとに何かが起こる「6週サイクル」があるとします。このサイクルが4週間で終わってしまった場合、それは「短縮」されたサイクルといいます。
延長とは、逆にサイクルがオーブを含む正常な時間帯を超えて終了することで、サイクルが通常よりも長く続くことを指します。例えば、同じく「6週サイクル」が8週間続いた場合、それは「延長」されたサイクルといいます。
サイクルの内包
全てのサイクルは、より小さいサイクルによって構成され、また、より大きいサイクルの一部となります。例えば、「18週サイクル」には3~4個の「6週サイクル」が含まれます。
優越サイクル、支配性および歪みについて
サイクルを判断する方法は様々ありますが、有効な判断の方法は数種類とされています。
ここではサイクルを判断する際に利用する考え方、見方について解説します。
優越サイクル
サイクルを判断する有効な方法の1つは、優越サイクルです。
以下の条件を満たすサイクルが優越サイクルと定義されます。
・強気相場(=上昇トレンド)では、サイクルの開始時が最安値であること
・また弱気相場(=下降トレンド)では、サイクルの終了時が最安値であること
・そしてサイクルの開始時と終了時の間に安値が出現しないこと
優越サイクルは、トレーディングにおいてエントリーポイントとエグジットポイントを明確にするために非常に有用なサイクルのみかたとなります。
支配性
大きな時間足のサイクルは、それよりも小さな時間足のサイクルを支配しており、大きいサイクルが小さいサイクルに対し サイクルの”短縮”作用や”延長”作用を与えることがあります。例えば、18週サイクルの中にある6週サイクルが、18週サイクルのサイクル終了に引きずられて短縮や延長することがあります。大きなサイクルの影響を受けて、小さいサイクがの予定通りに終了しないという事象を引き起こすことがあります。
支配性を理解することで、サイクルの短縮や延長を予測しやすくなります。すなわち、大きなサイクルが終了する時期に注意を払うことで、小さなサイクルが終了するタイミングを特定します。
歪み
サイクルが正常な時間帯からずれることを指します。例えば、プライマリーサイクルの中には数個のメジャーサイクルが含まれています。たとえば、「18週サイクル」の中に「6週サイクル」と呼ばれる5~7週のサイクルが3個入っている場合、最初の2個のメジャーサイクルは予定通り5週目と7週目の間に出現する可能性が高いです。しかし、3個目のメジャーサイクルは、より大きいプライマリーサイクルが終了するので、しばしば短縮されるか、延長されることがあります。このように、大きいサイクルが支配性を発揮すると、小さいサイクルに歪みが生じます。
トレーダーは、各時間足のサイクルが、それぞれどの位置にあるかを理解する必要があります。これにより、小さいサイクルが予定通り終了するか、あるいは大きいサイクルの支配性により短縮されるか、延長されるかを予測することができます。また、どの時点で正常の長さからずれるかを予測することも可能です。このようにサイクルには歪みが生じるため、最後のサイクルの終了時に予想を誤ることがあります。