2024 秋M3 お手伝い情報まとめ
お世話になっております。
G.A.M.G.WORKS 自動車 原付です。
今年もこの季節がやってまいりました。同人音楽の祭典、音系・メディアミックス同人即売会M3。
今年もG.A.M.G.WORKSでは、いくつかのサークルの宣伝映像を制作させていただきました。この記事では、協力した各サークルの頒布情報、映像のこだわりポイントなどをご紹介できればと思います。
Ars Caerula『Acceleration Error: ARCA out of memory』 〈H-14ab〉
大人気スマートフォン向けアプリゲーム『ブルーアーカイブ -Blue Archive-』の二次創作アルバム『Acceleration Error: ARCA out of memory』のクロスフェード動画を制作しました。
ゲーム内BGMのアレンジ楽曲からオリジナル楽曲まで、作品への愛が詰まったトラックを収録。今回は番外編ということでCD全体にコンセプトが課されており、それぞれのトラックメイカーのアプローチの違いにも注目です。
ジャケットを飾るキャラクターはレイサ。パステルな髪色と彩度の低い絵柄がゆるいキュート感を演出しておりとても良いですね。イラストは組長先生、CD全体のデザインはArs Caerulaさんのこれまでのリリースのイラスト・デザインを担当されてきた13(いちみ)先生がそれぞれ担当されております。良いお仕事。ナイスディレクションでございます。
クロスフェード動画はアイデア出しに苦戦してました。淡い白を基調にした盤面デザインに対して、音楽性はキックとノイズが轟く高速音楽……ってどうしたらいいんですか!全然引き出しに無いんですけど~~~!
スッと情報量引いた画面でシンプルにまとめる。これでもいいんでしょうけど、大はしゃぎ音楽が流れているというのにオブジェクトでテンションの同期を取らずただ手を止めてしまっていいのか……俺は……。でもパチンコ演出ばりにビッカビカにするのはジャケットのトーンに合致していないわけですよ。
最終的に「色自体はペールトーンだけど、大胆に置く・細かく置く・うるさく動く」で行きましょうと個人的方針を固め、このようなレイアウトになりました。
タイトルと作曲者は大きく表示。敢えて端ギリギリの配置に。白いブロック状のノイズを置き(キャラの上にも重ねるのって滅多にしませんね)、背景にはCDがバラバラバラと。パッと見は淡いけど、動くとうるさい画面が実現でき満足です。
時間的調整としては、タイトル表示のタイミングとCDを撒くタイミングを各曲で調整しています。結局アーティストロゴ出すタイミングとスモーク炊くタイミングが一番大事で……(VJも舞台演出もエアプ)。
背景のCDはBlenderを利用して作成しました。Blenderでは「異方性反射」という現象を再現できるようで、これでCD特有のキラキラ感を再現しています。
CDのデータ面にはたくさんの細かい溝が掘られていて、それが光を特定の方向にだけ反射することによって特殊なハイライトが入るそうです。キューティクルつやつやの髪に天使の輪が見えるのも、髪の毛一本一本が特定の方向にだけ光を反射するために、全体が照り返すのではなく輪が現れるというわけです(天使の輪って、ヘイロー……ってこと!?)(最近出たヘイローの公式見解、めっちゃ興味深いっすよね……)。
実はマテリアル設定だけではなくライティングの方も難しかったりしたんですが、理想の50%くらいまでは作り込むことができ、それなりには満足しています。物理演算も正直まだ分かっていない部分が多くて、カメラワークで騙し騙し形にしました。3DCGには難しいところが多すぎる……!やりがいしかないですね。
冒頭でも軽く触れましたが、今回はCD全体に明確なコンセプトストーリーがついており、しかも頒布するCDそのものが重要なアイテムになっているようで……?というメタ的な仕掛け。好きですね~。好き。
Ars CaerulaさんのXFDでは毎回映像内でなにかしらのテキストを書かせて頂いており、主催の方々が褒めてくれるんで毎回勝手に調子に乗らせてもらっています。文章の二次創作ってなんかより具体的なので恥ずかしい。人に見せるために二次創作的な内容を真剣に考えている時にだけ熱くなる脳の部位って確実に存在すると思っていて、そこが熱くできるので毎回「嬉しいな~」と思っています。……急にろくろこね始めてすみません。
今回は企画のあらすじを二行セリフに圧縮ッ、という感じでした。内容は決まっているので恥ずかしさ度は減ってますが、やはり口調とか思考プロセスの解釈とか、合ってるかな~?という不安はあります。脳のとある部位が熱い。宇沢レイサさんの絆ストーリー良すぎ。「スズミさん」ってさん付けで呼ぶのなんか好きなんだよな……。あなたの解釈も聞かせてください。俺と解釈バトルだ!
スペースはH-14ab、お誕生日席らしいです。旧譜Memoria; Verが若干数あるのと、慧瀬。さんのブルアカアレンジDLカードも無料配布です。最近広がりつつあるブルアカ同人アレンジの輪。広げていきましょう。
ろいた 3nd EP『遠星の追憶』 〈D-21a〉
春M3で頒布された架空アニメの主題歌アルバム『双星の約束』、続編となる3rdEP『遠星の追憶』は、時間が大きくさかのぼって過去が舞台!
「回収屋」の元気少女と三百年の孤独を生きる白髪アンドロイド、今度はハードSF味が濃くなって、一体どうなっちゃうの~~~!? 前回の企画からPV制作で再び参加させていただいております。特設サイトには設定解説てんこ盛り。SF筋が疼きますね……!
もちろんEP本体も、世界を緻密に組み上げるような丁寧な編曲力が光る素敵な楽曲群。個人的には2曲目のシリアスできれいな世界観が好きです……!ゆえに特殊演出。
アニメの撮影を意識して光影処理をやってみています。元のイラストのニュアンスもあまり崩し過ぎないようにするバランス調整が難しいんですが、良い感じにできたかな~と思っています。照り返しをしっかり入れると空間にいる感じが増しますね。
情報をどの程度表示するかは毎回悩んでしまって、今回はフラットな塗りとともに右下に情報を追加してみました。なんか画面が締まった、ような……?この辺のレイアウトの引き出しも増やしていきたいところ!
最後の各種情報表示も今回は背景に色を敷いて少しでも読みやすくなれば、と……。「カッコよさ」と「可読性」、「両方」やらなくっちゃあならないってのが映像デザインのつらいところだな、というところです。覚悟はいいか?オレはまだごちゃごちゃ言ってます。
M3当日はDLコード+キャラ設定+小説etc.の特製ブックレット形式で頒布とのこと!今回はストーリーが読めちゃうんですって!え~~~~~嬉し……。音楽と合わせて読めば作品世界を存分に味わえること間違いなしです!
『#VVVJ 04』〈O-03a〉
VJ素材コンピレーション、VVVJシリーズの4作目。初回からお声がけいただいており、そろそろ後方彼氏面も板についてきました。今回もG.A.M.G.WORKS名義で数本提供しております。
毎回新しいプラグインのスキルアップに使わせてもらっていますね……。本当に助かっています。今回の目玉はTrapcode。おそらく一番有名なプラグイン群ではあるのですが、とにかく高い……。しかし先日意を決してサブスクを契約。どんどん映像制作から逃れられなくなっています。
「Trapcode Mir」というボコボコした地形を描画するようなプラグインを使って1本。無から有を作り出すプラグインはいくらあっても良いので、これからもっと仲良くなっていきたいものです。「Trapcode Mir」は『遠星の追憶』XFD映像のTr.3でも使っています。
他はパーティクルを表示する「stardust」というプラグインでトンネルっぽいものと宙に浮かぶメッシュを作っています。あまり激しいダンスミュージック向きではなく、テクノやアンビエントに合う素材を意識して作っています。もちろんループ対応。フロアをゆっくり展開させましょう。
最後は枠素材。以前作ったhide and seekという映像素材集のアイデアで「黒抜きになった部分だけ下の映像がチラチラ見えたら面白いかも」というものがあったのですが、黒部分が映る時間がしっかり長いものがあまり作れなかったので、「映像をしっかり見せたい・たまに枠が動いてほしい」という素材があったらどうかな?と思い制作した試作機になります。うっすらフレアも入れているので、加算合成してもらうといい感じにゆらゆらキラキラするかなと思ってます……がどうでしょう?使ってみてください!エフェクトなしの差分ファイルも収録してます。
お手伝いしたサークルの紹介は以上になります。
クロスフェード映像制作はいつでも受け付けておりますので、メールかXのDMなどでご連絡いただければと思います。
CDを出す側からすると、試聴映像レベルであれば凝った演出が必要ないケースもありますよね。「最低限SNS上でサビだけ公開できればいいんだけど……」という需要をなんとなく感じます。
そこで、クロスフェード特化の動画制作について、技術記事か技術書かをまとめたいなと最近ぼんやり考えています。パソコンがあれば最低限このワークフローで動画ファイルが書きだせます、ちょっと凝りたいならこういうエフェクト・素材が存在します、ベタなレイアウトはこれです、専門用語はコレを押さえておけば大丈夫です、DTMに例えるとこういうことです、的な内容で。Indesignを触ってみたい欲もほのかにあり、同人本の形態でまとめられたら面白そうだな……なんて。どうでしょう。そんなことしてる暇あるか? ……興味ある方はぜひ応援してください。
それこそ少し知識のある方であれば、VVVJしかり、GAMGWORKSしかりで映像素材さえ手に入れてしまえば試聴映像は案外すぐ完成できますので、是非チェックしていただければと!BOOTHでのDL販売でも入手可能です!「GAMGWORKS動かしたい」っていつも口だけ動かしてます!本当にすみません!新作VJパック作りたい……。
M3当日はH-14abでちょろっと売り子手伝いをしています。「○○の演出良かったです~」とか声かけてもらえると嬉しいです。そうでなくとも郁田はるきさんの話とかしましょう。いやあの郁田はるきさんが、本当に、さあ……すごくて。みなさんシャニソンやってください!
G.A.M.G.WORKS
自動車 原付
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