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春の疫学勉強会2023

こんにちは。修士二年のちーかまです。

1.疫学勉強会とは


我々の研究室では、毎年学部生に向けて疫学勉強会というものを開催しています。時期は春(4-5月)と夏(9月)の2回。
学部生に向けてといいつつ、我々も疫学のことを改めて勉強することになるので、とてもとてもいい機会となっています。

去年までは、まだ教えてもらう側に近かったですが、今年は修士二年ということで、がっつり教える側でした。今までのレジェンドの方々の資料を参考にしながらパワーポイントを作成して、論文を読み込んで解説をして、、

結構時間がかかる作業です。。けど、本当にこういう時間って大切だなと改めて感じました。頭ではわかっていても、いざ説明するとなるとやっぱりわかった「つもり」だったってこと、よくありますよね…
先行文献やガイドラインから背景をどう引用するのか…
統計手法からの結果の書きかた…
考察はちゃんと目的に沿ってる、、?

「わかりやすく」「伝わりやすく」
口ではそう言えても、なかなか難しい…

システム思考。デザイン思考。。そういうことも大切になってきます。
もちろん前提には知識が必要不可欠。

まさしくそこら辺を痛感しました。我々もそろそろ修論を本格的に書き始める時期。今やらないでいつやるの!?という感じですし、むしろ遅いのかも…

M2のみんなも忙しいながら準備たくさんしてくれてありがとう!意見が割れることもたまにありましたが、それもまた良い機会でしたね~~~

過去のレジェンドの記事は以下をご覧ください。

2.進め方

だいたい週1のペースで全6回行いました。一回90分。
STROBEチェックリストに沿って進めていきます。

#第一回と第三回:コホート研究について(担当:マイ、ミサキ)
・疫学デザイン、統計手法の全般(30分)
・コホートとは何?
・文献見ながらチェックリストを進めていく
・文献で使われている統計手法など

初回はなかなか学部生もついていくのが大変だったと思うのですが、研究の基礎をマイが伝えてくれたおかげで、大枠をつかむことができていました。
第三回からは学部生にもチェックリストに沿って、文献で必要な項目が記載されているか確認をとりながら進めていきました。

使用した文献:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsdt/51/9/51_525/_pdf/-char/ja  
https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201902284434699592

#第二回と第四回:横断研究について(担当:アキ、ちーかま)
・横断研究とは何?コホートとの違いは?
・文献見ながらチェックリストを進めていく
・文献で使われている統計手法など

横断研究は、コホートとはまた違うので、少し難しいところ。
新しい用語とか統計手法も出てきて、混乱している様子も見られましたが、しっかりとみんなでディスカッションしながら進めることができました。

使用した文献:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jdh/66/5/66_465/_pdf
https://nodai.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=403&file_id=19&file_no=1

#第五回:質的研究+ミックスメソッドについて(担当:AH)
・質的研究とは?・ミックスメソッドとは?
→量的と質的のメリットデメリット。
・文献見ながらチェックリストを進めていく
・質的研究の手法

四回にわたる観察研究の文献が終わると、質的研究もちらっと。
疫学とはちょっと違いますが、卒業研究ではここら辺をテーマにする子も多いと聞いたので、観察研究との違いも説明しながら講義をしてくれました。
量と質の違い、面白さ、それぞれわかってくれてたらとても嬉しいなと思います。

使用した文献:https://cir.nii.ac.jp/crid/1520573331285481088

#第六回:学部生の発表&まとめ
・学部生主体でパワーポイントの作成やチェックリストに沿った説明をしてもらいました!

最後は学部生の発表。コホートと横断研究の2つのグループに分けて開催しました。M1のみんながヘルプには回ってくれていましたが、発表は学部生の子がしっかりと回してくれて…さすがでした。
適宜院生もツッコミを入れながら、あーでもないこーでもないと議論。
なかなかここまで論文にどっぷり浸かることはやっぱりないので、ここまで仕上げてくれたことに感謝します。(ほかの研究室を聞いていても、なんだかわからず卒研しているという声もちらほら…)

3.感想(M2一同)

私は質的研究とは?について説明をしたのですが、私が学部生の時には質的論文をほとんど読んだことがなかったので、どの程度説明をすれば質的研究について理解を深めてもらえるかということが少し難しかったです。学部生に伝わりやすい資料を作成し、説明できるようにするために論文を読み込み、チェックリストに沿って評価するということを通して、私自身今までちゃんと理解できていなかった部分について再認識することができました。また、論文を読む時にここまで細部にまでこだわることがなかなかできていないと痛感するとともに、今後論文を書く時や読む時には、チェックリストの内容をしっかりと思い出すようにしたいです。
また、4回に渡り他のM2のみんながとてもわかりやすく講義や解説をしてくれて、すごいなぁと思いながらも、曖昧にしか理解できていなかった内容について再度理解を深めることができたため、非常に有意義な時間でした!
学部生の子も毎回しっかりと論文を読み、自分なりに評価をしてくれており、その中でわからないところを先輩に聞くことにより解決してくれていました。そして最終回の発表も自分たちでスライドを作成し、わかりやすく発表してくれていたのが素晴らしかったです。

皆様ありがとうございました〜

4.さいごに

また夏の疫学勉強会も開催する予定です。
その時はM1のみんなが頑張ってくれるかな、、!?
学年問わず、学部生修士みんなで仲良く勉強出来たら嬉しいし、そこが老年のいいところだなーとつくづく思います。

文責:ちーかま

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