抄読会(テーマ:セルフネグレクト)
こんにちは、修士二年のAHとちーかまです。
もう新年度が始まって1か月たつと思うと震えています。もう卒業まで折り返し…
さて、わたしたちの研究室は毎月一回、抄読会を行っています。
抄読会といったら一つの論文を読み込んで、その内容をディスカッションするというようなイメージですが、それとは少し違い、
訪問看護ステーションから事例をもらい、それのエビデンスを論文から探し出しプレゼンし、皆さんとディスカッションするという内容です。
詳しくは以下のnoteを。
#ここ数回の抄読会のテーマ:「セルフネグレクト」
「そもそもセルフネグレクトって?」「聞いたことあるけど、、」
そのような方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際セルフネグレクトの定義というのは少し曖昧で
・本人自身の基本ニーズ(衛生面、服飾面、食事など)を顧みない行為
・衛生や健康行動を放任し、自己の心身の安全や健康が脅かされる状態
などと書かれています。
定義はまあ置いといたとしても、専門職の方目線でも
「実際誰がどんなふうに介入するのか」
「見守りが大事なんだけど、誰が?ボランティア?専門職?」
「継続的な支援が必要だけど…どうしたら…」
そのような困りごとや悩みは尽きないとおっしゃっていました。
これらをテーマに、スーパー専門職の方々と老年看護研究室のみんなでエビデンスに基づいた政策や介入方法を考えてきました。
#簡単に第一回~第四回の流れを。
★第一回「事例:セルフネグレクト傾向にある高齢者と家族について」
~セルフネグレクトの要因と家族との関係~
★第二回「柏木先生からのご講義」
★第三回「事例:セルフネグレクト傾向にある高齢者と家族について」
~セルフネグレクト傾向にあるが、支援の必要性を感じていない(拒否傾向にある)高齢者への支援(介入)方法~
ここまでで…
「支援に対するアプローチ、チーム体制」ってちゃんと整って無くない?
見守りとか多職種連携とか口ではなんぼでもいえるけど!?
→「誰が」「どのように」「いつ」支援(見守りなど)を行うべき?
エビデンスに基づいた政策に繋げるためにはどのようにしたら良いか
そこで今回の抄読会になります。
★第四回「今までの事例の振り返りと各自治体のアプローチ方法」
今までは論文中心でしたが、自治体のホームページや社協のホームページをくまなく調べてみました!
・具体的な事例の紹介はたくさんある、けど自治体によってさまざま。
・ツールもあるが。使われている?これがベスト?
ピンポイントでどう使うのかが課題で、地域ケア会議をうまく利用して活用できればよいなということだが、それは可能なのか。
個人的に面白いと思ったのは、大学生が民生委員になること!
完全に地元の範囲になりますが、自分も高校生の頃や大学生の初めのころはミニ民生委員のようなことしてたのかな~と思いました。
例えば、近所のおじいちゃんおばあちゃんのゴミ出しを手伝ったり、
近所の小さい子の宿題を一緒に手伝ったり、子守りをしたり、
回覧板を渡すついでに話を聞いたり…
最近そういうのできてないな~とふと。地域のつながりの希薄化とか、コロナにもなってなかなか近所づきあいが、とか言いますが、私はそういうのが好きだしこれからもやりたいなと思います。
ぜひ、民生委員、立候補させてほしいな~と感じました。
この抄読会メンバーも時間的にも業務的にも忙しい方が多いはずなのに、やはり一つ一つの関わりを大事にしているのはかっこいいです。
#さいごに感想
セルフネグレクトのアセスメントツールを見つけて紹介したものの、何段階ものプロセスを踏む必要があるため、実際にこのツールを限られた時間の中で使いこなすことができるのかと疑問に思っていました。実際、現場におられる方々も「使いこなせるかどうかと言われれば難しいだろう」とおっしゃっていました。
また、特に印象に残っているディスカッション内容として、
「セルフネグレクトに至るまでには様々な背景があるため、その背景を知ろうと関わる必要があること、つまり、関わる人の人間力が重要になるということ」があげられます。
いくつかの文献の中でも、対象者が何をしたいか、どのようにしたいか、ということを大切にしながら長い時間をかけて関わることにより、心を開いてもらえたという事例がありました。これらのことから、ただ単に目の前の問題を解決しようとツールに頼りすぎるのではなく、一人の人として関わり、思いを聞くことを忘れてはならないということを学ぶことができました。
さらに、大阪市で実際に運用されている「見守り相談室」や民生委員さんは、セルフネグレクト傾向にある人を見落とさないようにするために欠かすことができない存在であるということも、現場の方々の話を聞くことにより改めて感じることができました!
本当に、抄読会では論文と現場の意見と両方の知見を得ることができて、いつもいつも勉強になります。
このような貴重な機会をいつも感謝しています、ありがとうございます!
文責AH、ちーかま