【東大受験】何をやっても英語が伸びないあなたへ
○東大の英語は、伸び悩みやすい。
定番の単語帳で一通りの基礎単語を覚えて、文法学習も終了し、英文解釈や英語長文読解を終えて、過去問演習や、要約、英作文、リスニング等の各設問対策もある程度やった。
けれど、伸びない。
どうやっても、英語の点が伸びてくれない。
一通り定番の勉強はしているはずなのに、どうしても伸び悩んでいる。こういう悩みに苦しむ受験生は多いのではないかと思われる。
何を隠そう、受験生時代の私がその一人だった。
シ◯単、鉄◯英単語、◯頻英文法、ポ◯ポ◯、透◯図、や◯ておきたい1000、2◯ヵ年、キム◯ツリスニング等々…定番の参考書は全て目を通した。
しかしながら、どんなに努力をしても、東大英語だけは、得意にはならなかった。
なぜ、当時の私はどれだけ勉強しても英語が伸びなかったのだろう?
才能がないから?要領が悪いから?所詮は純ジャパだから?
いや、どれも違う。
今の私が、当時の勉強法を振り返った時、英語が伸び悩んでいた明らかな原因が二つある。それは、
①単語力の不足と、②発音学習の不足である。
…え?と意外に思われるかもしれない。
なぜなら、①単語力については、上記の通り、私は◯ス単と◯壁をこなしていた。どちらも東大受験生のシェアの高い単語帳だ。それでなぜ単語力不足になるのだろうか?そもそも、英語が苦手だからといって、英単語の暗記に走るというのは、巷ではいわば「やってはいけない勉強法」の典型例としてよく出されるやつではないか。
②発音学習についても、発音・アクセントの問題なんていうのは、今はもはや東大入試はおろか、共通テストですら出題されなくなったのであり、勉強の必要などないのではないか。
甘い、甘い、甘い!
考え方が甘すぎる。そんなんだから当時の私は英語が苦手なままだったのだ。
現在の私が確信しているのは、英語学習の終着点は、単語力と発音の改善であり、私のような純ジャパの凡人が東大英語で高得点を取るには、この二つの実力向上が不可欠であるということである。
以下、理由を述べる。
○東大英語でなぜ単語学習が重要なのか
当たり前だが、どれだけ頭の良い人間でも、英文中の単語の意味が全くわからなければ、文章は読めない。逆に、意味を知っている単語が多ければ多いほど、英文は読みやすくなる。
ここで、上記の意見については、多少わからない単語があったとしても、前後の推測で読めれば良いのでは?という指摘がありうる。何を隠そう、当時の私もそう思っていた。実際、通常の英語論説文であれば、具体例が多く入っていることが多く、ちょっと読めない単語があったとしても、なんとか読み進めることができる。
しかし、東大英語は、そうはいかないのだ。
なぜなら、東大英語では、基本的に英語以前のそもそもの文章の意味内容や論理展開が抽象的・難解であることが多いため、わずか1単語読めないことが、致命傷となりうる。安易に文脈判断で文章の論理展開を予測しようとすると、大概失敗するようにできているのだ。
おまけに、東大英語は設問数が多く、時間との戦いであるため、意味のわからない単語にいちいち立ち止まって文脈判断をしているような暇はない。
そして、何より重要な点だが、巷でシェアの高い受験用単語帳は、いずれも東大対策には不十分であるという点だ。
よく、「東大英語は単語自体はそんなに難しくない」という「受験通説」を耳にする。私はこれは非常にミスリーディングだと考えている。なぜなら、「そんなに難しくない」はずの単語が、受験用の単語帳には載っていなかったりすることが往々にあるからだ。
例をあげよう。
今年(2024年度)の東大英語4(B)(ア)では、"rip"という単語の意味が問われている。この単語について、巷では、「おそらくほとんどの受験生が知らなかった」「推測で回答できる」などといった意見を耳にする。"rip"が見覚えのない単語であるというのは、おそらく、ター◯ット、シ◯単、鉄◯などのシェア率の高い英単語帳に含まれていないからであろう。
しかし、ここで重要なことは、「大学入試英語で頻出の単語」と、「ネイティブの英語において頻出の単語」は、少なからず異なっているのであり、東大側が重視しているのは、前者ではなく、後者であるということである。
○東大英語では、既存の英単語帳は、役立ちにくい。
どういうことか?基本的に、◯ーゲット、◯ス単、◯壁などの単語帳は、いずれも、基本的には入試問題において頻出の単語を集めている。大学入試の英文はアカデミックなものが多く、頻出する英単語に一定の傾向が存在することは紛れもない事実であり、まずはそうした頻出英単語を覚えるのが効率的であることは、いうまでもない。私自身もその方針自体に異論を唱えるつもりは一切ない。
しかしながら、その際、忘れてはいけない視点が一つある。
それは何か?問題作成者の立場になって、冷静に考えてみてほしい。当たり前のことだが、彼らにとって、入試問題の語彙レベルを設定する際に重要となるのは、ネイティブ英語における使用頻度なのであって、大学受験用の英単語帳における使用頻度ではないということだ。
どういうことか?説明しよう。
東大は、どこまでも本質を追求する。それは、英語だろうが同じだ。そいつが本当に英語をわかっているか、試験でしか通用しないような薄っぺらな勉強をしていないか、どこまでも真正面から問うてくる。それは、単語だって同じなのだ。東大の英語で高得点を取るために絶対覚えておかなくてはならないことは、東大側にとって大事なのは、どこまでも、「実際のネイティブスピーカーたち(それは、必ずしもアメリカ人やイギリス人に限らない。)が、どのように英語を読み、書き、聞き、話しているか」なのであって、どこぞの民間企業やら予備校やらの作った、「大学入試問題で頻出の単語集」とやらにその単語が載っているどうかなどということは、心底どうでもいい、ということである。要は、単語学習において重要なのは、ネイティブの使用頻度なのである。
○ネイティブ頻出単語の学習の必要性
そして東大の英語では、上記を意図してかどうかは不明だが、そういう「ネイティブ英語」では頻出であるにもかかわらず、「大学受験用英単語帳」では全然出てこない英単語が、大量に、しかも重要箇所で登場する。これが、普通の受験勉強をしてきただけの純ジャパの英語弱者にとって、東大英語がなぜか難しく感じる要因の一つなのである。
上記の例で挙げた"rip"などは、まさにそういう単語の一例である。
ripは、例えばロングマン英単語での頻出ランクではS3とされており、これは、口語で良く出てくる頻出単語3000語ーーすなわちこちらのリストによれば、例えば"account"や"achievement"といった、大学入試でいえば共通テストに毛が生えたレベルの単語と同レベルの頻出性の単語なのである。
すなわち、上記のように「見覚えがない」だの「推測するしかない」だのと言われていた"rip"は、別にネイティブからすればよく見かける単語であり、別に難しい単語でもなんでもなかったのだ。ただ、過去の大学入試問題に頻出ではなかったというだけに過ぎない。そして、上記の通り、過去の大学入試問題でその単語が頻出だったかどうかといったことは、東大側からすれば、知ったことではないのである。
逆にいうと、東大英語で帰国子女が無双できる理由は、ここにあるのだ。
よく、「東大英語には要約・和訳など帰国子女には難しい問題も含まれているから、別に必ずしも帰国子女有利ではない」などといった意見がある。勿論、100%間違いとは言えないが、それは非常にミスリーディングな意見だとしか思えない。上記の通り、東大はどこまでも単語帳などではなくネイティブの使う英語の方向を見ているのであり、ネイティブの頻出単語を身につけている帰国子女の方が圧倒的に有利であるのは、当たり前である。にも関わらず、純ジャパの君は彼ら・彼女らと同じ試験を、同じ時間で解いて戦わねばならぬのだ。
そのためには、まずは君はネイティブ英語における頻出の英単語を覚えなくてはならないのである。
ネイティブ頻出単語をどう覚えるかについては、上記のような頻出単語リストを使っても良いし、オススメの英単語帳を知りたい方は弊塾の初回無料面談にてお教えさせて頂くので、プロフィール欄のメールアドレスまでご連絡頂きたい。
○正しい英単語の学習法
ネイティブ頻出の英単語を覚えたとして、正しい英単語の学習方法で覚えなくてはならない。
こちらは、後ほど詳細な記事を作る予定であるが、一つだけ言っておきたいのは、英単語と日本語の意味を一対一対応で覚えることだけは絶対にしてはいけないということだ。これは間違いなく挫折を招く。言語というものは、いわば世界の解釈プロトコルであり、英語と日本語では世界の解釈方法が全然違う。
たとえば、もしあなたが、日本語を学習しようとしているアメリカ人が、「完璧」、「完全」、「十全」、「万全」とかいう単語を「perfect、compleletely」で全て覚えようとしていたら、きっと止めるだろう。確かにそれらの単語は全て「英語の意味としては」perfect、completelyで置き換えられるかもしれないが、各語のニュアンスや使われ方は全然違う、と。
全く同様にして、get, obtain, aquire, gainあたりの単語を、「得る、取得する」あたりで無理やり覚えるのは、やめた方が良いということだ。各語のニュアンスや使われ方は全く異なっているし、覚え方としても、なぜそれらは違う単語になっているのかがわからないと、「同じ意味なのに無意味にバラバラの意味になっている」と脳が判断し、記憶がしにくくなる。この辺は合理的な単語学習法別の記事で詳細に記載する予定なので、お楽しみに。
○発音学習の必要性
次に、意外と知られていない発音学習の重要性について述べる。前述の通り、東大入試には単語の発音やアクセントを直接的に尋ねるような問題はない。ではなぜ、東大英語に発音学習が必要なのか?
理由を述べよう。それは、東大英語の配点の1/4という巨大な割合を占めるリスニングの地力を上げる唯一の方法が、発音学習だからである。
どういうことか?「リスニングを伸ばすためには、英語を聞くべきではないのか?」といったことを思われた方もおられるかもしれない。
しかし、私は断言したい。
英語をただ聞いているだけでは、絶対にリスニングの地力は伸びない。
リスニングの地力をつけるためには、発音学習が不可欠である。
なぜか?その理由として、
まず、①英語における母音や子音は、日本語の母音や子音とは全く異なること、②リダクションやリエゾンなどの英語特有の発音法則の存在、③発声態様の違いといったものが挙げられる。以下説明しよう。
○英語における母音や子音は、日本語の母音や子音とは全く異なる
例えば、"it"という単語の発音は、カタカナで表した場合、通常、「イット」と表記される。だから、"it"を発音するとき、そのカタカナの表記通り「イット」発音している人も多いと思われる。しかし、それは全くもって正しい発音ではない。
"it"の発音は、実は、カタカナの「イット」よりも「エット」という発音に「近い」(厳密には、同じではない。上記のように、英語の母音と日本語の母音は全く異なるのだ。)。これは、一見なんでもないようで、致命的な結果をもたらす。
すなわち、"it"の発音を"イット"だと思い込んでいると、会話中にふと出てきた"it"を聞き取れなかったりするのだ。全く別の単語だと思い込んでしまい、泥沼にハマったりする原因になる。どうやっても聞き取れなかった英語のスクリプトを見て、恐ろしく簡単な単語が聞き取れていなくて愕然とした経験はないだろうか?ちなみに、私はそれが日常茶飯事だった。そういう経験を日頃しているのであれば、おそらく発音学習がきちんとできていない可能性が高い。すぐさま発音学習に取り組む必要性がある。
○リダクション、リエゾンなどの発音法則の存在
リダクション、リエゾンなどの発音法則の存在も、リスニング学習を難しくする大きな原因だ。英文を発音する場合、リダクション(=単語の発音の一部が消失すること)やリエゾン(隣り合う単語の発音がつながってしまうこと)は日常茶飯事であり、文章で見れば非常に簡単なはずの英文が、リスニングとして聞いてみると全く別の文章のように聞こえて聞き取れない、といった事態が発生する。要は、What time is it nowを「ホワット タイム イズ イット ナウ」と発音しているうちは一生「ホッタイモイジルナ」を聞き取れないのだ。
そしてこれらのリダクションやリエゾンに上記の日本語とは異なる母音・子音と合わさって、英語のリスニングを激ムズにしている。
○発声態様の違い
さらに、第3の理由として、③英語を話すときの姿勢や声のトーン、息の吐き方や口の開け方、リズムの取り方といった言語の「発声態様」の側面も、英語と日本語では全然違っている、ということが挙げられる。
音読やシャドーイングを熱心に頑張っているが、なぜか、ネイティブと全く同じようには話せないと思ったことはないだろうか?それは大概この辺の発生態様の違いがわかっていないことに原因がある。
一例を挙げると、日本語は鼻の奥あたりで発音するが、英語は喉の奥の方で発音する。試しに、鼻をつまみながら日本を話してほしい。鼻の奥の方が震えるのがわかるはずだ。一方で、歯を食いしばったまま何か英文を発音してみよう。少しネイティブっぽい話し方に近づくはずだ。
すなわち、日本語の話し方と英語の話し方は、全く異なっているのであり、そういう「話し方の違い」知っているか知っていないかで、英語の聞きやすさは全く変わってしまうのだ。
○発音学習の方法
発音の重要性が理解できたとして、では、発音を勉強するにはどうしたら良いか。市販の発音教材を使っても良いが、注意点は、どんな発音教材でも良いというわけではないということだ。①母音・子音の発音方法を上手く、わかりやすく説明するだけでなく、②リダクションやリエゾンの発生状況をパターン化するとともに、③英語の話し方にまで気を配っている教材ではなくてはダメだ。
大概の市販の発音教材は①か、せいぜい②止まりで、③まで抑えている教材はほとんどない。だからこそ、いつまでも日本の英語産業は儲かってしまうのだ。
尤も、あれこれと教材を試し尽くした私は、実は、上記①〜③を全て抑えた、しかも極めて日本人に向いている発音教材を一つ知っている。
未だ、この発音教材を超える発音教材を知らない。それぐらい素晴らしい本だった。正直なところ、それを使う前と後で、私のリスニング能力は天と地ほど変わってしまったと言っていい。「倍速再生で高地トレーニングだ!」などとトンチンカンなリスニング学習をしていた当時の私に、この勉強法を教えてやりたい。何より、発音が良くなることで、以前よりもはるかにナチュラルな英語を話したり、これまで聞き取れなかった早口の英語を聞き取りやすくなったりできるようになったので、あれだけ辛かった英語の勉強が非常に楽しくなってしまった。
こちらの発音教材も、私の個別指導塾の初回無料面談に申し込んでいただいた方には漏れなく教えさせていただく。興味のある方は、上記メールアドレスまでいつでもご連絡いただきたい。
まとめ
さて、英語に伸び悩みの克服法を書いてきた。
上記で書いた他にも、英語弱者の純ジャパという地獄の底から東大合格まで這い上がってきた私は、伸び悩みを打破するためのノウハウをいくつも知っている。
もし、君が英語に悩んでいるのであれば、私のノウハウは間違いなく役に立つと確信している。私も昔の君と同じように、英語が苦手だった。どうやっても英語が伸びない、そういう君にこそ、このノウハウは提供したい。
この記事を読んで、僅かでも私の個別指導塾に興味を持って頂いた方は、gnothisealton@gmail.comまで、いつでもご連絡頂きたい。まずは、初回無料Zoom面談で、君のお悩みを喜んで聞かせていただこう。もう、そんなに一人で悩まなくて良いのだ。そういう時は、できる人に聞いてしまった方がずっと早い。