数値化できないモノの価値が上がる時代
神戸サウナ&スパに学ぶブランディング。神戸サウナ&スパを深掘りしていくと、やはりAppleと同じような要素が抽出できる。
これからの時代は明らかに数値化できるものではなく、数値化できない要素が強い。数値化できるものはコピーしやすいので、すぐに模倣されるため、数値化できないものが長期的優位性をもたらす。
コピーされにくい強みはビジネス文脈でコアコンピタンスと呼ばれる。コアコンピタンスでは主に5つの視点で見る。
1.模倣可能性(Imitiability)
2.移動可能性(Transferability)
3.代替可能性(Substitutability)
4.希少性(Scarcity)
5.耐久性(Durability)
僕が読み解く神戸サウナ&スパのコアコンピタンス(コピーされにくい強み)は以下の通り。いずれも数値化できない要素なので、コアコンピタンスの5つの要素を満たしているのではないか。
1.ミニマム・強調
2.世界観
3.クールさ
1.ミニマム・強調
フィンランドサウナでは歌詞のない音楽。音がない静寂な空間だからこそ音楽が強調される。テレビのないサウナは贅沢そのもの。物理的スペースだけでなく視覚的・聴覚的スペースにも余白が設計されている。
室内のサウナはテレビがあるが、早朝でNHKのクラシック番組だったの最高であった。ただテレビはやっぱりサウナにな不要だなぁと感じる。
2.世界観
フィンランドのサウナを経験した人にしか作れない世界観であり、フィンランドへのリスペクトが随所から伝わる。
この世界観を作るにはフィンランドをインプットしていることが条件で、思考の編集素材にフィンランドが入っている方が設計されたのだろう。
自分でサウナを作る際には、焚き火ナイトは是非とも取り入れたい。そこでソーセージを焼いてビールを飲めたらヒュッゲが感じられる。上品な遊び心も随所に見られる。石を掘ったトゥントゥの表情も愛らしい。バケツシャワーも凄く良い。
フィンランドサウナで見られた光景で、利用者の方が自分の汗をマットで拭いて出ていく姿が見られた。本当にサウナが好きなんだなぁと感じたとともに、こういう姿勢って利用者間で伝わっていくので、素敵だなぁと感じた。
3.クールさ
グッズが洗練されている。「KOBE SAUNA & SPA」の文字ロゴだけでクールだ。トゥントゥ(サウナの妖精)のデザインもミニマムで美しい。デザインに余白があるので強調される。
他の施設だとキャッチーに走ってダサく見えてしまうケースが多い。キャッチーではなく、クール路線で打ち出していく。「神戸サウナ&スパをイケてると思ってる自分が素敵」を演出するサウナ界のAppleだ。
アイデンティティを代弁してくれるアイテムとして身につけておきたくなる。神戸サウナ&スパはファッションまたはアパレルブランドなのかもしれない。
サウナリニューアルPJTのクラウドファンディングで905人が支援した事実からも分かるようにファンがいる。
またスマホアプリも入れておくだけでテンションが上がる類のものだ。サウナイキタイのアプリもそうだが、あまり使わないけどそのアプリを入れている自分が好きなのだ。これを作り出すのはブランディングやファンビジネス。
スタッフTシャツもカッコいい。スタッフ募集ではなく、こちらからタダでも良いので働かせてください!と言いたくなる。これからの時代はタダでも良いので働かせてください!を作れるかはめちゃくちゃ重要な視点だと思う。
ただ、館内着はクールではないと思うので、ここをクールにできたら非の打ち所がなくなる。
ここまで神戸サウナ&スパについて書いてきたが、僕の中では泊まりたい宿になっている。目的がそこに宿泊することであり、手段そのためにマラソンという大義を作り出し、マラソンのために宿泊する必要があると家族と交渉する。
マラソン遠征のために泊まれる周辺の安い宿を探すのではなく、神戸サウナ&スパに泊まりたいから周辺のマラソン大会にエントリする。
フィンランドに行く。フィンランドでサウナを体験してくる。ノルウェーなどの近隣諸国やドイツにも脚を運んでサウナをインプットする旅をしたい。
将来的に転職期間で1ヶ月スケジュールが空いた場合は、そこにお金をぶち込んでフルで旅に出る。マインドもアゲアゲしてくれる最高の施設だ。