VRおじさん読んだ。
※深夜の怪文書なので推敲してない。
VRChatterなので『VRおじさんの初恋』を読みました。
「どうせしょうもない内容なんだろ?」と思ってて今まで避けてましたが、ドラマ化が決定したという記事を見て、「ドラマ化できる内容なのか?」という興味が勝り、読みました。
…
……
誠にごめんなさい。今まで馬鹿にしてました。
良い内容だなって素直に思いました。
タイトルが強過ぎるので敬遠していたけれど、いざ読んでみると、こう、なんかね、色々と共感できる部分が多々ありました。
僕もね、ナオキと同じなんです。歳はまだ40歳ではないけれど、禿げた中年男性で、仕事も私生活もうだつの上がらない毎日を過ごし、これまで築き上げたモノはなく、守るべきモノもなく、将来に少しも希望を見い出せていない。そういう人間なんです。本当に。
でも、そんな『終わった人間』でも、現実のしがらみなく人と接せられるのが仮想世界の良さなんだなって再認識しました。
仮想世界であろうと、感情の動きは現実と同じなんですよ。偽りの外見を纏うても、アバターの動きや発せられる言葉は本物なんです。そこを勘違いしちゃあいけません。魂はね、同じ。
作中で良かったなって思った場面としては、ナオキがおじさん同士のこの関係性に『恋人』とは定義せず「この関係に名前なんてなくていい」と言い切った所。「エモーショナル…!」と涙ぐんでしまいました。恥ずかしながら。これが安易に『恋人』『お砂糖』『パートナー』と言ってたらこの儚い関係が台無しになるところでした。
これを読んでVRChatに来る人間が居るの、分かる気がします。こんな綺麗な関係性を求める気持ちも分からんでもないです。
一部だけで話は一区切りつきますが、個人的にはやはり二部のやりとりがあってこそ、だと思いました。蛇足と非難されるかもしれませんが、現実にフォーカスした二部があってこそ、2人の関係性がより美しく思えます。
Life goes on...
仮想世界も現実世界も、劇的に何かが変わることもなく続いていく。言ってしまえば希望の無い結末ですが、まぁ「人生ってそういうものだよね。」と、少しばかり読了後はセンチメンタルな気分になりました。
あー、これは実写化出来んだろうな。何だよ、アバターをリアルの人間が演じるって。違うだろ。百歩譲ってドラマ化はいいけどさ、VRを表現するならVRChatを使うべきじゃないか?
でもなー、作中のVRSNSはフルダイブっぽい挙動でどうしても今のVRChatじゃ演出しきれないから仕方がないのかな。ならCGかアニメでやれよ!
ともかく、原作の『綺麗な仮想世界』『可愛いアバター』『現実のどうしようもないおっさん』を、ドラマで表現出来るとは思えないですね。多分失敗に終わると思います。僕は家にテレビもないので観ることが出来ないですけどね。
…
……
何ですか?Loving Living VRって。VRおじさんの初恋みたいな物なのですか?思いのほか、VRおじさんがエモくて良かったので気になりますっ!
BLかい!
い、いや、まだBLの中にエモーショナルな表現が含まれてると思うので読んで確かめるだけだから……。
…
……
汚ぇ版VRおじさんの初恋だ!これ!
いえ、失礼、作品を貶したわけではなく、「生々しいな」っていう感想です。色々。
フォーマットこそ『VRおじさんの初恋』に似てますが、本作はかなりVRChatの描写が緻密で、「あるかもしれないな」って思うほどのリアルさを感じました。「あ!このワールド見たことある!」ってなりました。いいですよね、あのワールド。
エロありのBL表現がnot for meですので後半の性行為部分は流し読みでしたけれど、それに至る過程が良きでした。ちゃんとね、単なるBL表現だけでなく、ちゃんとした現実世界の描写も交えてて、丁寧。
「これがVRChatの現実」とまでは言い切りたくないですけど、まぁ、こういうのも何処かにはあるよね。それは否定できねぇ。
あー、まぁ、いいんじゃないでしょうか。『VRおじさんの初恋』のような儚く美しい関係性を求めようが、『Loving Living VR』のように生々しい関係性を求めようが。
それを咎めるこたぁ、拙僧には出来ませぬ。
好きにしたらええねん。
日頃僕は「皆深夜にはPrivateでやることやってるんだー!」って騒いでますがね。止めても無駄だから。みんな。もうね。寿司にしたらええねん。
寿司に。
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