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第2回 この先へ、プレイフルに進もう

ケアクリ会議Vol.4 レポート
〜人生100 年時代に向けて、つながりと健康格差を考える1日〜 

今回レポートを執筆してくださるライターの下平さんに、会議全体を通しての感想や想いをまとめていただきました。本編の前に、ライナーノーツ的にお楽しみください。

ケアクリ会議は毎回、開催後にレポート が発表されるのを読んできましたが、今回、初めて参加できました。今年のテーマは「つながり」と「健康格差」で、GNCメンバーが講話を熱望するゲストスピーカーを招いた、というプログラムでした。

つながりづくりや、健康格差の解消は、地域の医療・保健・福祉に携わる人たちの間で熱心に取り組まれている課題です。最近はイベントや勉強会のテーマになっていることも多く、参加すると、すでに専門職だけで地域の課題解決はむずかしいので「いかにして市民を巻き込むか」や「リテラシーを高めるか」など、方々で議論・試行錯誤されていると聞きます。

とくに日々、地域ケアの現場に出ている専門職の多くは、問題が起こる前、重症化する前に市民と関わる機会が少ないことに胸を痛め、専門職と市民の関係性を変える工夫をされているようです。

しかし、これまで困ったときは頼りにするけれど、そうなるまでは無関心でいられた市民に、主体者の自覚を促す言葉は寝耳に水です。「つながり」や「健康」を大事に思う人も、それは暮らしや人生の目的ではないので、普段はあまり意識していません。少子高齢社会が本格化する中、待ったなしだと課題意識を持つ専門職や、何かをきっかけに気づきを得て活動する市民ほどもやもやしている過渡期です。

けれど、そんな“もやもや”に風穴を開けるのが、GNCが設立以来、提唱してきた市民主体、参加型の「プレイフルケア」なのかもしれません。

わくわく楽しいことだから市民も能動的、主体的になっちゃう。楽しんでいるうちに健康になっちゃう。専門職ともコミュニケーションし、新たなコミュニティができる。ことはそう単純にはいかず、地域は多様で、必要なだけ時間がかかるとしても、ゲストスピーカー6名の話を聞いて、決して絵空事ではないと分かりました。

確かに遊び心や、デザインの力など、まだまだ使われていないツールが自分の地域にもあります。ぜひプレイフルに歩みを進めたいもの。そう、可能性を見ていたいのです。

専門職ではありませんが、地域づくりに興味を持つ市民として「なら、まずどうする?」という問いと、希望を持ち帰りました。
(フリー編集者・ライター 下平貴子)

次週から、いよいよ各ゲストトークのレポートを配信します!

ケアクリ会議とは?
ケアの現場をもっとクリエイティブにしたい!という想いを込めて、2014 年から年に1 度、GNCが主催しているシンポジウムです。地域の医療・保健・福祉の現場で課題意識を持って活動しているケア系人材と、さまざまな分野・視点からケアの課題解決に興味を持つデザイナー、クリエイター、研究者、社会起業家といったクリエイティブ人材が、全国から集まります。

その年のテーマに沿って「クリエイティブなケアの現場づくり」とは何かを学び、議論を交わす中で、明日に活かせる気づきやヒントを得て、未来につながる出会いもあります。私たちが暮らす地域の医療・保健・福祉の取り組みが、今よりもっと楽しくて、人々がより能動的に関わりたくなるようなものになるように、私たちGNC はケアクリ会議を続けています。

プレイフルケアとは?
GNCは、今後の地域の医療・保健・福祉は、専門職が主体となり病状の改善や健康増進に焦点をあててきた「ヘルスケア」の発想だけで課題解消をめざすのは困難だと考えています。

これからは生活者が主体となり、趣味や娯楽などの暮らしを楽しく豊かにするエンターテイメント性と、地域社会の人間関係やまちづくりの視点を内包する「プレイフルケア」の発想が不可欠です。GNC は発足以来、「プレイフルケア」という考え方を実践すべく、まちづくりの視点と医療の視点を併せ持った活動を実施しています。

【ケアクリ会議Vol.4 レポート 連載予定】

第1回 ヘルスケアからプレイフルケアへ 
第2回 この先へ、プレイフルに進もう
第3回 ぐっとくるアピールで健康格差解消へ!
第4回 赤ふん坊やの町から全国に届ける「健康のまちづくり」
第5回 ケアの専門職が街中でコーヒー屋台をやる、そのワケ
第6回 「マイノリティ×クリエイティビティ」で社会を良くする
第7回 生活者による、生活者のための地域づくりサポート
第8回 暮らしを愉快に、人生を豊かにするケアを広げたい!

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