見出し画像

朝日に輝く北海道鹿部町のホタテ!漁師の魂が込められたホタテ漁の舞台裏に密着【地域活性化起業人 活動報告 #05】

ぐるなびは、食文化振興や観光振興などによる地域活性化に貢献すべく、2021年より総務省による「企業人材派遣制度」を活用し、当社社員を“地域活性化起業人”として全国各地に派遣。地方自治体との連携のもと、ぐるなびの持つ事業インフラやノウハウを活かした地域独自の魅力・価値の向上に取り組んでいます。
今回は、北海道鹿部町にて業務に従事する荻野こず恵より、活動報告をいたします。

はじめに

こんにちは!2022年9月より北海道鹿部町にて地域活性化起業人として活動している荻野こず恵と申します。「水産王国」として知られる鹿部町にやってきて早1年、新しい場所での挑戦は、まるで冒険のようで、すっかり鹿部町に魅了されています。

函館市の北隣に位置する鹿部町の魅力は、駒ヶ岳の美しい山並み、可愛らしい無人の駅舎など様々ありますが、なかでも「水産王国」と言われる所以である一口食べただけで「幸せ」を感じずにはいられない素晴らしい海産物が最大の魅力と言っても過言ではありません。鹿部町では季節によって旬の様々な海の幸が水揚げされ、ホタテ、タラコ、スケトウダラ、タコ、エビ、イクラなど、ハレの日の食卓に彩りを添える新鮮・上質な食材が全国各地に数多く出荷されています。

私はこれまでも地域活性化などを目的とした、旅行メディアや地域プロモーションの仕事に携わってきたのですが、それらの仕事の多くが一過性のものであったことから、地域の魅力を継続的により深く掘り下げることは、なかなか難しいものでした。他方、地域活性化起業人は、これまでのプロモーション経験を生かしながら、継続的に地域情報の発信に取り組むことができ、非常にやりがいを感じる活動です。鹿部町の持つ多様な魅力をより多くの方に紹介することで、町の発展に貢献したいとの想いを胸に、日々業務に奮闘しています。

鹿部の海に出会った日

大漁祈願祭

私の鹿部町での活動は、漁師の海上での安全や豊漁を祈願し、海への感謝の意を捧げるお祭りである「大漁祈願祭」への参加から始まりました。祈りを捧げる漁師の皆さんの真剣な眼差しに、この上なく身が引き締まる想いを抱いたことを昨日のことのように覚えています。

美味しさの理由。2年貝のホタテ漁師さんの苦労とは

それでは、さっそく北海道鹿部町での活動をご紹介します。

鹿部町の特産「養殖ホタテ」

地元の人にとっての「当たり前」が、道外から来た私からすると「なんて贅沢!」と感じることがたくさんあり、特に驚いたのは「ホタテ」でした。

「ホタテ」のバター焼き

これまで「ホタテは大ければ大きいものがいい!」と思っていたのですが、鹿部町に来て、そうでは無いことを知りました。鹿部町がメインで出荷しているホタテは貝殻の直径が10~11センチほどの2年貝。これがまさに「旨みの宝庫」なんです。

貝殻の直径が15センチほどの3年貝もあるのですが、2年貝と比べると少し大味で旨みが足りないんだそう。地元のホタテ漁師さんたちは、口を揃えて「ホタテは2年貝だべ。味が濃くてうんめぇぞ。」と言います。

この極上の「ホタテ」の販路拡大に取り組むにあたり、まずは生産者の気持ちを理解し、その立場になって「ホンモノ」を伝えることが大切だと考えた私はホタテ漁の現場に参加させていただくこととしました。
地元の皆さんと一緒に作業することで、ホタテの育て方やその背後にあるストーリーなどを自分自身で体験し、深堀ろうと考えた訳です。

現場作業に参加させていただいたのは3月。
関東では春の訪れを感じる時期ですが、こちら鹿部の気温はまだまだ真冬のよう。こうした凍てつくような寒さの中、夜も明けぬ真っ暗な午前0時から「活ホタテの出荷作業」が始まります。

活ホタテの出荷作業は夜中に始まる

ホタテが水揚げされる現場に足を踏み入れると、圧倒される数のホタテがまるで宝石のように美しく輝き並んでおり、それはもう言葉を失うほどでした。
地元の皆さんが息つく暇もなく行われているホタテの仕分け作業に目を奪われながら、私も遅れまいと一心不乱に作業をしていると、いつのまにか朝の7時になっていました。

鹿部町ではホタテの品質を守るために、一つひとつ丁寧に手作業で仕分けを行い、加工場へ出荷します。そのためホタテは傷つくことなく、きれいな姿のまま加工場に届けられるのです。

作業を終えて海に向かうと、まるでご褒美のような景色に出会えました。心洗われるような神々しい朝日、その光が漁師町を優しく包み込む瞬間に立ち会えたのです。

息をのむほど美しい朝日に出会えました

漁師さんたちはこの時期、家族総出で「活ホタテの出荷」作業を行うとのこと。作業をしながら地元の皆さんにホタテについて色々とお聞きすることができ、ホタテが2年かけてどのように育てられ、最高の味を持つことができるのか知ることができました。プロの作業に追いつくのは大変でしたが、作業現場に飛び込んだ甲斐がありました!

ホタテの養殖に費やす期間は2年と長く、その間耳吊り作業~稚貝の採取~仮分散~稚貝のかご入替えといった作業を経て、「活ホタテ」の出荷が行われます。この一連の工程には多くの手間と漁師さんの愛情が注がれています。

【鹿部産 養殖ホタテ 年間作業】
5月~6月 ホタテの耳吊り作業
7月~8月 稚貝の採取、仮分散
 9月~10月 稚貝のかご入替え作業(本分散)
3月~4月 活ホタテの出荷(トンだし作業) 

漁師さんたちは「海が荒れると漁には出られないし、海が汚れてしまうと植物性プランクトンが不足してホタテも育たなくなっちまう。美味しいものを作れることに感謝してっべよ。」と、熱を込めて語ってくれました。『感謝』…その一言が、この地でホタテがいかに大切に育てられているかを物語っているようでした。

こうした活動を通じて、“地元の美味しい食材とそれを育てる生産者の皆さんの情熱を全国各地に発信すること”それが地域活性化起業人の役割なのだと再認識するに至りました。

5月~6月 ホタテの耳吊り作業
7月~8月 稚貝の採取、仮分散。子供たちも家族総出で手伝います
3月~4月 活ホタテの出荷(トンだし作業)
「殻付きホタテ」ウロ(※中腸腺、食べられない)の処理を済ませており、すぐに食べられる

鹿部の「ホタテ」は、お刺身はもちろん、蒸しても焼いても、肉厚でプリプリ!海水の塩味と磯の香りが口の中いっぱいに広がる逸品です。

焼くことで磯の香りがさらに立つ「焼きホタテ」
鮮度抜群の甘く柔らかいトロッととろける「刺身ホタテ」

全国の皆さんにぜひ、鹿部のホタテを味わっていただき、この町を応援いただければ幸いです。

気になる方は、ぜひ当社が運営するお取り寄せサイト「ぐるすぐり」をチェックしてみてください!
ぐるすぐり - 鹿部町のホタテをご紹介しています!
http://pp.gnavi.co.jp/mlcnt/?id=437472

ホタテ丼
漁師さんたちの情熱がとにかく素晴らしい!

これからも挑戦!

美しい鹿部町の漁港

鹿部町に赴任してからわずか1年。長い歴史の中で培われてきた地域の仕事や暮らし方を住民の皆さんから教えていただくなど、とても貴重な経験を積み重ねています。この1年で出会った地元の皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。鹿部町の皆さんに「荻野さんにこの町に来てもらって良かった!」と言ってもらえるよう、少しでも鹿部町に恩返しできるよう、引き続き精進して地域活性化起業人を務めてまいります。

これからも鹿部町をはじめ、北海道の道南エリアの魅力を広めていくことが私の使命です。鹿部町にはまだまだ知られていない魅力がたくさんありますので、訪れた人々や美味しさ溢れる食材に触れた人々に、ファンになってもらえるよう、地元の食材とカルチャーを最大限に活用し、鹿部町の素晴らしさを伝え続けます!